経済なんでも研究会

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時代遅れの 賃金統計

2020-02-13 07:58:15 | 賃金
◇ 給与は20年前より3万円も減った = 厚生労働省が発表した19年の毎月勤労統計によると、労働者1人当たりの平均賃金である現金給与総額は月平均で32万2689円だった。前年に比べると0.3%の減少、給与が前年より減ったのは6年ぶり。このうち正社員は42万5288円で0.3%の増加だったが、パートは9万9758円で前年と変わらなかった。それでも全体の給与総額が減少したのは、賃金の低いパートの人数が増えたためである。

安倍首相は経済界に対して、たびたび賃金の引き上げを要請してきた。勤労者の所得が増えれば消費が増大し、景気が良くなるからである。しかし、なかなか実現はしない。もっと長い目でみると、給与の水準はむしろ下がっている。たとえば10年前の現金給与総額は31万5294円で、昨年よりはやや低い。だが20年前は35万3679円で、昨年を3万円以上も上回っていた。

毎月勤労統計というのは、厚労省が常用雇用者が5人以上いる全国3万3000の事業所を対象に毎月行っている大掛かりな調査。最近はパートタイムで働く労働者が急増。19年の調査では、労働者全体の31.53%を占めている。このため全体の平均賃金は、どうしても下がってしまう。この点は時代の流れを反映していると言えるだろう。

だが毎月勤労統計には、大きな欠陥がある。それは労働者の年齢構造を、全く反映していないことだ。いま団塊の世代が定年に達し、少子化で学卒者も減る傾向にある。すると正規雇用者の平均年齢は下がるが、そのことが統計には現われてこない。たとえば39-41歳の平均賃金を算出して前年と比べれば、生活水準に密着した賃金動向が判明する。現在の統計では賃金の水準が低く出過ぎて、いたずらに節約志向をあおっているのではないか。安倍さん、どう思いますか。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +175.23円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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