◇ 市場は10兆ドルのインフラ投資に反応せず = トランプ大統領は10日、21年度(20年10月-21年9月)の予算教書を議会に送付した。歳出総額は4兆8290億ドル(約530兆円)で、前年度比0.8%の増加となっている。このなかで、インフラ投資を10年間で1兆ドル支出するという景気対策を打ち出した。高速道路や鉄道に8100億ドル、高速通信や水道に1900億ドルを振り向けている。
そのほか防衛費は5.7%の増加、メキシコ国境のカベ建設には20億ドルの支出を要求している。その一方で、社会保障費などは0.3%削減。この結果、財政赤字を5年後には半減させると約束した。野党の民主党は防衛費の削減と社会保障費の増額を主張しているから、議会の審議ではこの辺が最大の対立点になると思われる。
トランプ大統領にしてみると、10年間に1兆ドルのインフラ投資は、大統領選挙を前に繰り出した“切り札”だったに違いない。だが専門家による評価はいま一つ。今後5年間に毎年3%成長することが土台となっているために、全体の構想が甘すぎると受け取られたようだ。市場もこの予算教書をほとんど無視、好材料とは認めていない。
空振りとなった形のインフラ投資。トランプ大統領は選挙前に、まだ何枚かの“切り札”を使いたいところ。しかし中国は新型肺炎で、揺さぶりをかけにくい。中東情勢で強腰に出ても、選挙の票にはなりにくい。カナダやメキシコ、日本との貿易交渉も終わってしまった。どうやらカード切れになったらしい。あとはFRBに圧力をかけて、金融を緩和させるか。トランプ大統領の新しいカード探しが始まろうとしている。
≪13日の日経平均 = 下げ -33.48円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
そのほか防衛費は5.7%の増加、メキシコ国境のカベ建設には20億ドルの支出を要求している。その一方で、社会保障費などは0.3%削減。この結果、財政赤字を5年後には半減させると約束した。野党の民主党は防衛費の削減と社会保障費の増額を主張しているから、議会の審議ではこの辺が最大の対立点になると思われる。
トランプ大統領にしてみると、10年間に1兆ドルのインフラ投資は、大統領選挙を前に繰り出した“切り札”だったに違いない。だが専門家による評価はいま一つ。今後5年間に毎年3%成長することが土台となっているために、全体の構想が甘すぎると受け取られたようだ。市場もこの予算教書をほとんど無視、好材料とは認めていない。
空振りとなった形のインフラ投資。トランプ大統領は選挙前に、まだ何枚かの“切り札”を使いたいところ。しかし中国は新型肺炎で、揺さぶりをかけにくい。中東情勢で強腰に出ても、選挙の票にはなりにくい。カナダやメキシコ、日本との貿易交渉も終わってしまった。どうやらカード切れになったらしい。あとはFRBに圧力をかけて、金融を緩和させるか。トランプ大統領の新しいカード探しが始まろうとしている。
≪13日の日経平均 = 下げ -33.48円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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