亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

原子炉で作られる「必要」なもの

2011-04-11 | お薬のこと一般
原発からはやっぱり放射線物質がダラダラと出ている状態がつづいているようですね。
過去に原発事故はあるものの、こんなに「出つづけ」という事故は前例があるんでしょうか。。

そんなわけで、当然、安全を懸念すると、他の原発も停止した方がいいんじゃないか、という声も上がっているようです。
停止すると言っても、パチンとスイッチを切るようにできるわけではなく、時間がかかるようですね。1998年に運転を終了した東海村の原発では、廃炉作業の完了予定は2021年だそうです。安全に停めるというのも、すごく技術が必要なことみたい。
だから、原子力施設なんてもういらない。そうですね。

でも、発電以外に「原子炉」が必要になるものがあります。

もう2年近く前のことになりますが、世界の各国の原子炉が古くなったり、事故の影響で新規につくることができなっている影響で、放射性医薬品をつくる原子炉も足りなくなっているという話を書いたことがあります。

放射性医療品…。たとえば甲状腺疾患の人なら甲状腺シンチをした人もけっこういらっしゃるでしょう。がんの診断や放射線治療で使うこともあるし、膠原病の人なら、骨シンチや唾液腺シンチをした人もいるかもしれません。あのとき使ったお薬です。

そういった「放射性医療品」の原材料となるモリブデン99は、原子炉で作られるって意外と知られていないかもしれません。

モリブデン99は、「半減期」が約66時間と短いので、備蓄することもむずかしいものなのだそうです。これまで100%輸入してきていましたが、カナダのチョーク・リバー研究所など、主要な原子炉が老朽化してきた影響で、生産が不足するようになり、日本に入りにくくなってきていました。このカナダの原子炉の運転許可期間は、今年2011年まで。延長は不明です。昨年のアイスランドで今年起きた火山噴火では空輸が止まって、混乱が起きたこともありました。

そういうわけで、昨年秋にも、医療用放射性物質モリブデン99を国産化する方向で官民検討会が開かれたところでした。そして、報道では半年くらいかけて、そろそろ報告がでる予定だったのですが、どうなるでしょう。

原子炉が安全とは言えないけれど、新しく作り変えることができず、古い原子炉を使い続けるのもキケンだという議論もあるようです。

今回の福島の事故で、実際にわたし自身も家族や友人が心配にさらされているなかではあるのに、原子力はもういらない…と思ったりしながら、放射線医療品が手に入らなくなったら困るとも思ったり。宇宙で原子炉を作って、簡単に輸送ができるなんてことができたらいいのに。
世界的に原子力施設への不安が高まっている中では、「放射性医薬品」の確保も大きな課題になってきそうです。


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