PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

リカバリー全国フォーラム2011

2011年08月06日 10時28分52秒 | イベント告知

一昨年から始まった「リカバリー全国フォーラム」。
今年も、第3回目が行われることになりました。
「日本の精神保健福祉サービスを“当事者中心”に変革するために」開催されます。
「リカバリー」理念を共に考え、実践を促進することを目的に行われています。

2009年は、日本社会事業大学に約1000名の方が集まりました。
ストレングスモデルのチャールズ・A・ラップさんの講演は、明るく楽しいものでした。裏方は、打合せもたいしてできないままバタバタの運営になり、結構大変でしたが。
実行委員長として、多くの仲間・学生達にも支えられて、乗り切ることができました。

2010年は、文京学院大学の本郷キャンパスに約1200名が集まりました。
WRAP創始者のコープランドさんの講演をはじめ、分科会も熱い議論が展開されました。
昼休み、よく晴れた中庭で、お弁当を食べる参加者の姿が、僕にはとても印象的でした。
トークライブや夜の懇親会で、広田和子さんと掛け合い漫才やって、楽しかったです。

2011年、今年は定員1500名の参加者を目標にしています。
主催者のコンボは、それだけの人数が入れる会場の確保に尽力してくれました。
全体会を東京大学安田講堂で、分科会は文京学院大学をお借りして運営されます。
「ピアサポート」と「震災被災地支援」が、キーワードになっています。

このフォーラムの特徴は、なによりもその参加者に現れています。
ちょうど半数の参加者が、精神保健・医療・福祉にかかわる専門職種です。
あとの約半分が、当事者と家族の方々で、5%の学生がこれに加わります。
専門職と当事者が、互いに対等な立場で、ひとつのテーマを議論し合う場になっています。

日本の精神保健・医療・福祉は、まだとても遅れていて、課題満載です。
施策推進やシステム開発もさることながら、専門職スタッフの意識変革が必要です。
リカバリーフォーラムは、その起爆剤になり得る集会だと、僕は思っています。
語られた当事者・家族の言葉に、専門職種がどう応えていくのかが課題です。

まだ、残暑厳しい9月初旬の平日開催になりますが、どうぞご参加下さい。
多くの方が参加して、活発な意見・体験交流が図られることを期待しています。
今年のプログラムの概要は、下記をご覧下さい。
ウェブサイトから事前に申し込みを行うと、参加費が少し安くなります。




■□■リカバリー全国フォーラム2011■□■

ことしのテーマは「ピアサポート」!
申込受付開始!
リカバリー全国フォーラム2011の事前申込受付を、開始しました。
これまでお問い合わせいただいた皆様、お待たせいたしました。

◆今年のハイライト◆
今年のメインテーマは、「ピアサポートの可能性」です。
当事者が仲間(ピア)である当事者に寄り添い、ささえる、ピアサポートの活動が全国各地で始まっており、様々な形で展開しています。

記念講演(2日目、9/9、金)では、門屋充郎さん(NPO法人十勝圏域障がい者総合支援センター)に「ピアサポーター」をキーワードに、あたらしい「支援」の可能性について語っていただきます。
続くシンポジウムでも同じテーマをとりあげ、シンポジストの皆さまに、それぞれの立場から「ピアサポート」・「ピアサポーター」について意見交換をしていただきます。

フォーラムの初日は、基調シンポジウム(9/8、木)からスタートします。
「リカバリー」についてフォーラムでのこれまでの議論を振り返りつつ、今後への期待をこめ、さらに語り合っていただきます。
続くトークライブでは、阪神、中越、そして今年3月の東北を含む東日本で震災を体験された皆さまが登場します。
当事者として、何を経験し、何を感じたのか、そこから見えてくるものは何なのかを語り合う、対話の場になるよう願っています。

両日とも、午後は様々なトピックをとりあげた分科会が行われます。
「リカバリー」について知りたい、語りたい、耳を傾けたいという皆さまのご参加を、心よりお待ちしています。


●会期:2011年9月8日(木)~ 9日(金)

●会場
第1会場:東京大学 本郷キャンパス内 安田講堂
第2会場:文京学院大学 本郷キャンパス
※両キャンパスは隣同士です(ともに東京メトロ南北線・東大前駅;東京都文京区)

●定員:1,500名(事前申込受付は8月20日まで)

●主催
特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構(コンボ)
財団法人精神・神経科学振興財団

●申込方法
1.ネットでお申し込み
「リカバリー全国フォーラム2011」申込サイトの「事前参加登録・宿泊等の申込」をクリックし、参加登録・宿泊のウェブサイトへアクセスしてください。
→ https://apollon.nta.co.jp/recovery2011

2.ファックス、又は郵送でお申し込み
開催案内をダウンロードし、8ページ目の申込用紙にご記入の上、ファックスまたは郵送でNPO法人コンボ内リカバリー全国フォーラム事務局までお送り下さい。

★開催案内をお取り寄せになりたい方は、事務局までご連絡ください。
※電話でのお申込みはお受けいたしませんので、予めご了承ください。
※定員に達した時点で、事前申込の受付を締め切らせていただきます。

●参加費
種別   事前登録    当日参加    1日参加
一般:  8,000 (7,000)  9,000 (8,000)  ーー
学生:  4,000 (3,000)  5,000 (4,000)  ーー
家族:  3,000 (2,000)  3,000 (2,000)  2,000
当事者: 2,000 (1,000)  2,000 (1,000)  1,000

※カッコ内は、コンボ賛助会員割引料金になります。

●フォーラム前夜祭スペシャルイベント
『ツレがうつになりまして。』の試写会に抽選で50名様をご招待!
『こころの元気+』の連載でもおなじみの「ツレ」さんの物語が映画化され、この秋いよいよロードショウ公開されます。
リカバリー全国フォーラム2011に事前申込いただきた方の中から抽選で50名様を、『ツレがうつになりまして。』(主演:宮崎あおい、堺雅人)試写会にご招待いたします。
多くの方々に観ていただきたい心温まる映画です。
ふるってご応募ください。(映画の公式サイト:www.tsureutsu.jp)

日時: 9月7日(水) 18:30より
場所: 東映試写室(東京都中央区銀座)
応募方法: ①お名前、②フォーラム事前申込日、③電話番号をお書きのうえ、「フォーラム前夜祭参加希望」の件名で、tsureutsu.comhbo@gmail.com 宛に、メールをお送りください。
1件につき2名様まで応募できます。(応募締切:8/20)
抽選後、当選した方には、フォーラム事務局より8月23日までにメールにてご連絡・ご案内をお送りいたします。

●助成
リカバリー全国フォーラム2011は、NPO法人地域精神保健福祉機構が実施する日本財団助成事業の一環として実施されます。

●プログラム
分科会の説明等、詳しくは開催案内をご覧ください

■9月8日(木)■

○基調シンポジウム(10:00 ~11:30) *第1会場

「リカバリー 期待・夢・現実~精神障害者のリカバリーに付随して何が生起するか~」
【座長】
高橋清久(精神・神経科学振興財団)
【シンポジスト】
伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター)
大島巌(日本社会事業大学)
宇田川健(NPO法人コンボ)
【指定発言】
寺尾直宏(千葉県精神障害者家族会連合会)

○トークライブ(11:30 ~13:00) *第1会場

「私たちはどこへ行くのか
 ~阪神、中越、東北・・・つながるネットワーク・・・希望のリレー~」
【司会】
増川信浩(WRAPファシリテーター)
【出演】
神戸、新潟、仙台で震災を体験した当事者の皆さん、他

○分科会(14:30 ~17:00) *(5)をのぞき第2会場

1. 私のリカバリー宣言2011~一人ひとりの、リカバリー~
2. 精神障害をもって働く仲間と考えよう~働き続けるために必要なもの~
3. 家族による家族学習会
4. 看護とリカバリー~「リカバリーを促進する看護師の態度に関する研究」報告から~
5. アンチスティグマとリカバリー *第1会場
6. 医療の場:私達が考えるリカバリー
7. ピア活動が切り開く地域移行・地域定着支援
8. ピアサポートの部屋
9. 「こんぼ亭」スペシャル:続・リカバリーのことを語ろうじゃないか
10. 公募分科会(選考中)
11. 公募分科会(選考中)

○懇親会(17:30 ~19:30) *第2会場


■9月9日(金)■

○記念講演(9:30 ~10:30) *第1会場

「「ピアサポーター」から見える新しい「支援」の関係性」
【講師】 門屋充郎(十勝圏域障がい者総合支援センター)

○シンポジウム(10:30 - 12:30) *第1会場

「日本の精神保健福祉サービスを「リカバリー志向」に変革するために(パート3)
 ~「ピアサポーター」から見える新しい「支援」の関係性~」
【司会】
大島巌(日本社会事業大学)
宇田川健(NPO法人コンボ)
【シンポジスト】
相川章子(聖学院大学)
磯田重行(地域生活支援センターピアくるめ)
門屋充郎(十勝圏域障がい者総合支援センター)
WRAPファシリテーター、ピアサポーターの方、他

○分科会(14:00 ~16:30) *第2会場

12. WRAP ~元気行動回復プラン~
13. 様々な環境におけるIPS(個別就労支援)
14. 地域における家族支援
15. ACT(包括型地域生活支援プログラム)の実際
16. 権利擁護とリカバリー
17. 地活や事業所におけるリカバリー
18. 精神保健医療福祉システムとリカバリー~私たちはこんな精神保健医療福祉システムを望んでいる~
19. ピアサポートの部屋
20. IMR(疾病管理とリカバリー)~リカバリーに役立つ新しいプログラム~
21. 東日本大震災~被災体験とその支援から学ぶ~
22. 公募分科会(選考中)

○クロージング(16:45 ~17:30) *第2会場
【司会】
高橋清久(精神・神経科学振興財団)
大島巌(日本社会事業大学)



第1回IPS全国研修会

2011年08月03日 14時12分24秒 | イベント告知

今から11年前、2000年9月のこと。
アメリカから、ディヴィド・ルコント(David LeCount)さんが日本に来ました。
ウィスコンシン州デーン郡の成人精神保健福祉部長のソーシャルワーカーです。
彼は2週間の滞在中に、精力的に日本の各地を見てまわりました。

帯広、大阪、神戸、東京、名古屋、川崎、大宮。
それぞれの場所で、現地の精神保健福祉関係者たちとセミナーで交流しました。
東京セミナーでは、僕が前座を務めさせて頂きました。
日本の精神医療システムの現状をレポートし、彼はじっと聞いてくれました。
その内容は、後に「ルコント・レポート」としてまとめられています。

『日本の精神保健福祉システム改革に向けて~課題と勧告』
David LeCount著、木村真理子・古屋龍太監訳、永瀬修訳
日本精神保健福祉士協会『精神保健福祉』通巻50号;159~168頁、2002年
(日本障害者リハビリテーション協会『リハビリテーション研究』111号;26~33頁、112号;34~40頁にも収載)

ルコントさんが書いてる内容は、本当にそうだよな~と思ったことが、いくつもあります。
当時病院で勤めていた自分にとっては、次の一言が、とても印象に残りました。
「心理社会的リハビリテーション」について語っているところです。

「…しかし私の経験からみるに、人工的な施設内の環境で教えられる技術というものは、
実際の社会で生きていくには一般化されにくいという問題がある。
特に最も重度の精神障害をもっている人については、そうである。
地域で生きる技術を身につけるのに、最適の場所はまさに地域であり、
自然なルーティンの一部として、毎日の実践を通して行うのが最良の方法である」

また「地域での治療」では、こんな風にも言ってます。
「私が日本で目にしたのは、私たちが20年前にいた地点であり、
入院者の数は1950年代の米国の状況に似ている。
日本の名誉のために言えば、
退院する前に何らかの支援があるようにという意識的な努力はみられている。
多くの優れた、創造的な作業所、就労の場がある。
しかし、本来推進されるべき、統合された労働環境を強調しているところはほとんどない」

さらに、日本のコンシューマーの印象を語り、
「多くのコンシューマーはユーモアのセンスがあり、一緒にいてとても楽しかった。
どうして彼らが、切り離された環境で保護された人生を送っているのか、
外部の人間には理解しにくい。
まるで病気だということで、罰を受けているかのようである。
入院者の3分の1が「社会的入院」であるという事実は、コンシューマーにとって恐るべき現実である」

先日、コンボの宇田川さんからメールを頂戴しました。
IPS全国研修会のお知らせでした。

障害が重くても軽くても関係ない。
働きたいと希望する人がいればすぐに就労へ結びつける。
仕事につくなんて長い間考えたことがなかったという当事者が仕事につく。

「仕事につくということは最もスピードの早いリハビリテーションであると、私はロサンゼルス精神保健協会で学びました」
その一文を読んで、僕は先のルコントさんの言葉を思い出した訳です。

リアリティがないと、リハビリテーションは進みません。
誰の人生にとっても「仕事をする」って大事なことです。
まだまだ日本ではIPSは、始まったばかりです。
でも、他国で取り組まれてきた実践が、日本でも根付き始めています。

ご関心のある方は、どうぞご参加下さい。
事前申し込みは、既に締め切られていますが、当日参加もOKだそうです。
今週末、8月6日(土)日本社会事業大学においで下さい。

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第1回IPS全国研修会「それでも未来をあきらめない。」
~IPSから始まる希望の可能性を信じて~
IPS:Individual Placement and Support(個別就労支援プログラム)は、
精神の病いを抱えながら生活している方を応援するために開発された個別の就労支援プログラムです

【日時】 2011年8月6日(土) 10:00~16:45(開場9:30)
【会場】 日本社会事業大学清瀬キャンパスB401教室(東京都清瀬市竹丘3-1-30)
【参加費】
当日参加  5,000円 / 当事者・家族・学生は3,000円
(COMHBOの賛助会員の方は上記から1000円引きとなります)
懇親会費 3,500円

【内容】
●事例検討
●ワークショップ「はじめましてIPS」
●シンポジウム:スタートアップIPS~私たちのIPSの始め方~ など
(講師:伊藤順一郎、中谷真樹、大島巌、IPS実践者、IPS利用者他)

【定員】 200名
【主催】 NPO法人地域精神保健福祉機構COMHBO・全国IPSネットワーク
【共催】 NPO法人NECST
【協力】 特定非営利法人ゆるら・ボランティアサークルときたま

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・8月6日当日直接会場にお越しください。
・分科会は当日希望をお伺いします。
・参加費・懇親会費は当日、会場にてお支払いください。お釣りのないようにご用意い
ただけると助かります。
・昼食に関しましては、各自でご準備いただくようお願い申し上げます。
☆本研修会は3月に開催予定でしたが、震災の影響で今回の開催日に延期となりまし
た☆
詳細はCOMHBOのHPをご覧ください。 http://comhbo.net/

★・・・・・・・・・・・・・プログラム詳細・・・・・・・・・・・・・・★

プログラム詳細
9:30~
【B401教室】  受付開始

10:00~1100
【B401教室】  プレナリーセッション:リカバリーを応援する個別就労支援IPS
司会:伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター)
挨拶:大島巌(日本社会事業大学)
講師:中谷真樹(住吉病院)

11:10~12:30
【B401教室】シンポジウム:スタートアップIPS~私たちのIPSの始め方~
司会:大島巌・香田真希子(地域精神保健福祉機構・コンボ)
シンポジスト: 中原さとみ(桜ヶ丘記念病院)、中島吾木香(地域活動・相談支援センターかさい)
本多俊紀(コンポステラ)、大島みどり(障害者就職サポートセンタービルド)

12:30~13:30 昼食

13:30~15:00
【C601教室】
事例検討A-1(チャレンジ)
働き始めてからの症状再燃~チャレンジは間違ってた?正しかった?~
事例提供者: 澤田恭一・丸山次郎(草津病院)
ファシリテーター:伊藤順一郎

【C602教室】
事例検討B-1(リカバリー)
リカバリーカフェ ~事例検討からIPSを学ぶ~
事例提供者: IPS利用者
ファシリテーター: 中原さとみ(桜ヶ丘記念病院)
サポーター: リカバリーキャラバン隊

【A401教室】
ワークショップC-1
はじめましてIPS【理論編】
講師:津田祥子(日本職業リハビリテーション学会事務局)
池田真砂子(根岸病院)
柴田泰臣(障害者就職サポートセンタービルド)

15:00~15:15 ブレイク

15:15~16:45
【C601教室】
事例検討A-2
(生活支援担当の視点)
夢を追いかけて一歩を踏み出したメンバーさんの事例
~チーム連携の実際を生活支援担当の立場から~
事例提供者:斉藤容子(地域活動支援センターマーキー)・小松廣美(IPS利用者)
ファシリテーター:伊藤順一郎

【C602教室】
事例検討B-2
(新人就労支援者の視点)
IPSのサポート ~新人就労支援者の目にうつったもの~
事例提供者:高柳玲奈(コンポステラの新人就労支援者)
ファシリテーター:本多俊紀(コンポステラ)

【A401教室】
ワークショップC-2
はじめましてIPS【実践編】
講師:津田祥子(日本職業リハビリテーション学会事務局)
柴田泰臣(障害者就職サポートセンタービルド)

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社大PSWの系譜と勉強会

2011年01月11日 14時34分30秒 | イベント告知
日本社会事業大学の精神保健福祉士課程は、現在の3年生で、第14期生になります。
精神保健福祉士が国家資格化されて、日本で最初に設けられたPSW養成課程です。

初代主任教授は、JHC板橋を牽引してきた寺谷隆子さん。
課程開設当時の「針のむしろ」状態のご苦労については、先に記事にしました。

二代目主任教授は、コンボ代表理事も務める大島巌さん。
「戦うPSW」養成に精力を傾け、極めて緻密な年間カリキュラムを創り上げました。

おふたりが、学部で毎年約20人のPSWの卒業生を送り出してきました。
そして、他にも、この学校には多くのPSWたちが関わってきています。

国家資格化以前の精神保健福祉担当教授だった、尾崎新さん。
先日若くして脳腫瘍で亡くなられましたが、その著作は今も変わらず刺激的です。

専門職大学院の初代精神保健福祉担当教授だった、大野和夫さん。
国家資格化を果たした元日本PSW協会理事長は、現在も三浦で地域活動を続けています。

通信教育科精神保健福祉士課程の専任教員だった、田尾有樹子さん。
巣立ち会で200名の退院促進を成し遂げ、国の検討会でも発言し続けてくれています。

同じく通信教育科の専任教員だった、大塚ゆかりさん。
今も山梨県立大学の准教授をしながら、旭川と往復して法人運営を継続しています。

いろんな人のPSWという仕事への想いが詰まって、今の大学があります。
そんなPSWの系譜を引き継いで、今僕も仕事できていることは、とても幸せなことです。

僕たちは現場で、ともすれば自分のことで精一杯になります。
体験は個人に止まり、経験の伝承と言うことに、無頓着になりがちです。

でも、いろいろな変革は、ひとりでは成し遂げられません。
他者に少しでも伝えて行くということが、とても大事になります。

自分の体験を、経験知として伝えて行くこと。
次の世代に、クライエントから学んだことを伝えて行くこと。

その言葉が教育であると同時に、現場を変えていく力になるはずです。
PSW総体の経験の蓄積が、職種としての価値を形成し、魂として伝えられていきます。

PSWの魂を注入されて、それぞれ現場に出て、奮闘している卒業生たち。
現場で悩み傷つきながら、新しい経験知を獲得してくれているはずです。

今度、そんな卒業生たちに集まってもらって、勉強会を行うことになりました。
多くのPSWが関与しているであろう「地域移行・定着支援」がテーマです。

学内関係者に止まらず、広く学外の方にもオープンで開催する勉強会です。
テーマにご興味があれば、どうぞお申し込みの上ご参加下さい。


※画像は、夕暮れのキャンパス中庭風景。


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日本社会事業大学社会福祉学部精神保健福祉士課程
修了者第5回勉強会【シンポジウム・講演会】のご案内

日本社会事業大学精神保健福祉士課程10周年記念会以来、しばらくお休みしていた精神保健福祉士課程修了者勉強会を、下記の通り再開したいと思います。
この勉強会は、社大・精神保健福祉士課程を卒業された皆さまの情報交換の場として、また精神保健福祉士課程在校生と卒業生との交流の場として、2007年5月に第1回勉強会を行って以来4回開催し、精神保健福祉士課程10周年記念会に発展したものです。
今回の勉強会では、こんにち大きな課題になっている「地域移行支援」をテーマに、社大精神保健福祉士課程修了者、あるいは資格化以前にご卒業された社大卒業生で精神保健福祉の場で活躍されている皆さんに実践報告をして頂き、相互の経験を交流して、さまざまなネットワークを広める契機にして頂ければと考えております。
2008年度から専門職大学院准教授に着任された古屋龍太先生には、このテーマに関連した記念講演をお願いしています。
多くの卒業生の皆さん、在校生の皆さんにお集まり頂き、有意義な交流ができますことを願っております。
皆さまのご参加をこころよりお待ちしております。

日本社会事業大学社会福祉学部
精神保健福祉士課程主任 大島 巌

■日時: 2011年2月19日土曜日、午後2時~5時30分(勉強会)
受付開始:午後1時30分
勉強会の終了後、懇親会(午後6時~8時)を開催します

■場所: 日本社会事業大学教学A棟A202教室(勉強会)+厚生棟2階喫茶ルーム(懇親会)

■内容: 
テーマ「地域移行・定着支援それぞれの試み」

14:00-14:30 記念講演
「精神障害者地域移行・地域定着支援事業の現状と課題」
古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)

14:40-17:00シンポジウム
ワークショップ「地域移行・定着支援それぞれの試み」
【シンポジスト・話題提供者】
関原 育(NPO法人ウィズ福祉会施設長、東京PSW協会会長、社大卒)【依頼中】
豊子有純(NPO法人多摩在宅支援センター円地域活動支援センター連、PSW課程12期)
新井美子(武蔵野中央病院、PSW課程8期)
大島 巌(日本社会事業大学、教授)
道明章乃(社大社会事業研究所共同研究員、PSW課程1期)
【コメンテータ】
寺谷隆子(日本社会事業大学精神保健福祉士課程初代主任)
大石信弘(静岡市:精神保健福祉士・社会福祉士事務所「静岡まちとも」、社大卒)

17:00-17:30 総合討論(含、今後の勉強会の持ち方など)
18:00-20:00 懇親会 

■参加費: 勉強会(無料)、懇親会(3000円)

■連絡先:
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
日本社会事業大学社会福祉学部
大島研究室:道明章乃(PSW課程第1期、社大社会事業研究所共同研究員)
Email:psw.jcsw@gmail.com、電話 & Fax:042-496-3126
参加希望者は2月10日迄にメールあるいはファクシミリにてお申し込み下さい。


日本縦断トリエステ精神保健講演会

2010年10月29日 09時13分22秒 | イベント告知
                  故フランコ・バザーリア(1976年当時)

既に色んなルートから、お知らせが行ってるかと思いますが。
まもなく「日本縦断トリエステ精神保健講演会」が開催されます。
東京、横浜、大阪、長崎と、まさに縦断です。

このうち、横浜会場は、既に満席打ち止めだとか。
東京会場も、そろそろ危ないと、昨日聞きました。
組織基盤の全くない企画なのに、関係者の関心の強さが伺えます。

実は、今回、来日する方々、皆さん、渡航費は自前です。
精神科医療後進国の日本に、以前から強く来ることを希望されていました。
イタリアで精神病院をなくした経験を、日本の関係者に伝えたい。
メッセージを運ぶことを自らのミッションとして、強く意識しておられます。

僕自身はイタリアに行ったことがないので、偉そうなことは何も言えませんが…。
皆さん、ご存じのように、イタリアには単科の精神病院(マニコミオ)は、ありません。
もともとあった精神病院は、すべて解体され、廃止されました。
そこまでには、四半世紀に及ぶ長い改革の歴史があります。

その動きを、僕が最初に知ったのは、1985年です。
S・シュミットの、『自由こそ治療だ』(半田文穂訳、悠久書房)を読んでです。
この本で、精神科医フランコ・バザーリアらの取り組みが、活き活きと描かれています。

時に「政治主義」と揶揄されたバザーリアですが、元々はごく普通の精神科医だったそうです。
1971年にトリエステの県立精神病院院長に着任し、最初にやったのは病棟の開放化です。
日本でも精神医療改革を志した人々が、最初に行ったのが開放運動でした。
今では当たり前にある開放病棟も、当初は危険視されていたのは一緒です。

精神病院廃絶をうたう法律180号、通称バザーリア法が議会を通過したのは、1978年。
その後、この法律はイタリア全土に拡がり実行されるはずでしたが、そうはなりませんでした。
急進的な法律制定により、大都市や南イタリアでは展開が遅れたとも言われています。
州法の制定は大幅に遅れ、断片的で国法と矛盾することもしばしばだったようです。
従来の精神病院、精神科医たちは、猛反発し、バザーリアらは多くの批判に晒されました。

国民保健計画のもと、最初の精神保健対策事業が発表されたのは1994年です。
1999年、イタリアの保健省が、全精神病院の閉鎖が完了したことを宣言しました。
四半世紀に及ぶ年月を経て、イタリアの精神病院は前世紀のものとなったのです。

1980年に、道半ばでバザーリアは亡くなりますが、その志を継いだ人々が頑張りました。
当初はラディカルと評される一歩が、大きく時代を動かしていったのは確かです。
それまでの常識が打ち破られると、後にはそれが当たり前になってくるんですね。

今回、来日されるのは、バザーリアと歩みをともにした、今も改革の渦中にある方々です。
司会を務める大熊一夫さんが、イタリアを訪ね、「いつか日本へ」と約束した方々です。
『精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本』(岩波書店、2009年)に出てくる方々です。

なお、主催や共催は、各会場によって、異なります。
まったく手作りで、この企画のために連動している方々です。
当初、第53回日本病院・地域精神医学会総会で、という話も提案されていたようですが。
結局、認められなかったようで、とても残念です。

あ、もし、もう、どこも、事前申し込みで満席になっていたら、ごめんなさい。
忙しくて、記事としてアップするのが、遅れましたこと、お詫びします。
詳しいことは、各会場の主催連絡窓口に、お問い合わせください。

蛇足ながら、トリエステの取り組みや現状は、本や映画でもご覧になれます。
『トリエステ精神保健サービスガイド』(小川昭夫訳、現代企画室、2006年)
トリエステ精神保健局による、おしゃれなガイドブックです。
どんな施設が今あって、どんなプログラムが提供されているか、わかります。
映画では≪Si puo' fare(シ・プオ・ファーレ)≫が、来春日本でも一般公開です。
邦題は『やればできるさ』になるのでしょうか?
病院解体後の協同組合で過ごす当事者たちの姿が、活き活きと描かれています。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

日本縦断トリエステ精神保健講演会ツアー日程

[主催・共催団体]
日本縦断トリエステ精神保健講演会実行委員会(会長:堂本暁子、事務局長:大熊一夫)
フランコ・バザーリア記念財団
NPO法人 地域精神保健福祉機構・コンボ
精神保健従事者団体懇談会
東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」
東京大学精神看護学分野
神奈川県精神障害者家族会連合会
NPO法人横浜市精神障害者家族連合会
NPO法人川崎あやめ会
NPO大阪精神医療人権センター(同センター設立25周年記念事業)
社会福祉法人南高愛隣会

[講演]
●「バザーリア法は世界で最も進んだ精神保健福祉法」
マリアグラツィア・ジャンニケッダ
フランコ・バザーリア記念財団理事長、サッサリ大学教授
社会学者、WHO精神保健アドバイザー、イタリア改革の生き字引
●「家族会は精神保健改革の強力なエンジン」
ジゼッラ・トリンカス              
イタリア家族会連合会長
サルデーニャ州精神保健改革の立役者
●「病院ではできなくて地域センターならできること」
ジョヴァンナ・デル=ジュディチェ
バザーリアの愛弟子の精神科医
“精神保健不毛の地”カンパーニャ州とサルデーニャ州にトリエステ型の地域精神保健サービス網を築いた責任者
●「欧州最古最大の精神病院を閉めた経験から」
トッマーゾ・ロザーヴィオ
バザーリアの愛弟子の精神科医、ローマ大学哲学科客員教授
トリエステの歴史的改革を担い、ローマの巨大マニコミオ閉鎖プロジェクトで最高責任者○「精神病院に頼りすぎるニッポン!」
(コメンテーター・司会) 大熊一夫
朝日新聞記者時代の『ルポ精神病棟』はあまりにも有名。
大阪大学教授を定年後も、精神保健福祉の問題を追究し、第1回フランコ・バザーリア賞を受賞。

※イタリア語逐語通訳つき
※演題は演者の意向で変更になることがあります。

★第1弾 東京 11月16日(火)
事前申込みが必要です【残席僅少】
会場:北とぴあ つつじホール
交通:JR京浜東北線王子駅北口より徒歩2分
地下鉄南北線王子駅5番出口直結
都電荒川線王子駅前駅より徒歩5分
時間:18:30~21:30(開場18:00)
資料代:1,500円
お申込方法:FAXまたはメール
FAX: 047-320-3871
メール: tokyo.trieste@gmail.com
お名前・ご住所・電話番号・FAX番号・メールアドレスをご明記ください。
先着順で、満席になり次第締め切ります。

★第2弾 横浜 【参加申込終了】

★第3弾 大阪 11月20日(土)
【事前申込み不要・直接会場へ起こし下さい】
〔会場〕大阪市中央区民センター
(地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本庁」下車)
時間:14:00~16:30 
資料代:当事者・学生 500円   一般:1,000円
問い合わせ先:大阪精神医療人権センター Tel:06-6313-0056
大阪精神医療人権センター設立25周年記念事業として行われます。
講演会は14:00からですが、記念行事は13:30分から開始します。

★第4弾 長崎 11月21日(日) 
事前申込みが必要です。
会場:諫早市民センター
時間10:30~16:30(開場10:00)
お申込方法:FAXまたはメール
FAX:0957-21-0572
メール:nagasaki.trieste@gmail.com
お名前・ご住所・電話番号・FAX番号・メールアドレス・お弁当の申込の有無(お茶付き800円)を明記してください。
http://trieste.jpからFAXのお申込用紙をダウンロードすることができます。

カナダからの手紙~当事者発信のイベント

2010年10月20日 10時04分43秒 | イベント告知

精神保健福祉領域で、当事者からの発信がどんどん多くなっています。
夏の「リカバリー全国フォーラム」だけではありません。
あちこちの街で、様々な集まりが企画・運営されています。

以前から、当事者たちの集まりはありました。
いわゆる、患者会、自助グループという形で。
僕も、学生時代から20年間かかわっていた会があります。

でも、多くはとても少人数なグループで、小さな内輪だけでの集まりでした。
ソーシャルアクションを起こす前に、まずローカルなセルフヘルプグループでした。
大規模な集会を、自ら主催して発信ということは、なかなか考えられませんでした。

1993年のWFMH(世界精神保健連盟)世界大会はひとつの契機になりました。
5日間、国内参加者を含め、約2000人が幕張メッセに集まりました。
海外の当事者たちが、日本の参加者に大きなインパクトを与えました。

日本からも、多くの当事者がつどい、自分たちの活動の発表を行いました。
国内外の当事者たちの発表は、翌年『精神障害者の主張』(解放出版社)にまとめられています。
この場で、精神医療サバイバーの広田和子さんと僕は出会いました。

同じ年には、全国精神障害者団体連合会(全精連)が結成されています。
日本社会事業大学の講堂に、多くの当事者と支援者が集まりました。
僕が、移転5年目の社大のキャンパスに足を踏み入れたのは、その時が最初でした。

当事者からの発信は、僕たちにひとつの針路を指し示します。
専門職であるPSWが、何をなしていくべきか、教えてくれます。
ユーザーの体験と発言から、PSWはどうあるべきか、僕自身は学んできたつもりです。

近々、東京の多摩地域では、ふたつの催しがあります。
いずれも、当事者が主人公の集まりです。
もはや、専門職と呼ばれる人が「啓発」と称して偉そうに講演する時代じゃないのかも?(笑)

僕自身は、両方とも他用が重複していて、伺えそうもありませんが。
専門職大学院の僕のゼミ員たちは、お邪魔させてもらうと思います。
広く多くの人に、当事者からの発言を受け止めて欲しいと思います。


※ゆいのもりの浅川勤さん、ご無沙汰~。
 金杉クリニックの内野誠さん、載せておいたからね~。
 うちのゼミ生、行ったら、よろしく~(^_^)/~

※画像は、上野の不忍池(しのばずいけ)。
 記事のイベント会場とは、遠く離れています。


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◆ゆいのもり・虹のセンター25 合同活動報告会

今年も昭島市内において精神障害者の地域生活支援に携わる団体の交流ということで、ゆいのもり2施設と虹のセンター25の合同での活動報告会を下記のように行うことになりました。
第1部では「カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題」をテーマに、松井道久氏を講師に迎えて「カナダ研修レポート」をお話ししていただきます。
講師の松井道久氏は青梅市内で当事者活動の運営など活躍されています。
カナダの話を聞きながら、自分たちの地域について考え、皆さんで学び合いましょう。

日時:2010年10月23日(土)午後2時~4時30分 開場:1時30分
会場:昭島市役所内 1階市民ホール
     昭島市田中町1-17-1
交通:JR青梅線・昭島駅南口下車、徒歩15分

第1部
来賓あいさつ
講演会『カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題』
講師:松井道久氏(「ピアサポートぶーけ」事務局長)
第2部
フリートーク
「地域で暮らす当事者にとって大切なこと~『カナダ研修レポート』を聞いて」

問い合わせ先:ザ・サードゆいのもり社 電話042-545-5451
虹のセンター25 電話042-549-7733(当日の連絡先はこちらへ)
主催:社会福祉法人ゆいのもり福祉会 ザ・サードゆいのもり社、食工房ゆいのもり
社会福祉法人きょうされん 虹のセンター25

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◆講演会「わたしたちの夢を叶えるピアサポート」
        
私たち日カ交流では、2010ピア&リカバリープロジェクトを計画し、第1弾は3月14日に「わたしのリカバリーin練馬」を、第2弾は7月4日に「わたしたちのピアサポートin杉並」を行いました。
今回の講演会は、その第3弾です。
カナダ・バンクーバーで、ピアサポーターとして活躍している2人を招き、精神障害者の自立をどう援助するのか、どのようにしてピアサポーターになったのか、語り合いましょう。
詳しい内容は、ホームページをご覧下さい。

日時:2010年11月2日(火)19:00~21:00 開場・受付 18:30
場所:武蔵野公会堂                               
所在地:武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
交通:JR中央線 吉祥寺駅南口下車、徒歩2分 
内容:・カナダ人ピアサポーターによる講演
    デヴィ セスーラ
    ジュード スワンソンの両氏による
   ・日本側からの意見
    武蔵野市就労支援センター「MEW」
    杉並区地域生活支援センター「オブリガード」
    世田谷区地域生活支援センター「MOTA」の人たちによる
   ・質疑応答
主催:日本カナダ国際精神保健交流協議会(日カ交流)
問い合わせ先:日本カナダ国際精神保健交流協議会事務局 大泉金杉クリニック
TEL03-5905-5511 担当:内野
URL: http://nihoncanada.hp.infoseek.co.jp/

講演者プロフィール 
・Debbie Sesula (デヴィ セスーラ氏)
カナダ、サスカッチェワンに生まれる。現在ヴァンクーヴァー在住。
心理学の学士号を持つ。学士取得課程終了後、発病するが、7年の闘病生活を経て、リカヴァリを果たす。
現在、リーダーシップを修める為に健康を専門に修士課程で学ぶ。
現実療法士(Reality Therapy-人間関係に対し、外的圧力を除外することにより、より現実的にカウンセリングにより解決していく立場を提唱する)の資格を持つ。
二つのピアサポートプログラムを監督し、ブリティッシュコロンビア州局の社会心理リハビリテーションの指導者の秘書をしており、カナダのピア関連グループのメンタルヘルス委員会のメンバーである。
精神障害啓蒙週間の“顔”に選ばれ、その代表者として活躍する。
2001年にカナダ地域精神保健協議会の当事者部門で受賞
2008年「復帰の勇気を称える賞」を受賞
猫を愛する女流詩人としても活躍し、詩 “You and Me”は、「心を開いて乱れし心を詠う詩」のコンテストで受賞。
その他、マスコミでも活動し、論文も執筆。

・Jude Swanson (ジュード スワンソン氏)
ヴァンクーヴァーピアサポーターとして働く。
ストラスコーナのメンタルヘルスチームに属し、そこで自らもケアを受けている。
リカヴァリ/リハビリテーション委員会、家族会、C.A.S.P(危機評価記述プログラム)の計画懇談会の3つのコミュニティのメンバーである。
自分の人生経験を語る場に積極的に参加し、自分は病気を恥じていないということを、自らの病気のレッテルに苦しむ人々に共有してもらうことをポリシーにして活動。
2010年春“あなたのリカヴァリへの旅路”という名のグループのスタッフ支援の立場に就く。
ゴルフグループ、ニュースレター編集発行、買い物代行など多くの社会貢献ボランティアを実践。
読書家でフットボール観戦を好み、共著「夜、ひきちぎれた片隅」を上梓


2010アジアウィーク

2010年10月02日 12時48分59秒 | イベント告知
皆さんのお住まいの地域では、どうでしょうか?
外国人の方が、街で一緒に暮らしていませんか?
もう、日本の国は、当たり前に「多民族文化社会」化してきています。

大きな工場等がある外国人集住地域では、多くの外国籍の子ども達が住んでいます。
でも、全国1800自治体のうち、ほとんどは外国人の散住地域です。
外国籍の子どもは、全生徒のうち5人未満という学校が、今でも8割だそうです。

一方で、日本国内の結婚する人のうち、既に20組に1組は国際結婚です。
東京では、12組に1組、出生児は19人に1人は外国系になっているそうです。
ちょっと、ビックリする数字ですよね?(厚生労働省平成19年人口動態統計調査)

自国文化の流儀を通せば、日本の文化と様々な軋轢と葛藤を生みます。
日本人はどうしても「郷に入りては郷に従え」という、やや排外的な傾向がありますし。
出身国の文化を尊重しながら、日本で安心して子育てしていく、環境整備が必要です。

マイノリティの方々が、新しい風土、文化に適応するって、結構大変なことです。
ましてや、鎖国的島国の伝統か、異文化の受入れに寛容さの乏しい世代や地域においては。
障害者と同様、日常的な接触体験の有無が、固定イメージを払拭する手立てなのでしょう。

外国人の増加にともなって、教育と福祉の連携が模索されています。
SWにも、カルチュラルコンピテンス(多文化対応能力)が求められてきています。
外国籍の児童や家庭への包括的支援が、大きなテーマになってきています。

そんな中で、今度「2010日本社会事業大学アジアウィーク」を行うことになりました。
外国人支援、SW国際定義、災害時SW、が大きなテーマの柱です。
外国語の出来ない方でも、全部通訳がついてて大丈夫なので、ご参加下さい。

この「アジアウィーク」を中心になって運営しているのは、山口幸夫さん。
日本社会事業大学にある社会事業研究所の特任准教授です。
アジア福祉創造センターを立ち上げる際に招かれた方で、僕の大学入職の同期です。

文科省の「定住外国人の児童の教育等に関する政策懇談会」の委員でもあります。
フィリピンパブから四川大地震まで、アジアを駆け巡っている方です。
穏やかな笑顔でゆっくり話す、温厚な方ですが、とても熱いハートを持った同僚です。

以上、外国に一度も行ったことのない僕には、無理のある外国人支援の記事でした。
カルチュラルコンピテンスって僕が書いても、あまり説得力がないですね~(反省…)
山口さんを見習って、「アジアウィーク」で、少しは勉強をしてきます!


※山口幸夫「散住地域における外国籍等子ども家庭の現状と支援に関する研究」を参照。
※画像は、前回記事に同じ、上野不忍池の弁天堂。これが、通常の露出の画像です。

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2010日本社会事業大学アジアウィーク
INTERNATIONAL SEMINAR ON SOCIAL WORK IN ASIA AND THE PACIFIC 2010
日本社会事業大学アジア福祉創造センター創立2周年記念

主催:日本社会事業大学 社会事業研究所
共催:アジア太平洋ソーシャルワーク教育連盟 (APASWE)

2010年度の環太平洋社会福祉セミナーは、アジア福祉創造センター創立2周年記念事業として、日本社会事業大学アジアウィークを実施します。奮ってご参加下さい。
11月1日~5日 アジア福祉創造センタープロジェクト関連パネル展示
11月3日(水) 「移住女性と子どものエンパワメントのための国際円卓会議」
11月4日(木) 「ソーシャルワーク国際定義アジア太平洋地域ワークショップ」
11月5日(金) 「災害リスク管理のソーシャルワーク教育の理論と実践」

アジアウィーク・プログラム(※当日は、日本語による同時通訳が付きます)

◆11月3日(水)
「移住女性と子どものエンパワメントのための国際円卓会議」
当事者による移住女性と子どもと支援の抱えるトランスナショナルな問題に対応する多文化ソーシャルワーク機能を強化するための国際的な連携を深めます。
9:30-15:45 ( 9:00 受付 )
会場:日本社会事業大学 (A101教室)

◇フィリピン移住女性と子どものエンパワメント (9:30-12:30)
司会:山口幸夫(日本社会事業大学、特任准教授)
「フィリピンの現状」
フィリピン大学教授:ジョスリン・カルゲイ
「フィリピンでの当事者活動」
BATIS女性センター:アンドレア・カルゲイ代表、ララ・サルード主幹)
「日本の現状と当事者活動」
カラカサン 
質疑・コメント
原島 博(ルーテル学院大学、教授)
添田 正揮(日本社会事業大学、実習講師)

◇地域での実践 (14:00-15:45)
「集住地域での当事者による実践」
川崎ふれあい館
「医療通訳の現場から」
多言語社会リソースMICかながわ
「散住地域での多文化実践」
ふじみの国際交流センター
「就学と就業」
多文化共生子ども・若者プラットホーム
質疑・コメント
デチャサングカワン(タマサート大学、教授)
王 麗容(台湾大学、教授)
ローマン・ウルリッヒ(日本社会事業大学、客員教授)

◆11月4日(木)
「ソーシャルワーク国際定義アジア太平洋地域ワークショップ」
現在の定義は私たちに、私たちの実践、思考、価値にあっているのであろうか。ばらばらのつぶやきを、アジア・太平洋地域のまとまった一つの声にします。

9: 30-15:45 ( 8:00 受付 )
会場:日本社会事業大学 (A101教室)
共催:国際ソーシャルワーク学校連盟 (IASSW)

<参加国>オーストラリア、バングラデッシュ、中国、
インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、
ネパール、フィリピン、タイ
開会の辞
日本社会福祉学校連盟会長(日本社会事業大学学長)橋 重宏

各国ワークショップ概要報告・国別報告
討論・検討(13:00-15:40)
グループ別検討及び内容の報告・まとめ

◆11月5日(金)
「第19回環太平洋社会福祉セミナー」
「災害リスク管理のソーシャルワーク教育 理論と実践」
このセミナーの目的は、アジア地域における災害リスク管理のソーシャルワーク人材育成のための教科書を開発することにあります。災害復興は長期的な社会開発であり、私たちはしなやかなコミュニティを構築するためのソーシャルワーカーの役割について検討します。

9:30-17:00 ( 9:00 受付)
会場:日本社会事業大学 (A101教室)

挨拶
橋 重宏(日本社会事業大学、学長)
秋元 樹(日本社会事業大学、特任教授:APASWE会長)
金 聖二(梨花女子大学、教授:APASWE前会長)
問題提起
「災害リスク管理のソーシャルワーク教育の理論と実践」
山口幸夫(日本社会事業大学、特任准教授)
事例報告
「宅復興開発:スリランカ~ツナミ災害地域のコミュニティ復興
サンジー・バデメル(Serve)
「コミュニティビジネス:タイ~津波被災者支援
アニ・ヤマネ(タマサート大学)
「地域組織化活動:ジャワ島中部地震」
ハリー・カスワラ(バンドン社会福祉大学)
「災害ソーシャルワーク教育」
タン・ニョ・ティオン(シンガポール・SIM大学)
基調講演
「しなやかなコミュニティづくりのための人材育成」
エマニエル・ルナ(フィリピン大学)
「中国の災害対応ソーシャルワーク人材育成」
司 柏年(中国ソーシャルワーク教育協会)
討論
「求められるソーシャルワークと人材育成」
エマニュエル・ルナ(フィリピン大学)
タンニョティオン(シンガポール・SIM大学)
新家 増美(華東理工大学)

第53回日本病院・地域精神医学会のプログラム

2010年10月01日 09時56分58秒 | イベント告知
日本病院・地域精神医学会が、今年は東京であります。
総会プログラムが送られて来たので、以下に抜粋を貼り付けておきます。
もう、第53回目…、いつのまにか、十分に老舗学会ですね。

昔は、精神科系の学会といえば、日本精神神経学会くらいしかありませんでした。
1957年、国立武蔵療養所を会場に「病院精神医学懇話会」としてスタート。
その後「病院精神医学会」となり「病院・地域精神医学会」となり、現在に至っています。

「病院精神医学(Anstalts Psychiatrie)」は、「大学精神医学」に対置された言葉です。
大学で行われていた、基礎的な精神医学研究へのアンチテーゼと言えます。
精神病院の臨床を基礎に、治療とリハビリテーションの実践的研究を追求しました。

そもそもの出発点は…、というと教科書的な歴史の話しになってしまいますが…(笑)

やはり、ジーモン(H.Simon)が始祖といえるのでしょうか?
精神病院の中で、患者の社会適応能力を高める試みの活動を展開しました。
これが今日に至る「作業療法」の始まりで、病院精神医学の出発点です。

シュルテ(W.Schulte)は、これを発展させました。
病気を患者だけの問題とせず、治療過程で生じる施設や社会との関わりを提起しました。
治療者・患者関係なども射程に入れた、実践的な研究を進めました。

戦後、ジョーンズ(M.Jones)らが、その後の病院精神医学を方向づけました。
患者の社会復帰には、精神病院を治療的共同体へ形成する必要があると考えられました。
そして、同時に、社会への働きかけが必要であることを提起しました。

この学会の前身である「病院精神医学懇話会」も、この系譜を引き継ぐものです。
当時の医学会は、臨床現場から遊離した大学における研究が、もっぱら中心でした。
そんな現状に飽き足らない、病院現場の人々の呼びかけによって、創始されたものです。

精神障害者の隔離収容政策の下、わが国の精神病院は1960年代に一気に増えました。
各地で病院の不祥事が生じる中で、学会は紛糾し、再建され、地域へと展開してきました。
日本の精神医療の流れと期を一にしながら、この学会は歩んできたと言えます。

総会プログラムは、その時々の精神保健医療福祉の課題を、表しています。
精神科救急、うつ病と自殺予防、地域移行、医療観察法、アディクション、若年認知症…。
医学会でありながら、PSWの演題発表や参加者がやたら多いのも、当然の流れでしょう。

ただ、一参加者として見ると、総会の集客数や雰囲気は、年ごとにまるで違います。
その年の開催地の、県内の精神医療事情や準備状況を、やはり反映するようです。
さて、今年の東京総会は、どんな感じでしょうか???


※画像は、上野不忍池の弁天堂。
 露光を多くしたら、こんな風に撮れました(^_^)v


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第53回日本病院・地域精神医学会総会プログラム

基本テーマ:『We are not ALONE』 ~多様な病・多様な試み~
期日:2010年11月5日(金)~ 6日(土)
会場:ホテルメトロポリタン エドモント 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-10-8  交通:JR飯田橋駅より徒歩約5分
会長:新貝憲利(成増厚生病院院長)
事務局:成増厚生病院(総会事務局長 辻脇邦彦)
URL:http//www.byochi.org./
E-mail:byochi53@mhcg.or.jp

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◆第1日目=11月5日(金)

◇ シンポジウム1「精神科救急の未来について」(9:50~11:50)
座長:
岩成秀夫(神奈川県立精神医療センター所長)
田中哲也(陽和病院 看護部長)

シンポジスト
中村 満((財)東京都保健医療公社豊島病院 精神科医長)
「精神科救急における孤立とそのケア」
徳江 仁(井の頭病院 看護科長)
「入院時から退院を意識した調整~当たり前のことを当たり前に実践する!!~」
塚本哲司(埼玉県立精神保健福祉センター精神科救急情報部 主査)
「精神科救急情報センターにおける地域生活支援の取り組み」
蕪木忠政(朝霞地区一部事業組合 埼玉県南西部消防本部次長兼救急課長)
「埼玉県南西部に於ける精神科救急の現状と問題点」

◇ ランチタイムセッション「現代人の苦悩と森田療法」(12:00~12:50)
座長:米沢 宏(医療法人社団慈友会 慈友クリニック院長)
講師:北西憲二(森田療法研究所)

◇特別講演「現代人のこころの支え」(13:10~14:50) 
司会:森山公夫(医療法人社団一陽会 陽和病院名誉院長)
講師:板橋 興宗禅師(御誕生寺 ご住職)

◇シンポジウム3 「自殺防止から考えるうつ病治療」(15:00~17:00)
座長:
徳永雄一郎(不知火病院 理事長)
佐久間 啓(あさかホスピタル 理事長)

シンポジスト
松原六郎((財)松原病院 理事長)
「自殺防止可能であったストレスケア病棟における治療」
田々野李恵(医療法人社団更正会 草津病院 看護主任)
「病棟看護から考える自殺防止対策」
宮下美穂(医療法人明心会 仁大駅前クリニック PSW)
「外来治療における自殺防止対策」
宮武ゆかり(医療法人亀廣記念医学会 関西記念病院 臨床心理士)
「地域関連機関との連携からみた自殺防止の問題点」
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◇一般演題「高齢者」(9:40~10:40)
座長:
清水那智子(成増高等看護学校 看護)
五十嵐成則(四葉地域包括支援センター 社会福祉士)

「認知症デイケアにおける環境調整と人間関係について考える」
今西香菜子(大阪 星のクリニック OT)
「収集行動が散見される認知症患者に対する行動療法」
千 修(福井 嶺南病院 看護)
「認知症高齢者を介護する家族の心理的介護負担軽減のためのアプローチ」
結城千晶(東京 ハート・ケアみその 介護福祉専門員)
「認知症の心理アセスメントを日々の臨床に生かすために」
落合真弓(東京 成増厚生病院 心理)

◇一般演題「薬物療法」(10:50~11:50)
座長:
森 豊(成増厚生病院 医師)
堤 一樹(草津病院 看護)

「チーム医療による退院支援から見えてきた意外な結末を迎える一例」
木内健雄(静岡 三方原病院 薬剤師)
「精神科外来における漢方薬の適正使用」
奥平智之(埼玉 山口病院 医師)
「藤代健生病院における第二世代持効性注射剤の使用経験」
渡 千恵(青森 藤代健生病院 薬剤師)
「慢性期統合失調症患者に対する心理教育の試み」
内山道子(青森 弘前愛成会病院 薬剤師)

◇ランチタイムセッション「アルコール医療と地域連携」(12:00~12:50)
講師:猪野亜朗(かすみがうらクリニック 医師)
座長:後藤 恵(成増厚生病院 診療部長)

◇交流コーナー7(14:50~15:50)
上岡陽江(ダルク女性ハウス PSW)
「女性薬物依存症のリハビリテーションと障害者自立支援法~ダルク女性ハウスの実践から~」

◇一般演題「訪問・地域移行」(15:50~16:50)
座長:
横山雄二(池袋こころのクリニック 院長 医師)
三橋良子(地域生活支援センターゆりあす 所長 PSW)

「病院医療から地域医療への展開」
谷口裕康(大阪 さわ病院訪問看護ステーション 看護)
「静岡県における地域移行支援事業の事業者調査から」
大石信弘(社会福祉士事務所「静岡まちとも」 PSW)
「精神障害者への地域理解を得るために」
奥村由季恵(愛知 障害福祉施設援護寮アークヒルズ 生活指導員)
「当事者の立場からみた「ふれあう訪問事業」
坂本勉(神奈川 百合丘地域生活支援センターゆりあす ピアサポーター)
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◇一般演題「チーム医療1」(9:40~10:40)
座長:
美濃由紀子(東京医科歯科大学大学院 保健衛生研究科 看護)
冨沢妙子(成増厚生病院 心理)

「『畳の上で死にたい』地域活動支援センター・ピアスタッフとの関わりを中心とした退院促進委員会(たいいんくらぶ)の南埼玉病院の試み、中間報告」
谷本 和弘(埼玉 南埼玉病院 看護)
「アウトリーチによる生活場面での作業療法の有効性」
本田友美(福島 舞子浜病院 OT)
「当病院における家族教室の展開」
菅野美穂(宮城 県立精神医療センター CP)
「さわ病院デイケアセンターでの利用者対応における危機管理」
増子美佐(大阪 さわ病院 心理)

◇一般演題「チーム医療2」(10:50~11:50)
座長:
美濃由紀子(東京医科歯科大学大学院 保健衛生研究科 看護)
冨沢妙子(成増厚生病院 心理)

「精神障害者自立支援に必要な介護技術の明確化の試み」
土川洋子(東京 白梅学園短期大学 准教授)
「東京都八王子における居宅生活安定化自立支援事業での取り組みⅡ」
田中文人(東京 NPO法人多摩在宅支援センター円 PSW)
「Basic Documenation(BADO)を通してのソーシャルワーカーとしての支援の振り返り」
荻生淳希(東京 平川病院 PSW)
「ある女性患者の退院支援に携わって」
松垣 優(福岡 行橋記念病院 PSW)

◇一般演題「地域1」(14:50~15:50)
座長:
宮本めぐみ(地域活動支援センターMOTO所長 看護)
戸島 大樹(共同作業所 CrazyCats 所長 PSW)

「精神障害者グループホームの経験」
千田耕平(東京 NPO法人アドボケイト会 ピアホーム 世話人・家族)
「地域活動支援センターの通所メンバーのニーズの特徴」
藤代知美(徳島 四国大学 助教授)
「地域生活支援における移行期について」
藤 直子(東京 美山ヒルズ(平川病院) PSW)
「精神科病院入院中患者における転倒事故の疫学調査」
小川耕平(東京 成増厚生病院 医師)

◇一般演題「アディクション」(16:00~17:00)
座長:
藤原誠二(特別養護老人ホーム 音羽台レジデンス施設長 看護)
廣原靖巳(江北メンタルクルニック 看護)

「一般精神科診療所における依存症ミーティング導入の試み」
上野まどか(東京 こまごめ緑陰診療所 心理)
「ギャンブル依存症患者の回復」
吉塚由美(福岡 八幡厚生病院 看護)
「依存が役に立つ関係」
田川慶子(福岡 リカバリーセンターふくおか 看護)
「アルコール薬物関連障害における飲酒運転の調査」
天神雄也(東京 成増厚生病院 医師)

◇夜間交流集会1(18:40~20:30)
「各職種からみた精神科デイケアの魅力を語ろう~Part3~
森泉智男(大阪 浅香山病院 心理)
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◇交流コーナー1(9:40~10:40)
「非統合失調症圏の人への生活訓練、生活支援ってどうしたらいい? ~利用者理解と援助の方法を考える」
内山美根子(東京 都立多摩総合精神保健福祉センター PSW)

◇交流コーナー2(10:50~11:50)
「精神科領域における特定看護師の養成について考えてみよう!」
辻脇邦彦(埼玉 埼玉医科大学大学院 看護学研究科 看護)

◇交流コーナー3(13:00~14:00)
「病院での日頃の実践を見直してみませんか?~イタリアの精神医療改革から学ぶ~」
保田美幸(京都 岩倉病院 PSW)

◇交流コーナー4(14:10~15:10)
「日本文化にあったリカバリーを探そう」
中原さとみ(東京 リカバリーキャラバン隊 PSW)

◇交流コーナー5(15:20~16:20)
「カナダ・バンクーバーのピアサポーターを囲んで」
内野 誠(日本カナダ国際精神保健交流会 PSW)

◇交流コーナー6(16:30~17:30)
「精神障害者に対する援助・支援研修課題ガイドライン」に基づく勉強会
~なに色ですか?あなたの心のサングラス~
高島眞澄(茨城 NPO茨城県精神障害地域ケアー研究会 PSW)
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◇シンポジウム2「地域移行をめぐって いろんな地域 いろんな立場から」
(9:50~11:50)
座長:
古屋龍太(日本社会事業大学大学院 准教授)
山口弘美(NPO法人全国精神障害者団体連合会 理事)

シンポジスト
長野敏宏(御荘病院 院長)
「住民参画による精神保健福祉活動と病床削減」
寺田悦子(NPO法人多摩在宅支援センター円 理事長)
「一人一人 オーダーメイドの支援チーム」
矢田朱美(社会福祉法人ふぁっと 所長)
「医療と福祉をつなげる独立型精神科訪問看護ステーションの試み」

◇ランチタイムセッション「地域発 100人の居住支援を通して」(12:00~12:50)
座長:大塚淳子(日本精神保健福祉士協会 常務理事 PSW)
講師:田尾有樹子(社会福祉法人巣立ち会 理事 PSW)

◇薬剤セミナー(13:00~15:00)
“今、改めて精神科薬物療法における医師・薬剤師・当事者との良好な関係について考える”
座長:
中谷真樹(医師)住吉病院
吉尾 隆(薬剤師)東邦大学薬学部

シンポジスト
遠藤 洋(薬剤師) 晴和病院薬剤部
「単科精神科病院(晴和病院)における医師との関係について1」
園田美樹(薬剤師) 八幡厚生病院薬剤課
「単科精神科病院(八幡厚生病院)における医師との関係について2」
高橋結花(薬剤師) 東京女子医大薬剤部
「大学病院(東京女子医大病院)における医師との関係について」
宇田川健(当事者:コンボ代表理事)
「当事者からみた医師・薬剤師との関係について」

◇一般演題「その他」(15:20~16:35)
座長:
村瀬智子(初石病院 看護)
森山政子(大泉病院 看護)

「医療保護入院者が医師に任意入院への切り替えを要請した場合の自治体別解釈について」 桐原尚人(東京 全国「精神病」者集団 当事者」)
「現行の入院者権利擁護システムの問題点と課題」
東谷幸政(東京 NPOわくわく PSW)
「精神科病院を知ろう!東京精神病院事情(ありのまま)第6刊の報告」
木村朋子(東京 東京地域精神医療業務研究会 PSW)
「精神障害者支援における医療と地域の専門職が有する
『事例に関する視点』の研究」
山田孟志(滋賀 栗東市役所健康福祉部 発達支援室 PSW)
「PSWは自らの実践をどのように報告してきたのか」
福冨 律(東京 立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科 PSW)

◇ 浜田賞授賞式(17:00~17:20)

◇ 総会議事 (17:20~18:30)

◇ 夜間交流集会2(18:40~20:30)
「精神医療・福祉の現状を問う Part8」
原田 徹(京都 ウエノ診療所 心理)
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◇市民講座1「ストレス社会と鬱病の変化」(10:00~11:30)
講師:徳永雄一郎(不知火病院 医師)

◇シンポジウム3「医療観察法を問い直す」(13:00~14:40)
司会:
大賀達雄(埼玉県済生会鴻巣病院)
山岡信明(小泉病院)

シンポジスト
中島 直(多摩あおば病院)
岩尾俊一郎(兵庫県立光風病院)
関口明彦(当事者)
指定討論:中川 実(こころのクリニック西尾)

◇診療報酬セミナー(14:50~16:30)

◇市民講座2「認知症の理解とケア」(17:00~18:30)
司会:落合真弓(和光病院 臨床心理士)
講師:斎藤正彦(和光病院 院長)

◇夜間交流集会3(18:40~20:30)
「精神障害者共同作業書通所訓練施設事業運営費等補助金交付制度を検証する
~東京都の補助金はいかにして制度化に至ったのか~」
鷹野 朋美(東京 日本赤十字看護大学 看護)

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◆第2日目=11月6日(土)

◇一般演題「孤立・多様性」(9:00~9:50)
座長:
三枝美樹夫(成増厚生病院 看護)
松永実千代(こころのクリニック高島平 PSW)

「危機対応から地域定着支援まで」
濱口 淳(岡山 岡山県精神障害者家族会連合会 心理)
「豊かな環境」
竹本 梢(福岡 リカバリーセンターふくおか PSW)
「重度の精神障害者を地域で支える看護実践」
福山敦子(京都 ACT-Kねこのて訪問看護ステーション 看護)
「地域連携を生かした心理教育プログラムの実践と課題」
山本和弘(東京 昭和大学烏山病院 PSW)

◇シンポジウム4「若年認知症の支援」(10:00~11:50)
座長:斎藤正彦(和光病院 院長)

シンポジスト:
比留間ちづ子(ジョイント 若年認知症社会参加支援センター 所長)
「就労型デイサービスの試み」
牧 徳彦(牧病院 院長)
「産業医として就労維持支援経験から」
松崎陽子(長岡大学 経済経営学部准教授)
「家族の狂気に直面して」
斎藤正彦(和光病院 院長)
「東京都若年認知症対策部会に参加して」

◇ランチタイムセッション「この10年で認知症はどう変わったか」(12:00~12:50)
講師:岸本年史(公立大学法人 奈良県立医科大学)

◇シンポジウム5 「自立支援法関連シンポジウム」(13:00~14:50)
パネルディスカッション「日本の精神保健医療福祉改革をどう進めるか」
司会:
金杉和夫(日本病院・地域精神医学会 自立支援法対策委員)
木村朋子(日本病院・地域精神医学会 自立支援法対策委員)

パネラー:改革を立案する会議の委員を務める当学会員のみなさん

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◇一般演題「リハビリテーション1」(9:00~10:20)
座長:
長尾眞一郎(神奈川県立保健福祉大学 OT)
上水流知代(多摩中央病院 看護)

「閉鎖病棟内における集団音楽療法の活用」
桑江和江(福岡 八幡厚生病院 音楽療法士)
「統合失調症ー退院支援における作業療法士の関わりー」
堀 義治(愛知 犬山病院 OT)
「当院における病院リハビリテーションの今後の課題」
井上英治(大阪 さわ病院 OT)
「精神科リハビリテーションにおける長期入院統合失調症患者の退院支援」
野中真由子(東京 陽和病院 看護)

◇一般演題「リハビリテーション2」(10:35~11:50)
座長:
是恒正達(こころのクリニックなります 医師)
阿部一昭(陽和病院 看護)

「長期入院の方への活動支援」
川香菜子(京都 いわくら病院 看護)
「患者主体の治療参加を目指して」
佐藤史絵(東京 成増厚生病院 OT)
「口腔ケアの定着にむけて」
高松照子(栃木 鹿沼病院 看護)
「多飲水・失禁患者さんとの「お茶会」
原 恵子(埼玉 川越同仁会病院 薬剤師)
「精神科デイケア通所の統合失調症患者を対象としたダンスアクティビティの試み(5)」
中村恭子(千葉 順天堂大学スポーツ健康科学部 ダンス運動学)
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◇一般演題「地域で暮らす」(9:20~10:20)
座長:
市川 烈(白峰診療相談室 PSW)
仲野 栄(日本精神科看護技術協会 看護)

「衝動性の高い広汎性発達障害の患者への関わりを通じて」
西村喜一(東京 成増厚生病院 看護)
「精神科診療所における訪問のあり方について」
岡部麻衣子(神奈川 金沢文庫エールクリニック PSW)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その1)~事例調査・プログラム理論を用いた効果モデル構築への取り組み」
道明章乃(東京 日本社会事業大学 研究員)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その2)~効果モデルのフィデリティ尺度の開発と関連要因」
贄川信幸(東京 日本社会事業大学 特任助授)

◇一般演題「地域2」(10:35~11:50)
座長:
木村朋子(にしの木クリニック PSW)
赤畑 淳(陽和病院 PSW)

「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その3)~効果モデル実施状況に関する全国事業所調査の概要」
古屋龍太(東京 日本社会事業大学 准教授・PSW)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その4)~全国都道府県事業モデルの実情把握調査からみた効果モデルの検討」
瀧本里香(東京 都立松沢病院 PSW)
「精神障がい者の障害年金受給が拡がるための方途」
青木聖久(愛知 日本福祉大学 PSW)
「20年間の地域生活支援を通して見えてきた今後の課題」
東山利江(大阪 さわ病院ライフサポート PSW)
「精神障害者に対する援助・支援研修課題ガイドライン作成プロセスの課題
国府田まゆみ(茨城 NPO法人茨城県精神障害地域ケアー研究会 PSW)

◇ランチタイムセッション「若年認知症の治療と支援」(12:00~12:50)
座長:横山晶一(陽和病院 医師)
講師:宮永和夫(南魚沼市ゆきぐに大和病院)
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◇薬剤師セミナー(9:00~11:00)
統合失調症の認知機能とその評価法~BACS-J
(統合失調症認知機能簡易評価尺度-日本語版)について~」
講演:兼田康宏(岩城クリニック心療内科・医師)
座長:吉尾 隆(東邦大学薬学部・薬剤師)

◇一般演題「復職・就労」(11:10~11:55)
座長:
松本桂樹(ジャパンEAPシステムズ 心理)
古賀 誠(健康科学大学 OT)

「中集団による復職支援の効果について」
大仁田 広恵(福岡 不知火クリニック PSW)
「精神科デイケアにおける就労支援」
北浦達也(大阪 分野病院ワケノクリニック PSW)
「Road to Rebirth再生の道筋」
横田 維(東京 慈友クリニック復職デイケア OT)
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◇シンポジウム6「アディクション医療と地域連携の現状~孤独からの開放とは~」
座長:
後藤 恵(成増厚生病院 診療部長)
豊田秀雄(こまごめ緑陰診療所 相談室長)

シンポジスト:
垣渕洋一(成増厚生病院付属アルコール医療総合センター センター長)
「アルコール依存症専門治療病棟の現状」
本島直幸(みのわマック 統括施設長)
「アルコールリハビリ施設と専門医療機関の連携とは」
成瀬暢也(埼玉県立精神医療センター 副院長)
「薬物依存症治療の現状」
坪倉洋一(横浜ダルク 施設長)
「薬物リハビリ施設と医療機関の連携」
佐藤 拓(横浜市こころの健康相談センター 医師)
「ギャンブル依存症治療の現状」

◇一般演題「急性期医療」(11:00~12:00)
座長:
菊本弘次(駒木野病院 医師)
飯野栄治(埼玉県立精神医療センター 看護)

「高齢者への退院支援」
熊崎妙子(愛知 犬山病院 看護)
「アルコール担当者からみた機能分化の可能性を考える」
木村順一(福岡 行橋記念病院 看護)
「当院精神科救急病棟における成果と課題」
中村真人(東京 成増厚生病院 医師)
「入院者の他害事件発生後に検討したこと」
岩尾俊一郎(兵庫 県立光風病院 医師)

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◆事前参加登録の案内
締切日:2010年10月22日(金)
参加登録:申し込み完了後、1週間以内に下記の口座に参加費を振り込み
参加費:会員 8,000円 非会員 9,000円 学生 3,000円 当事者 3,000円 同伴者 3,000円
懇親会:参加費 7,000円
申込方法:申し込みは、ホームページ画面右上部の「申込」ボタンより登録。FAXも可。オンラインで申し込み、または申込書をFAXで送信後、参加費を下記の銀行口座に1週間以内に振り込み。入金確認後、E-mail または FAXにて「入金確認書」を送付。当日、参加証と引き換えとなるので確認書は必ず持参のこと。入金をもって、登録が完了。開催前日までに入金確認できない場合は、当日料金での参加に。


※プログラム中、シンポジウムのナンバーが前後していますが、会場別に記しているためです。
 プログラムの詳細や申込み方法については、ホームページ等で各自ご確認下さい。(龍龍)



患者は外来診察をどう思っているか?

2010年09月29日 11時15分27秒 | イベント告知

病院の相談室で仕事をしていると、時々、外来診察への苦情が寄せられます。
病院という組織に属する一員のPSWとしては、なかなか悩ましい問題です。

「予約時間に来ても、延々待たされる」
「先生が、全然話しを聞いてくれない」
「コンピュータの画面見ていて、とうとう顔を見ることもなかった」
「たくさんの患者さんが待ってるのはわかるし、忙しいと思うけど…」
「露骨に、忙しい、聴いてられない、みたいな表情をされて、イヤだった」
「精神科なんだから、患者の話しは、やっぱりきちんと聞いて欲しい」
「精神科医として以前に、人間としてどうよ?というような対応だった」
「すごく傷ついた。人間として許せない。あの医者、替えて欲しい」

話しを聴いていると、ドクターハラスメントにあたるような事案もあります。
あの先生なら、言いかねないなぁ~、と思い当たる節もあります。

一方で、ちょっと、その受け止め方は違うんじゃないか?と思うこともあります。
コミュニケーションが不足しているなぁ~、と残念なこともあります。


そんな相談の時、PSWとして、ニュートラルな立場を意識して、話しを伺います。
いわゆる苦情処理ですが、最初からクレームという捉え方をすると、評価が歪みますから。

コンフリクトが生じている時、大抵は相互のコミュニケーション不足があります。
感情的な行き違いもあり、代弁者として、医師に患者側の気持ちを伝えます。

医師が、素直に、冷静に、話しを受け止め、患者との関係が改善することも多々あります。
一方で、医師も人間なので、感情的・被害的になり、逆ギレする医師も、中にはいます。

PSW側の伝え方や、課題調整のコミュニケーション能力が試される時ですね。
その病院でのPSWの立ち位置や、病院総体のレベルも表れる場面とも言えます。


実は、多くの患者さんや家族は、医療従事者が考えている以上に、病院に遠慮しています。
本当に言いたいことは我慢して、職員に合わせて、諦めているところもあります。

医療サービスを受ける患者側が、コンシューマーとして権利を主張しても良いのですが。
多くの患者さんは、お医者さんに遠慮して、萎縮して、叱られないようにしています。

先生の前だと、緊張しちゃって、うまく話せない、という人もいます。
あまり話しちゃ、先生に迷惑だし、何も言えない、という人もいます。

率直に言いたいことが言えない関係は、治療上も好ましいとは言えません。
意思疎通を欠いた情報不足は、外来診療の質そのものを危うくします。

精神科医療のネガティブな問題点を挙げると、キリがなく、何も解決しないので。
お互いの体験をピアに持ち寄り、ポジティブに解決の方策を考える場が必要です。


そんな、精神科を受診する当事者と家族のための講座を、今度開催します。
題して、「精神科受診のススメ」です。

当事者の方だけでなく、PSWや学生さんも、一緒に参加して考えて欲しいと思ってます。
本当は、お医者さんにこそ参加してもらえれば、一番良いんでしょうけどね(笑)


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西東京市地域活動支援センターハーモニー
当事者・家族講座

「精神科受診のススメ~医療サービスを上手に使うために」
講師 日本社会事業大学専門職大学院 准教授 古屋龍太

2010年10月9日(土)午後2時半~5時(開場午後2時~)
西武新宿線・西武柳沢駅下車、南口徒歩1分 柳沢公民館視聴覚室
西東京市柳沢1-15-1

参加費無料・定員90名
参加ご希望の方は、事前に主催者側にお申し込み下さい
地域活動支援センターハーモニー
〒188-0011 西東京市田無町4-8-22 ビラ田無104号
TEL 042-451-6566 FAX 042-451-6567


※画像は、蓮に覆われた上野不忍池

リカバリーとスティグマ

2010年09月14日 12時16分57秒 | イベント告知
「リカバリー全国フォーラム2010」は、約1200人に達する大盛況でした。
本郷の文京学院大学の仁愛ホールは、満席状態で、別室モニターも設けました。
昼休みには、お弁当を食べる参加者が、中庭のベンチや階段にあふれていました。
ふだんの学生の姿はなく、ちょっと年齢の高い華やいだキャンパス風景になりました。

僕は、当事者と支援者8名による「ライブトーク」の司会を担当させてもらいました。
舞台からフロアを見ると、びっしり席を埋め尽くした聴衆の、真剣なまなざし。
言葉を刻み込むように、耳を傾け、細かくメモを取る当事者・家族の姿が多く新鮮でした。
ライブ感覚の熱気のある集会というのは、舞台とフロアが一体になれるものですね。

僕は、初日丸一日、大ホールの進行責任者として、ずっと暗い舞台の袖にいました。
音響機器が総入れ替えになったばかりということで、調整不足は否めず…。
計9本のマイクは、プチハウリング状態、気を抜けず、なんかバタバタしてました。
舞台上の主人公たちにセッションは委ねられていますが、見えない裏方も、まぁ大変です。

今回のフォーラムは、昨年にも増して、分科会は23会場もあり、パワーアップ。
精神保健医療福祉施策から、家族支援、権利擁護、ピアサポート、恋愛結婚育児まで。
WRAP、IMR、ACT、IPSといった、今が旬のプログラムも盛りだくさんです。

僕は、第6分科会「アンチスティグマとリカバリー」を舞台袖から、ずっと見ていました。
かつて上司だった高橋清久さん(精神・神経科学振興財団)の司会・コーディネートです。
ひとりひとりの発言時間も延びて、休憩なし2時間35分のセッション。
僕はモニターをにらみ、シンポジストの表情を、3台の遠隔操作カメラで追いました。

リカバリーの大きな阻害要因となるのが、スティグマ(烙印)です。
欠格条項や偏見等の、外なるスティグマと、自身の中にある、内なるスティグマ。
7人のシンポジストが、当事者・家族の立場から、それぞれスティグマを語りました。
僕の司会したライブトークでも、当事者・支援者自身の病気への偏見が語られました。

「患者よりも、まず人として接して欲しかった」と語った外村さん。
「自分の中にも、最初偏見はあった」と医療機関で働く坂本さん、本田さん。
「病気を恥じ、隠す気持ちはあった」とコンシューマースタッフの磯田さん、永田さん。
「専門家でなく、ボランティアの視線を大事にしたい」と語った藤井さん。
「医療従事者が一番、偏見が強い。市民には、むしろ無い」と言い切った広田さん。

スティグマを形成するのは、当事者との接触体験の乏しさです。
施設建設反対運動など、接触体験のない人ほど、「怖い」イメージが肥大化します。
じかに当事者に接するようになると、市民の目線は穏やかなものに変わっていきます。

では、日頃病者に接している、医療従事者の偏見は、どのように除去できるのでしょうか?
精神科病院の中のスティグマを、PSWは自らの課題として、取り組めているでしょうか?

DSMとか精神医学の診断基準そのものが、リカバリーを阻害しているとしたら?
今日自明の薬物療法そのものが、リカバリー阻害の要因になっているとしたら?
そして、当事者のリカバリーを一番阻害しているのが、実は精神科病院だとしたら…。

精神障害者にかかわるアンチスティグマは、世界中で取り組まれている課題です。
障害者権利条約を批准できるように、この国の差別的な国内法の整備は必要です。
でも、それとともに、内なるスティグマの除去は、大きなテーマです。
むしろ、心の内側に刻印されたスティグマこそ、容易に消えることはありません。

願わくば、リカバリー概念が、精神科医療そのものを変えていくことを…。
まさに「日本の精神保健福祉サービスを『当事者中心』に変革するために」…。


※画像は、コープランドさんの記念講演を聴く、会場風景。
 舞台袖からの、こんな記念撮影、なかなか無いでしょう?(笑)
 僕の目に映っていた「リカバリーフォーラム2010」は、ずっとこんな風景でした。

日本デイケア学会仙台大会

2010年08月05日 10時52分36秒 | イベント告知
イベント告知が続きますが、自分がかかわっている学会の宣伝もしなきゃね。
日本デイケア学会が、今年は仙台で、9月にあります。

大会長の浅野弘毅さんから、ある日メールが来て。
「一般演題分科会の座長をひとつ、お願いしたい」と。

ちょっと、その日程で仙台に行くのは無理があって「調整が必要」と返事したんですけど。
大会プログラムが届いたら、既にしっかり僕の名前が載っていました(爆!)

浅野さんとは、20年前に「東京デイケアセミナー」をやった時に来てもらったのが縁で。
批評社の雑誌『精神医療』でもお世話になってるし、無碍に断れないですよね~。

一見ちょっととっつきにくい印象がありますが、笑顔がすごい素敵なお医者さんです。
臨床を大事にしながらも生真面目な学究肌の、尊敬できる精神科医のひとりです。

それに一応、僕は、この学会の理事ということになっていて…。
おまけに一応、組織委員長ということになっていることもあり…。

さらに、さかのぼれば、この学会の立ち上げには、僕は少なからず関与しており…。
知ってる人なら、学会創設をつぶしかけた男として、僕の名前は記憶に残っているかも?

まぁ、そんな古い話はさておいて…(笑)
精神科デイケアも、一世を風靡して、いつの間にか全国に1300カ所。

でも、時の流れと共に、精神保健分野も医療から福祉へとシフトを移しつつあり。
保険診療上も、精神科デイケアは徐々に頭打ち、内実が問われるようになりました。

だからこそ、自己検証すべく、今回の大会テーマを掲げるに至ったのでしょう。
「あらためて、デイケア・デイサービスの意義を問う」…と。

単なる日中の活動場所としてのデイケアではなく、医療の場としてのデイケア。
各地で拡充してきた数多ある福祉サービスとの差別化を、どのように示せるのか…。

今のデイケアをどのように評価するかということは、これからのこの国の精神保健医療福祉を、どのように組み立てるのか、というテーマにつながるのだと思います。

シンポジウム等で、少しでもそんなテーマに肉迫して欲しいと思っています。
デイケアは、今後、はてさて、どうなるのか、どうするのか…、討論が楽しみです。


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日本デイケア学会第15回年次大会(仙台大会)のご案内

●大会テーマ「あらためて、デイケア・デイサービスの意義を問う」
●大会長:浅野弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル院長)
●会 期:2010年9月16日(木)~19日(日)
研修会:9月16日(木) 、学術大会:9月17日(金)18日(土)、見学会:9月19日(日)

【プログラム】
●学術大会
日時:2010年9月17日(金)・18日(土)
会場:江陽グランドホテル
参加費:会員 8,000円 一般 当日 9,000円 当事者・家族・学生 3,000円
(事前申込みは7月末で既に終わりました)

○1.特別講演
「支えあうということ」
講師:鷲田 清一(哲学者・大阪大学総長)

○2.教育講演
1)「病いと人-精神医療福祉の視点から-」
講師:佐藤 光源(東北福祉大学大学院教授・東北大学名誉教授)
2)「多機能性からみるデイケア・デイサービスのあり方」
講師:宮島 渡(高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ総合施設長)

○3.大会長講演
「精神科デイケアのエシックス」
大会長:浅野 弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル院長)

○4.シンポジウム
1)「その人らしく暮らす-精神科デイケアができること-」
座長:池淵 恵美(帝京大学医学部教授)
シンポジスト
関  健 (城西病院 理事長)
福智 寿彦(すずかけクリニック院長)
伊澤 雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会 代表)
梁田 英麿(東北福祉大学せんだんホスピタル S-ACT)
特別発言
福田 祐典(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長)
2)「通うこと 集うこと-高齢者デイケア・デイサービスのこれから-」
座長:岩尾 貢(一部ユニット型指定介護老人福祉施設サンライフたきの里施設長)
シンポジスト
阪井由佳子(特定非営利法人にぎやか理事長)
中山 康子(在宅緩和ケア支援センター虹代表)
中島 鈴美(在宅リハビリテーションセンター桜新町 理学療法士)
井上 博文(小規模多機能型居宅介護シンフォニー将監施設長)
高橋 幸男(エスポアール出雲クリニック理事長)

○5.ワークショップ
1)「地域生活をフルに楽しもう -役に立つSSTの実際-」
講師:前田 ケイ(ルーテル学院大学名誉教授)
2)「こころが踊る、身体もはずむ -高齢者のダンスセラピー-」
講師:大沼 幸子(東北福祉大学健康科学部准教授)

○6.一般演題
1)うつとリワーク:5題
座長:五十嵐 良雄(メディカルケア虎ノ門院長)
2)心理教育:7題
座長:栗原 毅(中野区鷺宮保健福祉センター心理相談員)
3)高齢者1:6題
座長:土井 勝幸(老健施設せんだんの丘施設長)
4)高齢者2:6題
座長:小野寺敦志(認知症介護研究・研修東京センター研究企画主幹)
5)プログラム1:6題
座長:中野英子(札幌学院大学人文学部教授)
6)プログラム2:6題
座長:香山明美(宮城県立精神医療センター作業療法係長)
7)就労支援1:6題
座長:齋藤敏靖(東京国際大学准教授)
8)就労支援2:6題
座長:長谷川直美(デイケアクリニックほっとステーション医師)
9)デイケアのあり方:6題
座長:岩下 覚(桜ヶ丘記念病院院長)
10)健康管理:6題
座長:林みづ穂(仙台市精神保健福祉総合センター所長)
11)子ども・思春期:6題
座長:高林 健示(クボタ福祉心理研究所所長)
12)ピアサポート:6題
座長:古屋 龍太(日本社会事業大学大学院准教授)
13)導入・転帰:6題
座長:佐々木裕光(福間病院院長)
14)地域生活:6題
座長:福地 成(東北福祉大学せんだんホスピタル医師)

○7.ランチョンセミナー
1)「デイケア職員のメンタルヘルス -うつ病を中心に-」
演者:染矢 俊幸(新潟大学大学院教授)
座長:松岡 洋夫(東北大学大学院教授)
協賛:シェリング・プラウ株式会社
2)「デイケアのアクティビティを上げる為に -新規抗精神病薬の可能性-」
演者:肥田 裕久(ひだクリニック院長)       
   木村 尚美(ひだクリニック副院長)
座長:宮城 秀晃(宮城クリニック院長)
協賛:ヤンセンファーマ株式会社
3)「認知症の包括的アプローチ」
演者:鳥羽 研二(杏林大学高齢医学教授)
座長:西村 良二(福岡大学医学部精神医学教授)
協賛:エーザイ株式会社

○8.懇親会
日時:平成2010年9月17日(金) 18:00~20:00
会場:江陽グランドホテル
参加費:5000円

●研修会
日時:2010年9月16日(木) 14:30~17:30
会場:ハーネル仙台
参加費:3000円
※事前申し込み定員制 各研修会100名(先着順 大会HPより申し込み)
1.「集団(グループ)の力を活用したデイケア実践」
講師:松永 宏子(中部学院大学教授)
2.「認知症高齢者の地域生活支援(デイサービス)の実際」
講師:内出 幸美(社会福祉法人典人会理事・総所長)

●施設見学会
日 時:2010年9月19日(日)10:00~12:00
会 場:見学現地集合
参加費:1000円
※事前申し込み定員制 各コース20名(先着順 大会HPより申し込み)
Aコース:原クリニック・仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)
Bコース:東北福祉大学せんだんホスピタル
Cコース:せんだんの丘(介護老人保健施設)

●その他
本大会の研修会・学術大会は日本精神神経学会専門医ポイント(30点)が取得できます。


※画像は、猛暑の太陽照りつけるキャンパスの中庭。
 前期の授業も終わり、もはや学生の姿もまるでなく…。

出前ゼミinくまもと

2010年08月04日 10時44分49秒 | イベント告知
専門職大学院では、一昨年から「出前ゼミ」をやってます。
教員たちが、ゾロゾロと文字通り「出前」に出かけます。

入試広報活動などという下世話なものでは、ありません。
純粋に、講演と小グループに分かれてのセミナーです。

ふだん研修会など、あまり開催されない僻地(失礼!^ ^;)が対象です。
一昨年は新潟県佐渡市、昨年は青森県むつ市で、多数の参加者を得て行われました。

実はこれ、大学のフォーマルな行事というのでは全然なくて…。
卒業生たちが、現地で企画運営して、教員がお邪魔するセミナーです。

卒業生からのお誘いですから、教員たちも宿泊交通費等、まるで手弁当です。
セミナーに参加する人たちの受講料も、ほぼタダ(資料代等実費のみ)。

その代わり、地元の美味しいお酒くらいは呑ませてね、という条件です。
地元のSWたちと、おおいに夜を徹して語り合おう、というのが趣旨のゼミです。

今年の第3回目は、9月18日に熊本であります。
建設100年を迎えた芝居小屋「八千代座」が会場です。

今回、せっかくお誘い頂きながら、僕自身は別件あり、行けないのですが。
新津ふみ子さんから「大いに宣伝してねっ!」とのことなので…。

熊本県のソーシャルワーカーの皆さん!ぜひぜひ、ご参加下さいな!
プログラムは、こんな感じです↓。


※画像は、会場で使う「八千代座」の夜景。
 風情ありますよね~。
 一度は行ってみたい!
 八千代座のホームページからお借りしました。


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専門職大学院「出前ゼミinくまもと」のお誘い

日本社会事業大学大学院(東京都清瀬市)に福祉マネジメント研究科(専門職大学院)が併設されてから、7回生を迎え、現在約400人の卒業生が福祉サービスや教育などの現場で活動しています。
そこで、卒業生が専門職大学院での学びを活かし、自らの地域のことを自らが考え、行動することを課題とし、一昨年は新潟県佐渡市、昨年は青森県むつ市で「出前ゼミ」を開催しました。
教員は卒業生の活動を支援するという立場です。
今回の「出張ゼミ」は、熊本県出身の卒業生が企画しました。
歴史と文化のまち山鹿市、今年(2010年)、建設100周年の芝居小屋「八千代座」にて開催します。
今回のテーマは、「今、日本の社会福祉を問う!」と題して、これからの福祉サービスのあり方を考えます。
具体的には、2012年の介護報酬&診療報酬改定を見据えた地域包括ケアに関する講演、そして卒業生と教員が、それぞれの特徴を活かし「出前ゼミ」を開催します。
参加者のみなさんには、関心のあるゼミに参加していただき、大いに語り合いたいと思います。
熊本県北部地域はじめ熊本県で活動している方々、そして専門職大学院の同窓生と関係者など多くの人たちの参加を待っています。
大いに語り、学び合いましょう。

日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科
同窓生及び教員有志代表  教授 新津 ふみ子

■期 日   2010年9月18日(土)
■会 場   建設100周年 芝居小屋「八千代座」(熊本県山鹿市)
■主 催   日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科同窓生及び教員有志
         日本社会事業大学地方学会
■後援(予定)玉東町社会福祉協議会 長洲町社会福祉協議会 山鹿市社会福祉協議会
         菊池市社会福祉協議会 合志市社会福祉協議会 大津町社会福祉協議会
          菊陽町社会福祉協議会 熊本県社会福祉士会

■日程プログラム

「今、日本の社会福祉を問う!」   

○1、講演
「平成24年同時改定(介護報酬&診療報酬の改定)を見据えて~地域包括ケアの展望~」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 准教授 藤井賢一郎

○2、ゼミ
・ゼミ1「老いのこころの考える(認知症含む)」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 教授 今井幸充
・ゼミ2「職員の離職について」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 准教授 藤井賢一郎
・ゼミ3「地域で看取ること」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 客員教授 長谷方人
・ゼミ4「「介護事故に関する情報の把握と要因分析」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 教授 新津ふみ子
・ゼミ5「子どもとともに育つ」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科第3期卒業生 澤畑 勉

○3、意見交換会(会場:「彩(いろどり)座」) 18時から
○4、伝統芸能の夕べ(会場:「八千代座」)   20時30分から
   山鹿灯籠踊り&山鹿太鼓    ※一般観光客の皆様と同席

■宿泊施設   山鹿市内の旅館(寿三旅館、細川旅館、富士ホテル等)
■所要経費
(1)資料代 1,000円  (2)意見交換会費 5,000円
(3)宿泊費 1泊朝食付き 下記旅行社に各自申込み 
■申し込み方法
1)氏名 2)勤務先 3)連絡先(メールアドレス、電話番号、住所等) 4)希望ゼミ
5)意見交換会参加の有無 6)宿泊の有無(17日&18日)
[締め切りは8月15日(金)]

【申し込み・連絡先】
旅のよろこび株式会社(熊本県知事登録旅行業 第2-219号)
総合旅行業務取扱管理者 宮川 和夫
PCmail info@tabinoyorokobi.com   ファクス 096-345-0812
電話 096-345-0811

PSWの専門性研修会

2010年07月29日 13時00分15秒 | イベント告知
ゼミ院生に言われて、はたと気がつきました…。
自分が深く関与している研修会のお知らせを、全然していませんでした(爆)

日本PSW協会主催の「精神保健福祉士の専門性」研修会です。
今年採択された「精神保健福祉士業務指針(第1版)」をめぐる研修会です。

作成委員長の僕としては、PSWの皆にどのように受け止められたか、気になる所です。
6月の沖縄総会に行けなかったので、どのような議論が戦わされたのか知りませんし。

僕としてはそれなりの思い入れもあり、この指針については2回ここで記事にしました。
「PSW業務指針と用語の定義」(2010-05-20)「新しいPSWの業務指針」(2010-05-10)

前にも書きましたが、指針は「ガイドライン」であって、「マニュアル」ではありません。
ともすれば日常に流されがちな現場業務の、現実形と理念形をつなぐものだと思います。

時代の情勢や環境による制約はあり、誰しもなかなか理想的には働けない。
でも、より良い仕事をしようと願った時に、あるべき姿を導き指し示すのが「指針」です。

「わかってはいるけど院長が…」とか「残念だけどこの地域では…」とか。
愚痴を言い始めたらキリがありませんが、環境の制約はどこの職場でもあります。

「このままではマズイ」「これで良い訳ではない」とキャッチしたものを、どう活かすか。
問題に気づいた時点で、既に課題は明らかで、変えていく方法が難しいのだと思います。

そういった時に、現実との乖離を測る物差しが「業務指針」なのだと思います。
達成目標との距離を測り、そのためのインパクトゴールをどこに設定できるのか考える。

そんな風に使えれば、協会が公式に定めた「業務指針」の意味が出て来ます。
現場から遊離した教科書的理念ではない、現場の力を引き出す指針になればと思います。

多くのPSWに知って欲しい、読んで欲しいという気持ちは、今もそうですが、
この「PSW業務指針」のアラを、一番知っているのも、実は僕自身だと思います。

当日は、業務指針作成委員長としての率直な感想もお話ししてみたいと思っています。
少なくとも、偉そうにご託宣を告げるような研修会にはしたくありません。

文字に記された「ねばならない」指針に縛られるのではなく、率直に議論し合う。
自らが「こうありたい」PSWの専門性を、あらためてお互いに確認し合う。

そして、来るべき「第2版」に向けての素地を今から作っていく。
そんな研修会にしたいと思っています。

さきほど、協会事務局に確認したら、まだ少し定員には余裕があるとのこと。
いろんな想いを抱えたPSWが集まり、本音で話し合えることを期待しています。

※画像は、研修会会場の目白大学新宿キャパス10号館、秋の風景。
 (目白大学のホームページからお借り致しました)


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課題別研修/精神保健福祉士の専門性~業務指針の意義と活用を考える~

日 時/2010年8月29日(日)
会 場/目白大学新宿キャンパス(東京都新宿区中落合4-31-1)10号館4階
参加費/構成員:1,000円(資料代のみ)、非構成員:5,000円
定 員/70人

■参加のお誘い
私たちは、国家資格を有する専門職として、いかなる領域にあっても精神保健福祉士としての理念を持ち、これを各自の「業務」に照らして実践しなければなりません。
そして、それは専門職配置の根拠を明確に示すという意味があります。
これまでにも、本協会では診療報酬への位置づけや各種機関への必置の有用性を示す根拠として、精神保健福祉士に固有の価値に基づく日々の実践を可視化していく作業に取り組んできました。
そして、精神保健福祉士のみならず他職種や利用者をはじめ誰にとっても「精神保健福祉士は何を大切にし、何を行う職業か」を、根拠を持って示すために、本協会は「精神保健福祉士業務指針及び業務分類(第1版)」(業務指針)を作成し、今年度の第7回通常総会で議案として提案し、採択されました。
領域の拡大に伴い専門性が薄まっていくという危惧も語られている現状の中、本協会では、この業務指針作成に取り組み、一方で5年ごとに実施する業務実態調査の項目を検討する過程で、精神保健福祉士の「業務」とは何かを再考する機会を蓄積してきました。
今回、新「業務指針」を構成員に提案するにあたり、本協会活動にて協議してきた中から得られた知見等を学ぶことで、「業務指針とは何か」「実践にどう活用すべきか」を考える機会を用意しました。
日々の業務における専門性を意識した実践について振り返るとともに、改定版業務指針に関するご意見等も伺う機会とさせていただきたく、皆さまのご参加をお待ちしております。

■日程/プログラム
8月29日(日)
09:30 開講式(受付開始 9:15~)
 ~
09:45 講義1「精神保健福祉士の理念~倫理綱領を読み解く」
講師:西澤利朗(目白大学)

11:10 講義2「精神保健福祉士の業務とは~統計調査からの考察」
講師:宮部真弥子(和敬会)

13:00 講義3「精神保健福祉士の業務指針~作成の経過と課題」
講師:古屋龍太(日本社会事業大学大学院)

14:25 講義4「各分野における業務指針(1)医療機関(2)地域生活支援(3)行政機関」
講師:岩本操(武蔵野大学)岩上洋一(NPO法人じりつ)大石信弘(静岡まちとも)

15:55 報告を受けての自由討議・意見交換
16:40 アンケート記載
16:55 閉講式(~17:15)

■開催概要
1.定員:70名(定員になり次第、締切ります)

2.研修に係る費用
[必須] 参加費 構成員:1,000円(資料代のみ)、非構成員5,000円
[オプション] お弁当:1,050円・・・ご希望に応じてお申込みください。

3.対象(次のいずれかに該当する方)
本協会構成員(2010年度までの会費を納めていること)
精神保健福祉士(非構成員)

4.申込方法
「受講申込書」を個人ごとに本協会までFAXしてください(原本保管のこと)
研修に係る費用は、参加証と共に送付する払込書にて所定の期限までにご送金ください。
申込み締め切り 8月2日(月)必着
参加証等発送日 8月5日(木)

5.変更・参加取り消し
変更、取り消しのご連絡は、各自保管の申込書(原本)を訂正のうえ、改めてFAXしてください。
原則として参加証送付後の参加取り消し及び参加費のご返金はできません。
ただし、参加費納付後の取り消しの場合は、研修終了後に当日資料を送付します。

6.その他
参加者名簿には、参加者全員のお名前を掲載いたします。
勤務先名・勤務先所在地・TEL・FAXの掲載の可否は申込書にてお知らせください。
宿泊のご用意はありません。
災害保険等は各自ご加入ください。

8.個人情報の取り扱いについて
本協会の個人情報方針および規程に基づき、個人情報の取得・利用を適切に行います。
本研修申し込みで得た個人情報は、本研修実施に伴う書類発送、研修評価に伴う調査に用い、この利用目的の範囲を超えて取り扱うことはありません。
この範囲を超えて利用する場合は、本人の同意を得た上で行います。

<参加申込み先>
「精神保健福祉士の専門性」係
〒160-0015 東京都新宿区大京町23-3 四谷オーキッドビル7F 
社団法人日本精神保健福祉士協会
TEL.03-5366-3152 FAX.03-5366-2993 


リカバリー全国フォーラム2010

2010年07月27日 19時32分05秒 | イベント告知
記事にしたいこと、記事にしなきゃいけないことが、追いつかない「PSW研究室」です。
あれもこれも、順番にイベント企画も目白押しで、紹介もままならない感じ。

猛暑の今夏、いくつかのプログラムが平行して起動しっぱなしです。
メモリー不足で、少々アップアップ状態、そのうちフリーズするかも…(泣)

もちろん、日常の本業の業務もあるし、真夏の実習巡回指導もあるし。
おまけに、頭を悩ましている3年目の、真夏のマル秘ミッションもあるし。

地元の調査の集計分析も、全国調査の集計分析もやらなきゃいけないし。
期限切れの宿題もあって、もう締め切りの意味を為していない、龍龍です(爆!)


《閑話休題!
 多忙を愚痴記事にしていると、自分がみじめになってきそうで…(汗)》



さて、記事にするのが遅くなりましたが「リカバリー全国フォーラム」です。
もうチラシやパンフレットが全国に発送されているので、目に触れているでしょうが。

去年の日本社会事業大学での第1回は、すったもんだのうちに1000人弱の参加者。
今年、会場を都心の文京学院大学に移して、やはり1000人の参加を見込んでいます。

企画委員会(高橋清久委員長)もパワーアップして、毎回議論は白熱。
このリカバリーフォーラムに賭ける、委員達の熱い想いと意気込みが伝わってきます。

去年は、栄えある(?)実行委員長を拝命しての開催でしたが、泥縄式現場運営でした。
今年は、文京学院大学の行實志都子さんに委員長になってもらい、僕は副です。

あ、広田和子さんと「トークライブ」の司会をすることになりました。
たぶん漫談風の、ゆるゆるトークショーになると思います(?)

なんとか、また多くの方々に参加して頂いて、交流の輪を拡げたいものです。
「リカバリー」というスローガンが、どのように浸透していくかも楽しみです。

ということで、今年の「リカバリー全国フォーラム2010」のプログラム掲載。
定員制の人気の分科会は、事前申込みで埋まってしまいますので、お早めにどうぞ。

詳しくはホームページをご覧下さい。
http://www.comhbo.net/modules/bulletinp3/index.php?page=article&storyid=1


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リカバリー全国フォーラム2010
~日本の精神保健福祉サービスを"当事者中心"に変革するために~

■開催主旨
「リカバリー」とは、精神障害をもつ方々がそれぞれの自己実現やその求める生き方を主体的に追及するプロセスのことです。
「リカバリー」は、アメリカ大統領委員会勧告(2003)に明記されるなど、世界の関係者から注目される支援の目標でもあります。
本フォーラムでは、昨年に引き続き、精神保健福祉関係者、当事者、家族、市民などが全国からつどい、「リカバリー」について共に考え、理解を深め、「リカバリー」を促進する実践プログラムや支援方法のあり方を”当事者中心”の視点から検討します。
さらに、「リカバリー」の実現に有用で、効果のあがる実践プログラムや支援方法を、全国的なネットワークを形成して、普及・定着・発展させることをめざします。

■日時:2010年9月10日(金)~11日(土)

■会場:文京学院大学・本郷キャンパス <東京都文京区>
(東京メトロ南北線・東大前駅・2番出口・徒歩0分)
http://www.u-bunkyo.ac.jp/campus/access/index.html

■プログラム
※詳しくは開催案内 (http://www.comhbo.net/uploads/rnf2010p8.pdf) をご覧ください。

◆◆9月10日(金)◆◆

★基調報告 (10:00 ~10:30)
大島巌(企画委員会総括幹事・日本社会事業大学)

★トークライブ (10:30~12:00)  
「大切な出会いとリカバリー」
司会
広田和子(精神医療サバイバー)
古屋龍太(日本社会事業大学)
出演:「出会い」を通じてリカバリーを体験した当事者のみなさん、サービス従事者のみなさん
磯田重行(NPO法人WRAP研究会)、坂本明子(NPO法人WRAP研究会)、
戸村昭彦(YFP・横浜フレンドポート)、藤井文子(YFP・横浜フレンドポート、はぁとネットワーク港北)、他

★記念講演 (13:00 ~14:30)
「リカバリーが私たちに意味するもの」
講師:メアリー・エレン・コープランド(元気行動回復プラン・WRAP考案者、アメリカ・コープランドセンター理事長、2009年米国保健福祉省SAMHSAボイス・アワード受賞者)

◆分科会 (15:00 ~17:00 11分科会同時平行開催、申込み先着制)

1)私のリカバリー宣言~一人ひとりのリカバリー
増川ねてる(WRAPファシリテーター)、トークライブ出演者、他

2)看護とリカバリー~本当は、私たちはこんな支援がしたい
仲野栄(日本精神科看護技術協会)、柿沼紀子(横浜舞岡病院)、服部真澄(初石病院)、羽田誠之(黒川病院)

3)地域における家族支援とリカバリー
大島巌(日本社会事業大学)、土屋徹(オフィス夢風舎)、贄川信幸(日本社会事業大学)、他

4)あなたのもっている、生活力、生きる力は、こんなにも素敵です~ストレングスモデルによるケースマネジメント入門
伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)、久永文恵(NPOコンボ・ACT-IPSセンター)他

5)リカバリーを応援するIPS(個別就労支援)と就労移行支援
香田真希子(NPOコンボ・ACT-IPSセンター)、池田真砂子(根岸病院)、中原さとみ(桜ヶ丘記念病院)、安藤雅信(IPS利用者)、他

6)アンチスティグマとリカバリー~内なるスティグマと外なるスティグマ~
高橋清久(精神・神経科学振興財団)、宇田川健(NPOコンボ)、寺尾直宏(千葉県精神障害者家族会連合会)、他

7)権利擁護とリカバリー
四方田清(日本精神保健福祉士協会)、加藤真規子(こらーるたいとう)、他

8)ピア活動により切り開く新たな地域移行の局面~地域移行推進のため、全国の実践を持ち寄ろう~
伊澤雄一(はらからの家福祉会)、宮本めぐみ&ピアスタッフ(東京都世田谷区・地域生活支援センターMOTA)、他

9)リカバリーを応援するリラックス・アイスブレイク実践講座~緊張もみんなでほぐせば怖くない、さぁはじめよう出会いの準備体操・心のストレッチ~
月崎時央(LAMAPPA企画・ジャーナリスト)、カタリストクラブ当事者スタッフ(石村徹、田中雪則、間野宏明)、他

10)ACT(包括的地域生活支援プログラム)における家族支援
佐藤純(京都ノートルダム女子大学)、他

11)ピアサポートの部屋
広田和子(精神医療サバイバー)、有村律子(全国精神障害者連合会)、藤野英明(横須賀市議会議員)、他


◆◆9月11日(土)◆◆

★特別講演 (9:30~10:00) 
「リカバリーは精神科病院で実現できるか~イタリアでの経験を踏まえて~」
講師:大熊一夫(ジャーナリスト)

★シンポジウム (10:00~12:30)
「日本の精神保健福祉サービスを”当事者中心”に変革するために(パート2)
~これまでの支援と何が違うのか、何を変えることができるのか~」
司会:
伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター)
大島巌(日本社会事業大学)
シンポジスト: 
岩上洋一(ふれんだむ)
藤田大輔(ACT-Zero)、
磯田重行(NPO法人WRAP研究会)
池淵恵美(帝京大学)
指定発言
大熊一夫(ジャーナリスト)+当事者・ご家族の皆さん、他

◆分科会 (13:30~15:30 11分科会同時平行開催、先着申込み制)

12)WRAP~元気回復行動プラン~
全国のWRAPファシリテーターたち:Rie(神奈川県)、まみ(岡山県)、まちも(東京都)、ねてる(千葉県)、じゅんじゅん(神奈川県)、さかもと(福岡県)、かわみなみ(京都府)、大川(北海道)、みどり(東京都)、スマイルまっきー(福岡県)、津野(福岡県)、あや(千葉県)

13)家族とリカバリー~家族が“自分らしく”あるために~
土屋徹(オフィス夢風舎)、他

14)こんな入院ができたらいいな、こんな理想的な退院ができたらいいな
相澤一美(東京医療保健大学)、他

15)仕事について語り合おう
大島みどり(障害者就職サポートセンタービルド)、働く人のミーティングCATメンバー、他

16)はじめよう!IMR(疾病管理とリカバリー)~リカバリーの実現をめざして~
横浜市立大学精神科リハビリテーションチーム(加藤大慈、佐伯隆、藤田英美、内山繁樹、水野直武、星竜一、武井寛通、渡辺厚彦、佐藤直子、高木真一、平安良雄、他)

17)暮らしアラカルト~(ひとり)暮らし・恋愛・結婚・育児・家族 …~
大橋秀行(NPO法人POTA)、他

18)はじめての精神科
堀内美穂子(全国精神保健福祉相談員会)、内野俊郎(久留米大学)、他

19)デイケアとリカバリー~デイケアの利用者集まれ(スタッフも可)~
福智寿彦・本間貴宣・中山ちはる・笹川佑記(愛知県・すずかけクリニック)、永田仁(NPO法人福心カフェギャラリー寸心)、他

20)家族による家族学習会
小林清香(東京女子医科大学)、中村由嘉子(名古屋大学)、他

21)精神保健医療福祉システムとリカバリー~私たちはこんな精神保健医療福祉システムを望んでいる~
伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)、福井里江(東京学芸大学)、他

22)ピアサポートの部屋
広田和子(精神医療サバイバー)、有村律子(全国精神障害者連合会)、藤野英明(横須賀市議会議員)、他


★クロージングセッション (16:00~17:00)

◆◆申込方法◆◆
①インターネットで: 
http://apollon.nta.co.jp/recovery2010/ から直接申し込みができます。
②FAX・郵送で: 
申込用紙に必要事項をご記入の上、NPO法人コンボ「リカバリー全国フォーラム事務局」まで。
※お電話での申し込みはお受けしませんのであらかじめご了承ください。
なお、申し込みは定員になり次第締め切らせていただきます。

※申込用紙のついた開催案内を配布しています。
お手元にない場合は、コンボのホームページからダウンロードするか、コンボ内リカバリー全国フォーラム事務局までご連絡ください。
<担当:桶谷・秋山>

■コンボの ホームページ
○http://comhbo.net/
開催案内(Google Chrome では正しく表示されない場合があります。)
○http://www.comhbo.net/uploads/rnf2010p8.pdf
チラシ(Google Chrome では正しく表示されない場合があります。)
○http://www.comhbo.net/uploads/rnf2010chirashi.pdf
リカバリーフォーラム2010申し込みページ
○https://apollon.nta.co.jp/recovery2010/

■参加費:
○一般:事前登録=8000円(7000円)、当日参加=9000円(8000円)
○学生:事前登録=4000円(3000円)、当日参加=4000円(5000円)
○家族:事前登録=3000円(2000円)、当日参加=3000円(2000円)、
 1日参加=1500円
○当事者: 事前登録=2000円(1000円)、当日参加=2000円(1000円)、
 1日参加=1000円
*カッコ内は、コンボ賛助会員割引。
(お申し込みお支払い締め切り日:2010年8月21日(土)

◆お問い合わせ◆
メールでのお問い合わせはこちらまで RF@comhbo.net

■事務局
NPO法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)内
リカバリー全国フォーラム事務局 <担当:桶谷・秋山>
〒272-0031 千葉県市川市平田3-5-1 トノックスビル2F
TEL: 047-320-3870 / FAX: 047-320-3871
http://comhbo.net


JD30周年記念シンポジウム

2010年07月23日 20時12分55秒 | イベント告知

JD(日本障害者協議会)が30周年を迎え、社大で公開シンポジウムを開きます。
1980年に国際障害者年日本推進協議会を創設以来、30年を数えたことになります。

国際障害者年を日本でアピールするために、主張を超えて集まった各障害者関係団体。
障害種別も志向性も異なる団体同士が、本音で語り、創り上げてきた民間の協議会です。

僕が、協議員として参加させて頂いていたのは、もう10年前のことです。
日本病院・地域精神医学会が精神関連学会として初参加し、その代表で出席していました。

初代代表の調一興さんの舵取りの苦労は、並大抵のことではなかったと思います。
でも、彼の人柄と包容力、時代の先見性が、今日の動きを作って来ました。

精神障害者福祉を積極的に取り上げてくれたのも、調さんでした。
激しく意見が対立した時、「仲間じゃないですか~」という彼の一言で納まりました。

当事者団体や家族団体、専門職能団体や学会や、立場を超えて同じテーブルにつく。
主張すべきは主張し、でも共通の目標を掲げ、取り組み課題を明らかにする。

今、政府の障がい者施策改革推進会議でも、激しいやりとりが展開されています。
でも、障害者権利条約締結に向けての国内法整備が必要という認識と目標は一緒です。

今回のシンポジウムのコーディネータは、総合福祉部会長の佐藤久夫さんです。
新しい時代の新しい障害者福祉を切り開く、公開市民シンポジウムに奮ってご参加下さい。

(ただ、残念ながら、僕はこの日、他用重複のため大学におりません…あしからず)


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日本障害者協議会(JD)結成30周年記念 公開市民シンポジウム
「 すべての人の社会へ
 -国際障害者年から障害者権利条約実現への歴史・情勢・人間に学ぶ-」

時代の要請に大きく寄与すべく、JDもこの国際障害者年日本推進協議会(IYDP推進協)の創設から今年で30周年、来年の国際障害者年スタートから30周年のこの機会に、幅広い市民を対象とした公開講座を添付チラシの内容で企画いたしました。

日時 2010年 9月4日(土) 午後2時~5時
会場 日本社会事業大学 清瀬キャンパス B101 手話通訳付き
   ※西武池袋(有楽町)線「清瀬」駅南口よりバス6分『日本社会事業大学前』下車
先着 300名・入場無料

○あいさつ
勝又和夫(JD代表)
○コーディネーター
佐藤久夫(日本社会事業大学教授・総合福祉部会部会長)
○シンポジスト
尾上浩二(DPI日本会議事務局長・制度改革推進会議構成員)
森本美紀(朝日新聞記者)
藤井克徳(JD常務理事・制度改革推進会議議長代理)

なお、これに引き続き以下のテーマで、日本社会事業大学文京キャンパスで公開市民連続講座(全4回)を開催します。

○10月30日(土):障害とはなにか
○11月13日(土):自立とはなにか
○11月27日(土):世界潮流(ノーマライゼーション・インクルージョン)
○12月11日(土):障害者運動と提言

この9月4日(土)の清瀬キャンパスでのシンポジウムは、そのプレセッションとも位置づけられるものです。
当日参加もちろん大歓迎ですが準備の都合もあり、事前に参加者氏名・人数等JD事務局にお知らせいただきますと大変しあわせです。

日本障害者協議会事務局
Tel:03-5287-2346 fax:03-5287-2347
E-mail office@jdnet.gr.jp


※画像は、前記事に引き続き、玉川上水の散歩道です。

プログラム評価国際セミナー

2010年07月22日 11時06分16秒 | イベント告知

大学というところは、夏休みが無くて…。
授業の無い時期だからこそ、色んなイベントが入ってきます。
もっと、みんな、休めばいいのに…と思うんですが(汗)

特に、この大学には大島巌さんという、強迫的に?真面目に仕事をする人がいるので。
猛暑の続く今夏も、燃えるようなパッションで、イベント目白押しです。
(今年のリカバリーフォーラムは、文京学院大学に会場を移しましたが)

社大の大学院は、この大島さんのご尽力で「大学院GP」というものに採択され、
「プログラム評価研究履修コース」というものを今年度から設けています。
博士前期・後期課程を通じて、独立したプログラム評価研究者を育成するというものです。

現場の人には「プログラム評価」って言っても、なかなかピンと来ないでしょうけど。
要するに、問題を改善するための色々な取り組みを、客観的に評価するってことですかね?
長期在院患者の地域移行を進めるには、どんな取り組みが必要で有効であるか?…とか。

多くの取り組みは、あまり緻密な設計図もなく、試行錯誤しながらスタートします。
実践の基盤になっている経験知が、あまり検証されないままなのが、福祉領域でしたし。
取り組まれる内容(プログラム)の設計って、その場の人の力量に負うところが大です。

でも、職人的に取り組まれている技能は、残念ながらその場限りになってしまう訳で。
どんなプログラム組み立てが、当事者の利益になるのか検証もされずでは、やはりまずい。
特に、個人の関わりだけでなく、組織的・継続的な取り組み(事業)がなされる時には。

行政が主導するような、この事業が、「社会プログラム」と呼ばれているものです。
社会プログラムはシステムとして、影響力が大きい訳ですが、結構無計画だったりします。
現場が遵守しようとする事業要綱を見ても、ほとんど思いつきで根拠も乏しいことだらけ。

こういった社会プログラムの機能や成果を、把握・査定するのが、プログラム評価です。
どんな現場の取り組みが成果を生んでいるのか、事業の組み立てはどこが雑なのか…。
社会福祉のような対人サービス領域で、主要な実践研究法になってきています。

…というのが、僕の浅薄な「プログラム評価研究」の理解ですが、合ってますかね?(笑)
ともあれ、その国際的権威であるフィリス・ソロモンさんを迎えての国際セミナーです。
日々の実践を振り返る、目から鱗の体験ができる…かも…?(眠くなる…かも?)(爆)

詳しくは、ホームページをご覧下さい。
福祉サービスのプログラム評価研究者育成プロジェクト国際セミナー
http://psilocybe.co.jp/0804/

※画像は、僕の家の近く、玉川上水の風景です。
 しばし、緑陰の流れの涼を感じて頂ければと。


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文部科学省 組織的な大学院教育改革推進プログラム(大学院GP)
「福祉サービスのプログラム評価研究者育成プロジェクト国際セミナー」

【テーマ】
福祉サービスプログラム評価者・評価研究者育成の現状と課題 
~アジア型福祉社会創造に向けた福祉プログラム評価の活用のために~

【開催趣旨】
2008年に発表された日本学術会議「近未来の社会福祉教育のあり方」では、福祉系大学の責務として「社会福祉現象をめぐる理論的・実証的研究の積み重ね」を基盤に、教育プログラムを開発する必要性が指摘されています。
社会福祉政策の科学的な評価、および福祉実践の体系化・理論化には、プログラム評価アプローチは欠くことができません。
しかしながら日本およびアジア諸国では、プログラム評価の力量をもつ実践研究者あるいは研究的実践家の養成が体系的には行われていません。
一方、アジア社会には共通して従来の福祉国家モデルに頼ることなく、アジア型福祉社会の構築が求められております。
このような中、アジア型福祉社会創造に貢献できる福祉サービスプログラム評価者・評価研究者の育成が大きな課題になっております。
この福祉評価教育国際セミナーは、2カ年2回にわたって実施します。
今回開催する第1回セミナーでは、中国、韓国、日本の福祉サービス・プログラム評価の第一人者にお集まり頂き、各国が直面する福祉サービス・プログラム評価の現状と課題を共有するとともに、評価人材が福祉サービスのプログラム評価システムで果たすべき役割と、福祉系大学・大学院における福祉プログラム評価人材養成のあり方を、福祉プログラム評価に関心をもつ全国の関係者の皆さま方とともに検討したいと考えます。
これらの検討を踏まえて、来年7月に開催予定の第2回セミナーでは、アジア諸国で共通に活用できる有用性の高い実践的福祉プログラム評価教育法の実施ガイドライン作成を目指したいと考えます。
以上の課題にご関心をお持ちの多くの皆さまが、本国際セミナーにご参加頂きますよう、ご案内申し上げます。
2010年7月
日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科 研究科長 大 島 巌 

【日時】
2010年8月4日 水曜日 10:00-17:00
2010年8月5日 木曜日 13:00-16:30 (午前中は非公開)

【会場】
日本社会事業大学教学A棟A401教室 (東京都清瀬市竹丘3-1-30)
アクセスマップ:http://www.jcsw.ac.jp/gaiyo/access_pop12.html

【セミナープログラム】

◆第一日目:8月4日 水曜日

○挨拶、オリエンテーション(10:00~)
○基調報告(10:15~)
「日本社会事業大学・福祉サービスのプログラム評価研究者育成プロジェクト」の概要と期待される成果
大島巌(日本社会事業大学大学院研究科長・教授)

○各国における社会福祉サービス・プログラム評価の現状と評価人材育成の課題(11:00~)
座長:小林良二(東洋大学教授)

○日本における取り組みと課題
平岡公一(お茶の水女子大学教授)

○韓国における取り組みと課題
鄭茂晟(韓国ソンシル大学教授)

○中国における取り組みと課題
高翔(北京大学准教授)

○アメリカにおける取り組みと課題、コメント
フィリス ソロモン(ペンシルバニア大学教授)

○全体討論(~17:00)
○懇親会(18:00~)

◆第二日目:8月5日木曜日

【非公開セミナー:福祉系大学関係者のみ参加】(10:00~12:00)

○報告
「福祉プログラム評価研究指導マニュアル・ガイドラインの枠組みと考え方:教育カリキュラムへの反映を目指して」
大島 巌(日本社会事業大学教授)

○全体討論
「福祉系大学・大学院における福祉プログラム評価者・評価研究者の育成のあり方:評価機関との連携、教育カリキュラム」

【公開講演会】(13:00-16:30)
○記念講演
「科学的根拠に基づく実践プログラムの形成評価と国際的技術移転の方法、評価人材育成の課題」
講師:フィリス・ソロモン(ペンシルバニア大学社会政策・社会実践学部教授)

○総括討論
座長:大島 巌(日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科科長)

【参加者】
福祉サービスのプログラム評価者・評価研究者育成に関心をお持ちの大学教員、プログラム評価実務者・管理者、研究者、大学院学生など
※講演は英語で行われますが、日本語通訳が付きます。参加費は無料です。

【申し込み方法・定員】
下記の参加登録ページあるいはその他の登録先に、ご氏名、ご所属、連絡先をご連絡ください。
事務処理上できるだけ参加登録ページからの登録をお願いします。
電話によるお申し込みは受け付けておりません。
定員は100名(先着順)。
希望者多数の場合はお断りをする場合があります。

【連絡先・セミナー事務局】 
日本社会事業大学大学院教務課(担当:郷野美央)
・参加登録ページ:http://psilocybe.co.jp/0804/
・その他の登録先:E-mail: oshima.jcsw@gmail.com  Fax 042-496-3101