国の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」が、打ち出されたのが2004年9月。
…「受入条件が整えば退院可能な者(約7万人)」については、
精神病床の機能分化・地域生活支援体制の強化等、
立ち後れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を全体的に進めることにより、
併せて10年後の解消を図る。…
そう高らかに宣言されて、もう半分の5年が過ぎてしまいました。
この5年間で、何が、どれだけ、変わったでしょう?
精神医療の現場は、ほとんど、何も変わっていません。
今、後半5年間の「改革ビジョン」の中味が議論されています。
昨年よりスタートした「精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の場で。
2009年7月現在、その議論は佳境に入っています。
この夏の議論を踏まえて、秋には報告書が出されるはずです。
この検討会で、新しい方向が何も打ち出されなければ、今後5年も何も変わりません。
世界一多い、この国の精神科ベッドは、さらに温存されていくでしょう。
この国の、貧しい精神医療の現状は、変えることができるのでしょうか?
長期在院患者の退院・地域移行は、果たすことができるのでしょうか?
国の検討会は、きっちりと方針を指し示せるのでしょうか?
今まさに進行中の、リアルタイムの検討会の議論が、1冊の本になりました。
ぜひ、多くの人に読んで欲しい1冊です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『季刊精神医療』55号
責任編集:古屋龍太+朝日俊弘
☆特集「精神保健・医療・福祉改革のゆくえ』
日本の精神病院の入院者は33万人以上を数え、他国に類を見ない状況を呈し続けている。
その中で、72,000人の入院者は地域の受け入れ態勢が整えば退院可能であるとし、十年計画での退院・地域生活への復帰の促進を盛り込んで2004年に厚生労働省が発表したのが「精神保健医療福祉の改革ビジョン」であった。
発表当初は関係者の注目を集めたものの、その前半5年を経過した2009年の時点で、退院促進はほとんど進展していない。
そうした現状を受けて「精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が2008年よりスタートした。
その検討会において、どのような議論がなされているのか。
「改革ビジョン」の達成は可能なことなのか。
入院者を地域生活へ復帰させるために必要なこととは何なのか。
検討会に参加したメンバー、精神科医や精神保健福祉士、看護師、当事者や家族といった、精神医療現場に関わる人びとが、今後の精神保健福祉の方向性を検証する。
☆目次
巻頭言●
○精神保健医療福祉の後期改革ビジョンの行方
~この国の精神医療の抜本的改革は可能か?~
古屋龍太(日本社会事業大学・国立精神神経センター、PSW)
座談会●
○精神保健医療福祉改革の行方
広田和子(精神医療サバイバー)
田尾有希子(社会福祉法人巣立ち会理事長・PSW)
中島豊爾(全国自治体病院協議会・副会長、岡山県精神科医療センター院長)
朝日俊弘(前参議院議員、陽和病院・医師)
古屋龍太(日本社会事業大学・国立精神・神経センター病院)[司会]
特集記事●
○地域生活支援の大いなる展開を追求して?
~「今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」に参加して
伊澤雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会(ami)会長)
○「今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」に参加して
~誰もが安心して暮らせる社会にするために、我が国の精神医療改革は可能なのか?
大塚淳子(日本精神保健福祉士協会・常務理事、PSW)
○精神保健医療福祉の改革ビジョンを知ること、理解すること、そして検討ではなく、決断を!
尾上義和(元・全国精神障害者社会復帰施設協会・常務理事、PSW)
○先送りされてきた検討課題:精神病床について考える?
今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会に参加して
小川 忍(日本看護協会、看護)
○総合病院精神科の立場より今後の精神保健医療福祉のあり方を考える
佐藤茂樹(日本総合病院精神医学会、成田赤十字病院精神科・医師)
○構成員 感想
品川眞佐子(NPOほっとハート)
○精神医療福祉の方向性
長尾卓夫(日本精神科病院協会、恵風会高岡病院・院長)
○「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」について思うこと
長野敏宏(NPOハートinハートなんぐん市場、正光会御荘病院・医師)
○今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会
~精神障がい者家族会の立場から
良田かおり(NPO全国精神保健福祉会連合会・事務局長)
☆コラム+連載+書評
コラム●
「もう、働きたくない」
渡部裕一(原クリニック・PSW)
連載●
引き抜きにくい釘(23)~侵犯[前編]
塚本千秋(岡山県精神科医療センター)
連載●
暴力のリスク・マネージメント(5)~暴力事態後のサポート
谷本 桂(信州大学医学部保健学科)
連載●
精神医療・病院の改革と病床削減(2)その政策転換を求めて
富田三樹生(多摩あおば病院)
連載●
老いのたわごと(42)~日本社会精神医学外史[その3]
渡辺栄市と博との対話[2]と北海道大学一派の往診活動
浜田 晋(はまだクリニック)
書評●
『発達障害は少年事件を引き起こさない~「関係の貧困」と「個人責任化」のゆくえ』高岡健著[明石書店刊]
山下耕平(NPOフォロー・事務局長)
紹介●
『Inside-Out』井上廣子著[有限会社フォイル刊]
高木俊介(たかぎクリニック、ACT-K)
書評●
『メランコリー~人生後半期の妄想性障害』濱田秀伯・古茶大樹編著、慶應義塾大学精神病理研究グループ著[弘文堂刊]
浅野弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル)
追悼●
藤沢君、ご苦労様でした
森山公夫(陽和病院・院長)
編集後記
朝日俊弘
『季刊精神医療』55号
『精神医療』編集委員会 編
B5 120ページ 並製
ISBN978-4-8265-0507-9 C3047
定価1700円+税
初版発行年月:2009年07月10日
書店発売日:2009年07月18日
出版元:批評社
〒113-0033 東京都文京区本郷 1-28-36鳳明ビル1F
TEL03-3813-6344 FAX03-3813-8990
…「受入条件が整えば退院可能な者(約7万人)」については、
精神病床の機能分化・地域生活支援体制の強化等、
立ち後れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を全体的に進めることにより、
併せて10年後の解消を図る。…
そう高らかに宣言されて、もう半分の5年が過ぎてしまいました。
この5年間で、何が、どれだけ、変わったでしょう?
精神医療の現場は、ほとんど、何も変わっていません。
今、後半5年間の「改革ビジョン」の中味が議論されています。
昨年よりスタートした「精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の場で。
2009年7月現在、その議論は佳境に入っています。
この夏の議論を踏まえて、秋には報告書が出されるはずです。
この検討会で、新しい方向が何も打ち出されなければ、今後5年も何も変わりません。
世界一多い、この国の精神科ベッドは、さらに温存されていくでしょう。
この国の、貧しい精神医療の現状は、変えることができるのでしょうか?
長期在院患者の退院・地域移行は、果たすことができるのでしょうか?
国の検討会は、きっちりと方針を指し示せるのでしょうか?
今まさに進行中の、リアルタイムの検討会の議論が、1冊の本になりました。
ぜひ、多くの人に読んで欲しい1冊です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『季刊精神医療』55号
責任編集:古屋龍太+朝日俊弘
☆特集「精神保健・医療・福祉改革のゆくえ』
日本の精神病院の入院者は33万人以上を数え、他国に類を見ない状況を呈し続けている。
その中で、72,000人の入院者は地域の受け入れ態勢が整えば退院可能であるとし、十年計画での退院・地域生活への復帰の促進を盛り込んで2004年に厚生労働省が発表したのが「精神保健医療福祉の改革ビジョン」であった。
発表当初は関係者の注目を集めたものの、その前半5年を経過した2009年の時点で、退院促進はほとんど進展していない。
そうした現状を受けて「精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が2008年よりスタートした。
その検討会において、どのような議論がなされているのか。
「改革ビジョン」の達成は可能なことなのか。
入院者を地域生活へ復帰させるために必要なこととは何なのか。
検討会に参加したメンバー、精神科医や精神保健福祉士、看護師、当事者や家族といった、精神医療現場に関わる人びとが、今後の精神保健福祉の方向性を検証する。
☆目次
巻頭言●
○精神保健医療福祉の後期改革ビジョンの行方
~この国の精神医療の抜本的改革は可能か?~
古屋龍太(日本社会事業大学・国立精神神経センター、PSW)
座談会●
○精神保健医療福祉改革の行方
広田和子(精神医療サバイバー)
田尾有希子(社会福祉法人巣立ち会理事長・PSW)
中島豊爾(全国自治体病院協議会・副会長、岡山県精神科医療センター院長)
朝日俊弘(前参議院議員、陽和病院・医師)
古屋龍太(日本社会事業大学・国立精神・神経センター病院)[司会]
特集記事●
○地域生活支援の大いなる展開を追求して?
~「今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」に参加して
伊澤雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会(ami)会長)
○「今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」に参加して
~誰もが安心して暮らせる社会にするために、我が国の精神医療改革は可能なのか?
大塚淳子(日本精神保健福祉士協会・常務理事、PSW)
○精神保健医療福祉の改革ビジョンを知ること、理解すること、そして検討ではなく、決断を!
尾上義和(元・全国精神障害者社会復帰施設協会・常務理事、PSW)
○先送りされてきた検討課題:精神病床について考える?
今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会に参加して
小川 忍(日本看護協会、看護)
○総合病院精神科の立場より今後の精神保健医療福祉のあり方を考える
佐藤茂樹(日本総合病院精神医学会、成田赤十字病院精神科・医師)
○構成員 感想
品川眞佐子(NPOほっとハート)
○精神医療福祉の方向性
長尾卓夫(日本精神科病院協会、恵風会高岡病院・院長)
○「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」について思うこと
長野敏宏(NPOハートinハートなんぐん市場、正光会御荘病院・医師)
○今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会
~精神障がい者家族会の立場から
良田かおり(NPO全国精神保健福祉会連合会・事務局長)
☆コラム+連載+書評
コラム●
「もう、働きたくない」
渡部裕一(原クリニック・PSW)
連載●
引き抜きにくい釘(23)~侵犯[前編]
塚本千秋(岡山県精神科医療センター)
連載●
暴力のリスク・マネージメント(5)~暴力事態後のサポート
谷本 桂(信州大学医学部保健学科)
連載●
精神医療・病院の改革と病床削減(2)その政策転換を求めて
富田三樹生(多摩あおば病院)
連載●
老いのたわごと(42)~日本社会精神医学外史[その3]
渡辺栄市と博との対話[2]と北海道大学一派の往診活動
浜田 晋(はまだクリニック)
書評●
『発達障害は少年事件を引き起こさない~「関係の貧困」と「個人責任化」のゆくえ』高岡健著[明石書店刊]
山下耕平(NPOフォロー・事務局長)
紹介●
『Inside-Out』井上廣子著[有限会社フォイル刊]
高木俊介(たかぎクリニック、ACT-K)
書評●
『メランコリー~人生後半期の妄想性障害』濱田秀伯・古茶大樹編著、慶應義塾大学精神病理研究グループ著[弘文堂刊]
浅野弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル)
追悼●
藤沢君、ご苦労様でした
森山公夫(陽和病院・院長)
編集後記
朝日俊弘
『季刊精神医療』55号
『精神医療』編集委員会 編
B5 120ページ 並製
ISBN978-4-8265-0507-9 C3047
定価1700円+税
初版発行年月:2009年07月10日
書店発売日:2009年07月18日
出版元:批評社
〒113-0033 東京都文京区本郷 1-28-36鳳明ビル1F
TEL03-3813-6344 FAX03-3813-8990
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