茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

軽くない読書

2015-10-15 18:26:32 | 読書・映画
一気に読み終えてしまった二冊。

米澤穂信さんの「さよなら妖精」と「王とサーカス」です。

「さよなら妖精」は、10年前の作品で、もともとは「古典部」シリーズの第三作として書かれたものですが、内容的に想定の読者層からはずれるということで、書き直されて別の出版社から出されたもの。

ユーゴスラビアからやってきたマーヤという少女が、異邦人の目でみた日本の不思議を発見し、探偵役の少年がその謎を説いていく部分は、日本文化再発見ミステリーといった趣。

ただし、時代設定は1991年。
つまり、ユーゴスラビア紛争が勃発する直前。
マーヤは、ユーゴスラビアという作られたモザイク国家に、「ユーゴスラビア人」として「ユーゴスラビアの文化」を作る政治家になる夢を抱いている少女。
そのために、長い歴史の中で培われた日本の文化を知りたいと思っているのです。
彼女の好奇心によって開かれる日常の謎。
このあたりは、とても楽しく読めます。
けれども、この牧歌的な雰囲気の中で、さり気なくユーゴスラビアについても語られています。
その後のユーゴスラビアを知るものとしては、チクチク痛む伏線です。

登場人物たち同様、その当時の日本人にとって、ユーゴスラビアという国は地理的にも心理的にも遠い国でした。
私自身、チトー大統領の名前くらいは知っていましたが、どんな国だったかなんて、紛争後の報道でなんとなく知ったような気になっていたくらい。

マーヤは、紛争が始まったユーゴスラビアに帰国してしまい、主人公たちは、マーヤの安否を心配し、マーヤの帰ったふるさとがどの共和国だったのか、彼女の思い出をたどる中で推理していく、というのが、本筋のエピソード。
(日本文化発見は、思い出をたどる中で出てきます)

物語の中で、ユーゴスラビアの内戦が扱われているため、どうしても読後には喪失感と苦いものが残ります。
でも、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボでおきた悲劇は、今もまだ、形を変えながら続いている。

若い人には、ぜひ読んでもらいたいなと思う一冊です。


「王とサーカス」は、「さよらな妖精」の登場人物のひとり、太刀洗万智が主人公。
夏に刊行されたものです。
「さよらな妖精」とのつながりは全くありませんが、大事な友人を亡くした過去、何もできなかった無力感、という形でさらっと語られています。

ネパールを事前取材中に「ナラヤンヒティ王宮事件」に遭遇した主人公が、事件を取材する中で、報道とは何か、知ることは尊いのか、という問題に直面していく物語。
「対岸の火事は、この上もない娯楽だ」という言葉や、「報道によって、本当に状況が改善されるのか」といった問いかけが重く、ただのミステリーではありません。
こちらも、とても面白く読めた一冊。

でも、さすがに疲れたので、次は軽いのにします。
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「夏期限定トロピカルパフェ事件」

2015-10-01 16:18:05 | 読書・映画
「夏期限定トロピカルパフェ事件」を昨日の帰りの電車と今日の往復で読み終え、第三弾、「終期限定栗きんとん事件」に入りました。
「夏期限定トロピカルパフェ事件」は、途中から何となく事件の絡繰りが見えてきますが、面白く読めます。
「春期限定」と同じく、連作短編の形をとった(書き下ろし)長編小説。
主人公たちの高校2年の夏休みの出来事。
出てくるお菓子が美味しそうで、スイーツ好きにはたまりませんが、伏線がきれいにはられた、ちゃんとしたミステリーです。ライトだけと、侮れません。

これから読む「秋期限定」は上・下巻のボリューム。
さて、どんなスイーツがでてくるのかな?
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「春期限定イチゴタルト事件」米澤穂信

2015-09-30 09:30:08 | 読書・映画
「限定」に弱い私。
と言うわけではありませんが、秋の読書?は、米澤穂信から。
ライトノベルから推理小説まで書いちゃう作家さんですが、これは、「古典部シリーズ」に近いライトノベル。
シリーズ第一作で、ちょっと自意識過剰でややこしい主人公と、やっぱりわけありヒロインといった、ライトノベルの王道。
事件も、陰惨な殺人事件ではなく、学園生活の中の小さな出来事。
ヒロインがスイーツ好きというので、第二弾は、「夏期限定トロピカルパフェ事件」なんだそうです(未読)。
通勤の電車で、サクサク読みました。
二人には、なにやら、中学時代に苦い過去があって、そのために「虎狼の心」を封印して、「小市民」としていきているんだけど、なかなか本性を隠しきれない、というところで本作は終了。
何があったのかねえ、ということで、このあと、「夏期限定トロピカルパフェ」にはいります。
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夏の読書(ラスト)

2015-08-28 16:38:36 | 読書・映画
来年の大河の予習に、「豊臣秀吉と大阪城」とか「真田幸村と真田丸」などを読んだのですが、感想を書くような本ではないので、それらはパス。

ちょっと面白いラノベを発見したので、そちらを紹介します。

「下町和菓子栗丸堂」(似鳥航一)
表紙はいかにもなラノベ。
中味は、和菓子の蘊蓄たっぷりのライトミステリー。
ミステリーといっても、殺人事件とかそういうのではなく、お菓子をめぐる謎解きだから、和菓子の蘊蓄ノベル?
例えば「ぼた餅」は秋に食べると「お萩」で、冬に食べると「北窓」。
夏だと「夜船」、という蘊蓄がたっぷり。
蘊蓄自体もそんなにすごいものではなくて、すでによく知られていることだったりするのですが、最近は、和菓子がちょっとしたブームなので、流れにのっていますね。
シリーズもので、3冊目まで読みました。

もう一つは、動物行動学もの。
鳥取環境大学の森の人間動物行動学シリーズ?の一冊。
「先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!」
こちらは、ブログを元にした肩の凝らない軽い読み物です。
興味をひくタイトルで、こちらもシリーズになっていて、がっちりした小説や専門的な書籍よりも、こういう軽い読み物の方が、今の時代の要求にあっているのでしょうね。
お気軽に読めます。

この夏の読書も、そろそろ最後かな?
けっこう読みました。
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夏の読書4

2015-08-12 13:36:03 | 読書・映画
掟上今日子の推薦文  西尾維新

 忘却探偵シリーズの第二弾。
 <物語>シリーズは面白いんだけど、思春期男子の妄想が面倒くさいのですが、こちらのシリーズは、妄想がほとんどないので読みやすいです。
ライト・ミステリー(そんなジャンルあるの?)なので、気軽にサクサク読めます。


七夕の雨闇    高田祟史

 高田祟史の「毒草師」シリーズの最新作。
 微妙にQEDシリーズと絡んでいます。
 七夕とは何か?という、お得意の蘊蓄と殺人事件。


風の中の櫻香  内田康夫

浅見光彦シリーズの一冊。
浅見光彦シリーズは、初期の「○○殺人事件」の頃はよく読んでいました。
というか、ほとんど全部読んでいました。
旅情ミステリーというジャンルを切り開いたレジェンドですよね。
ただ、社会正義臭さが鼻につくようになっていやになり、最近はほとんど読んでいませんでした。
そういえば、ドラマも最近は見てません。
だから、久々の浅見光彦。
表紙の中宮寺の弥勒菩薩の写真にひかれて読みました。
遷都1300年の奈良の尼寺が舞台。
なんともいえないマンネリ感が魅力なのかもしれません。



 
 
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夏の読書3

2015-08-04 13:27:52 | 読書・映画
「白蓮れんれん」 林真理子

 「花子とアン」のときに、読みたいと思っていたのですが、今頃になって読みました。
 白蓮と龍介の実際の往復書簡をもとにしたこの小説の白蓮は、「花子とアン」の「蓮さま」とは別の顔をみせます。
 とてもおもしろく読めました。
 ただ、この小説を読む限りでは、白蓮の結婚生活がものすごい不幸だったとは思えないのですよねえ。
 義娘や義妹とも大きな軋轢があったわけでもないし、妻妾同居といっても、女中頭のサキ以外は、自分で選んであてがった女性でしょ?
 先日読んだ「異邦人」と同じく、ヒロインに感情移入できない小説なのですが、白蓮に憧れつつも、批判的な目で見つめる義妹の初枝の視点があるので救われました。
 今度は、九条武子についての本でも読んでみようかと思いました。

「神の時空 三輪の山祇」 高田崇史

 QEDシリーズ以来、新刊が出ると必ず読んでいる数少ない作家です。
 最近はさすがにマンネリっぽいところもあるのですが、なんとなく読んでしまいます。
 今回は三輪山のご神体についての蘊蓄が語られます。
 歴史ミステリーというか、怨霊ミステリーだから、夏の読書のテーマにもぎりぎりセーフ?


 
 
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夏の読書2

2015-07-29 10:01:58 | 読書・映画
毎年、なんとなくテーマを決めて勉強しているのですが、今年は「にわか歴女」に挑戦です。

「ドゴール 偉大さへの意志」(山川 世界史リブレット) 渡辺和行

ナチ占領下のフランスから脱出し、BBCを通じてレジスタンスを呼びかけたフランスの英雄というイメージですが、いろんな顔を持つ政治家でもあったのですね。
1914年から44年の戦争の30年間を軍人として、1944年から73年の繁栄の30年間を政治家として生き、ひたすらフランスの偉大さを回復させようとしたナショナリスト。
偉大な政治家ではあるけれど、手放しで賞賛できないのは、その強烈すぎるナショナリズムのせいかな?
少し難しくて、大変でした。

「異邦人(いりびと)」原田マハ

この人の作品は、山本周五郎賞をとった「楽園のカンバス」と、映画化された「でーれーガールズ」を読んでいます。
文章が読みやすく、頭にすっと情景が浮かんでくる作家さんです。
「ドゴール」でうんうん唸った後、一日で読みました。
「異邦人」は、京都が舞台となっていて、日本画壇や美術館・画商たちの姿を物語ってくれます。
祇園祭の宵山に行われる「屏風祭」が、物語のなかで重要な意味をもっています。
「橋弁慶山」の町内というと、あのあたり?と、京都の街並みを懐かしく思い出しました。
ところが残念なことに、主人公の女性に全くかわいらしさがなくて、全然好きになれない!
ただのワガママで世間知らずの金持ちのお姉ちゃん、としか思えないんですよね。
貧乏人のひがみ根性かもしれませんが、それでいて神のような審美眼の持ち主とかいわれてもねえ。
それが、一番の欠点かな?

とりあえず、2冊ぶん。
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夏の読書

2015-07-24 14:12:17 | 読書・映画
夏休みに突入です!
いっぱい本読むぞ!と、図書館や公民館の図書室でたくさん本を借りて読んでいます。

『リバース』湊かなえ
 これまでの作品と違って、語り手は一人。
 その語り手が、死んだ友人の本当の姿を探していく物語。
 するっと読めました。
 あら、後味悪くない、と思っていたら、なんとなく予測はできましたが、最後にやっぱりね。
 イヤミスでした。
 でも、蜂蜜たっぷりのトーストとおいしいコーヒーが欲しくなります。
 ところで、そばの花の蜜って、そばアレルギーの原因になるの?

『絶望名人カフカの人生論』
 カフカを日本で最初に翻訳したのは、中島敦。
 『山月記』に出てきた李徴の嘆きそのままの名言も出てきます。
 さくっと読めます。

『神話の里殺人事件』 西村京太郎
 新幹線に乗るときに買って、降りるときに捨ててくるタイプの本。
 十津川シリーズの一作ですが、これは、ちょっと酷い。
 だって、同じ推理が2回も3回も繰り返されて、挙句の果てに「時間はかかるが、必ず証明して、犯人(推理は終わっている)を逮捕します。」って、何?
 あのさあ、証拠がないんじゃ、解決してないでしょ?
 いやあ、すごいものを読んでしまった。
 しかも、やたら読点だらけの悪文です。
 でも、この、読点だらけって、電車なんかで、読むには、気にならないんですよね。
 むしろ、二段組みの、新書では、ほどよい、スペース感覚で、読みやすい。
 そこまで考えた文体なら、すごいかも。

ざっと3冊読み終えました。

『忘れられた巨人』については、じっくりのちほど。


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癒されます

2015-07-15 18:22:21 | 読書・映画
いやなことばかりです。

最近の癒やしアイテムは、動物の写真集。

「北の国のシマリス」という、小さな写真集がお気に入り。
(図書館で借りました)
ちょっと、めんどくさい仕事がたてこんでいたので、頭と目がつかれたあとに、眺めてニコニコしています。

茶々子ちゃん、は、癒やしんぼだけど、ストレスの原因にもなっちゃうもんだから。

写真集って、実害がないから、ほんと、癒されます。
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オリガ・モリソヴナの反語法

2015-05-21 18:41:04 | 読書・映画
ご飯が炊けるまでのひまつぶしで読み始めたのに、がっつり読んでしまい、お持ち帰りの仕事もほとんど手つかずのまま、通勤のバスと電車の中でもずっと読んでいました。
以前、同じ作者の「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を読み、次はこれを読もうと思っていたのですが、なんとなく読みそびれていました。
(そのかわり、エッセイなどはけっこう読みました。)
公民館の図書室で見つけて借りてきた本です。

1960年代に出会った、プラハのソビエト学校の強烈なダンス教師、オリガ・モリソヴナの人生の謎を、ペレストロイカ後の1990年代のソビエトで、主人公がつきとめていく小説です。
そういう意味では、「嘘つきアーニャ」とよく似ていますが、「アーニャ」はノンフィクションで、こちらはフィクション。
スターリン時代の大粛正が背景にあるので、辛くて重たい内容なのですが、ユーモアも交えた語り口にぐいぐいひきこまれていきます。
読後感は、ぐったり。
でも、読んでおかなきゃいけない小説だったと思いました。

さてさて、私が子供だった頃。
鉄のカーテンの向こうのソビエトの真実なんて、知ることはなかったし、知る術もなかったのではないだろうか?
バレエ漫画に描かれたソビエトは、文化や芸術に理解ある、洗練された社会主義国家のようだった。
アメリカに亡命するエピソードはあったけど、それはあくまで表現の自由を求めるため。
ソルジェニーツィンの「収容所群島」が話題になったけど、それを読むことなんて、考えたこともなかった。
コルホーズ・ソフォーズなんて言葉を覚えて、ソビエトという国を知ったつもりだったのだと思うと、なんだか情けない。
(地理の試験で、ソビエトに隣接する国を西から書けという問題が出たけど、全然答えられなかった。今でも答えられないな、きっと。)

もっと、ちゃんと、いろんなことを考えなきゃ駄目だなあ。
久々に、自分がいかに不勉強であったかを実感させられた本でもありました。

さあ、頑張って、持ち帰りの仕事やらなきゃ。
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ST

2015-03-10 20:23:29 | 読書・映画
お兄ちゃんと、気分転換に映画を見に行ってきました。
今日は、109シネマズは、大人1100円のサービス・デー。
しかも、ちょうどポイントが6つ貯まっていたので、一人分はただ。
気になってはいたけど、あまり期待していなかったSTも、今週でおしまいだというので行ってきました。
TVと連動した映画って、イマイチのことも多く、正直そんなに期待していなかったのですが、おもしろかったです。
48時間というタイム・リミットがあるので、とても展開がスピーディー。
ドラマを見ていない観客を期待していない不親切な作り方が成功してるのだと思いました。
お兄ちゃんが、DVD出たら買うといっているので、楽しみに待ちましょう。
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がっつり、映画

2015-02-02 19:22:17 | 読書・映画
CSの日本映画専門チャンネル。
今月、けっこういいのやってますね!
さっきまで「櫻の園」やってました。
大コケしたリメイク版ではなく、オリジナルのもの。
この、何ともいえない女子校の雰囲気、好きです。
リメイク版もやるみたいです。
こわいけど、見比べてみますか?

今は、「きょうのできごと」やってます。
これも、すごく好きな映画。
高校生だったお兄ちゃんと、渋谷まで初日の舞台挨拶を見に行きました。
残念なことに、妻夫木君は来なかったのですが、当時、お兄ちゃんは池脇千鶴のファンだったので、十分満足したみたいでした。
これも、不思議な空気感の漂う映画です。
DVDはちゃんと持っているんですけど、ほとんど見ていなかったので、懐かしいです。
原作者の柴崎友香さんは、「春の庭」で前回、芥川賞をとりましたね。
なんだかまったりした時間が流れてます。
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トラッシュ!この街が輝く日まで

2015-01-14 09:40:54 | 読書・映画
感想が、遅くなりました。

「トラツシュ!」は、久々のミニシアター系の映画。
「みゆき座」は、トーホー系列のそれなりに大きな劇場だし、この映画自体も日本では東宝東和が配給しているから、本当の意味でのミニシアター系とはいえないかもしれません。
でも、内容的には万人受けする映画ではないし、監督・脚本が豪華とはいえ、誰もが知っているかというと微妙な線だし、上映館数も少ないから、やっぱりミニシアター系かなと。

私はこの映画、好きです。
好きだけど、無条件に面白かったよ!と勧められるかというと、むつかしい。
(そこがミニシアター系)

シリアスでドキュメンタリーっぽい造りなのかと思わせながら、シニカルなユーモアが漂っているし、なんか、ファンタジーだし。
ラテンアメリカの貧困と不正に立ち向かう少年たちの感動作、と思って意気込んで観ると、思いっきり肩すかしをくらいます。
冒頭がかなりショッキングだから、わっと映画にひきこまれていきますが、途中で、あれ?なんか変?みたいになって、もちろん、感動的なシーンや台詞もあるんだけど、最後は、これ?みたいな。
ただ、見終わった後、心に何かが引っかかる作品。

私が印象的に感じたのは、不正に加担している警官の日常が垣間見えた場面。
ありふれたダイニング・キッチン。
奥さんが料理を作り、娘はダイニング・テーブルの上で宿題をしているシーン。
どうでもいい場面なのかもしれないけれど、この小さなカットで、この悪徳警官を憎めなくなるのです。

なんか、わからない感想ですね。
すみません。

昨日の夜、お兄ちゃんと「ホビット」を観たのですが、こちらは、まさしく娯楽作品。
マイマックスの効果を活かした迫力満点の戦闘シーンとか、ワクワクドキドキする展開とか、ツボを押さえた作品。
ああ、面白かったね!と、素直に言えます。
スッキリ、さわやか、しみじみしても、心にトゲは残りません。

「トラツシュ!」、「ホビット」って、2日続けて全く違う映画を見たせいで、いろいろ考えることができました。
こういう取り合わせ、たまにはいいかも。
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冬の読書

2015-01-09 18:55:15 | 読書・映画
この年末年始、けっこう本を読みました。

和菓子のレシピ本を二冊。
これは、読書とは言えませんか。
今度作ったら、ご紹介します。

「十二単衣を着た悪魔~源氏物語異聞」内舘牧子
これは、弘徽殿の女御目線で書かれた「源氏物語」です。
現代のフリーター男子が「源氏物語」の世界にワープして、「源氏物語」のあらすじ本と薬を武器に「陰陽師」として弘徽殿の女御に仕えるという小説。
よくあるタイムスリップものですが、現代的な視点から、悪役の弘徽殿を、ただの意地悪なおばさん扱いしていないのがミソ。
けっこう面白く読めました。

「物語のおわり」湊かなえ
イヤミスの女王、湊かなえらしくない作品です。
「空のかなた」という小説が、人から人へと渡り、それぞれが自分の生き方を考え直すお話。
ミステリーなのかどうかも不明です。
イヤーな気分にはなりませんが、後味スッキリとはいえないという、不思議なお話。

「魔法使いと刑事たちの夏」東川篤哉
これは、暇つぶし。

「私がいなかった町で」柴崎友香
映画にもなった「きょうのできごと」や、芥川賞を取った「春の庭」がとても好きなので借りたのですが、こちらはちょっと歯ごたえがありました。
でも、小説を読んだ!という気分になります。

「暦と時間の歴史」正宗聡
題名どおりです。
年末年始だから、タイムリーでしょ?

「鴨川食堂」柏井壽
京都が舞台の味の探偵話。
懐かしい思い出の味を探すというお話ですが、出てくる料理が美味しそうで、お腹がすいてきます。

けっこう頑張って読んだでしょ?
暇だったともいう。

さて、今読んでいるのはコンラッドの「闇の奥」です。
「地獄の黙示録」のもとになった作品。
これ、高校のリーダーの教科書(vista)に載ってましたよね!
なんだか懐かしくて、借りました。
高校のリーダーの教科書で一番印象的だったのは、夏休みの宿題になったブラッドべりーの「霧笛」ですが、首狩り族かなんかの挿し絵が強烈だったこの作品も印象的でした。
そういえば、推理小説みたいな作品もありましたよね。
当時は、訳すのが精一杯で、味わうなんてできなかったから、じっくり読んでみたいと思います。
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ホビット 決戦のゆくえ

2014-12-17 19:11:28 | 読書・映画
ホビット三部作、ついに完結です。
三部作の中では、一番面白いと思いました。

あっという間にスマウグ(竜)が退治されちゃうのがちょっと残念だったのですが、その後の人間(ドワーフ)ドラマとか、戦闘シーンなど、お楽しみはいっぱいです。
私はちょっとお高いけど、せっかくだからアイマックス(3D)で見ました。
戦闘シーンはやっぱり迫力あります。

それから、すごくテンポがよくて、あまり長さを感じませんでした。
長く感じたのは、エンディングくらいかな?

それにしても、黄金に心を奪われていくトーリンを何とか助けようとするビルボって、ほんと、いい奴ですよね。
変人ホームズを見捨てないワトソン君に通じるものを感じました。

ところで、あの、ドングリの実は、ちゃんと植えたのかな?
すごく気になったので、「ロード・オブ・ザ・リング」の公式ガイドブックを引っ張り出して、フロドの家(ビルボの家)の写真をさがしたのですが、よくわからないのですよね。
DVDを引っ張り出してみるしかないかな?

ちょっと無理やりっぽけど、あれやこれや、「ロード・オブ・ザ・リング」へのつながりみたいなものも感じられます。
白のサルマンはまだ味方なんだけど、ちょっと胡散臭いし。

これでおしまいかと思うと、ほんと、さびしいです。
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