プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

ハドリ

2016-07-08 21:03:46 | 日記
1962年

南海入りする元ヤンキースのケント・ハドレー選手(26)=1㍍90、88・4㌔、左投左打=は二十八日午後六時三十四分羽田着のPAA機でマリー夫人、長男カーク君(二つ)長女リーンちゃん(四つ)とともに来日した。岩瀬常務のほか南海球団職員の出迎えを受け、空港で記者会見のあと東京銀座東の宿舎東急ホテルにはいった。栗色の髪でスラッとしたからだのハドレーは「昨年のオールスターをテレビでみたが、1955年に来日(南加大の一塁手として)したときにくらべ日本のプロ野球は段違いに進歩している。自分としてはベストをつくしてプレーしたい。目標は打率二割八分以上だ。南海というチームはよく知らない。スタンカは名前は知っているが、実際に話したことはない。マクマナスとは対戦したことがある。来日する前は軽いランニング程度の練習しかやっていないが、からだの調子もいいし、二、三日でゲームに出られる」と語った。なお同選手は二十九日午前十一時四十五分羽田発の日航機で大阪入りする。

ハドレーは1956年テレハウテ(B級)をふりだしにプロ入り、オーガスタ(A級)シラキユーズ(2A級)とマイナーをへたのち58年アスレチックス(ア・リーグ)にあがり大リーガーとなった。この年は三試合にしか出場していない。59年は82試合で2割5分8厘をマークしている。60年ヤンキースに移籍、一度リッチモンド(3A級)に落ち、昨年はPCLのサンジエゴにトレードされ、二割三分三厘、本塁打11本、六、七月は右腰故障で欠場。

鶴岡監督「ハドレーは一塁と外野をやっていたが、ウチのメンバーからみて外野に使うつもりだ。平和台の対西鉄戦(5月1日)から出場させる」
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大石正彦

2016-07-08 17:55:46 | 日記
1954年

去る八月二十七日、難波球場における巨人対松竹のナイター(このとき巨人の勝率663に対して中日は667、この日は中日の試合なし)は巨人勝って中日と同率首位に立つ好機それまでの対戦成績も巨人の17勝4敗1分であったから当然巨人の有利は成るものと見られたのに、なんと4-2で松竹が勝ち。天下のファンが驚いてしまった。しかも投手は権藤でなく大石で、巨人の安打四本、四回南村が内野安打に出たのをとどめとして九回まで無安打で三振10と聞いて二度びっくり、あの小柄の新人投手のどこにそんな威力があるのか話題になったものである。大石は十八歳、五尺六寸、十七貫三百、がっちりした体格、甲府商高で三年間投手をして今春松竹入りしたのだから硬球投手として四年目という球歴。プロ球界でいえばまだずぶのしろうと投手、それでいて対巨人戦までに出場二十五試合(うち先発九試合、完投七試合)で3勝11敗(十八日現在は4勝13敗)の成績をみてわかるように権藤についで数多い登板は松竹のホープと買われている実証である。投法は上手投げ、横手投げ、下手投げの三種類で一番多いのが下手投げで次が横手、一番少ないのが上手投げになっている。下手投げで投げているのがシュート(横手投げでも投げている)とシンカーとカーブ、横手投げではシュートと速球(内角へのシュート、外角へのクロス・ファイア)そして上手投げでカーブとなかなか多彩な球質を操作している。そして下手投げのカーブは大きく曲がる球質、上手投げのカーブは特異のもので小さくまがるカーブ(スライダーに似たところもある)これを巧く使い分けている。ウィニング・ショットはシュートとシンカー、腰がよく入っているし体重があるのでなかなか球が速い。そこでシュートもシンカーも生きているのが大石の特長、これでコントロールがよければちょっと打ちくずせないピッチング、対巨人の日であったに違いない。しかし球は生きているが、なんといってもプロ一年生、大きな舞台もふんでいないし経験が浅い。ともすると一人角力をとったり力みすぎて損をしている。これからは打者の研究、走者に対する処理、タイミングの問題、そして投手守備、これだけを身につける必要がある。目標を長谷川投手においているらしいが、これはいいねらいであると思う。なんといっても阪神の山中とともに最年少投手、急ぐことはない。小器用な投手にならず球速をつけ球威を資本にする投手になってほしい。松竹の打力も強くなって勝星をあげる援護をしてくれるだろう。

大石投手の話 サイドハンド気味の横手投げが6、スリー・クォーターが4の割合で投げシュート、シンカー、カーブのうちではカーブをいちばん多く投げています。そうしたクセのある変化球はストレート(直球)を三つ投げるとき一球くらいまじえるとかなり効き目があるように思います。カーブは外角低目をねらいますが、2-0とか2-1というカウントのいいときは大きく曲がってストライク・ゾーンから逃げるのを投げ、そのあとコーナーいっぱいに入る小さく鋭いのを使っています。外角低目の速球は自分でもかなりスピードがあると思いますが、のびのあるときはいいが、疲れてのびがなくなるとコントロールが乱れてインコースに入って打たれてしまいます。巨人戦のときはシュートがかなりよくきまったので苦しくありませんでした。スピードは身体にウエイト(17貫余)があるのでこれからも速球には自信がもてそうです。ただ投手守備は「Bの下}といわれるだけあって投げるのに精いっぱいで、この点余裕はいまありません、カープの長谷川投手の打者に打ち気のないときド真ん中に直球を投げこむ度胸のよさと打者とのカケヒキはぜひ学びとりたいと思います。
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