連休明けて初めての週末の方もいれば、ずっと連休が続いている方もいるのではないでしょうか・・・。
図1.新聞やテレビなどで見られる地上天気図
図1は新聞やテレビなどで見られる地上天気図の模式図です。天気図の基本的な知識については中学校の理科でも履修しますが、バラエティーに富む知識を短期集中で学ぶため、消化不良でそのまま苦手意識を持ってしまう生徒さんも少なくないようです。今回はこのような地上天気図の見方を振り返ってみましょう。
図2.新聞やテレビなどで見られる地上天気図(説明を付記)
地上天気図には様々な情報が記入されています。ここでは等圧線、高気圧、低気圧、前線に着目してみましょう。
図3.等圧線
まずは等圧線を描いてみました。これは海面上(0m)で気圧が等しい所を結んでいったものです。気圧の等高線と考えるとわかりやすいでしょう。
図4.空気にも重さがある
そもそも気圧とは何か、について考えてみましょう。普段の生活では意識していませんが空気にも重さがあります。熱力学でも状態方程式(PV=mRT)が出てきますね。この空気の重さ(m)が気圧として現れるのです。冷たい空気は重くなる一方、暖かい空気は軽くなります。
図5.頭上の空気の総重量
図5のイメージにように、私達は常に頭上の大気の重さを受けているのです。この重さによって生じる圧力が気圧です。この気圧が高い所が高気圧、低い所が低気圧と呼ばれるのです。
図6.高気圧と低気圧
高気圧と低気圧を天気図で見ると、図6のような感じです。空気は気圧の高い所から、より気圧の低い所に向かって押し出されます。このために生じる空気の流れが風です。
図7.高気圧と低気圧に伴う地上風
そして、高気圧と低気圧は図7のような渦となります。気圧分布が図7のように同心円状の場合は中心から放射状に流れ出したり、周囲から中心にまっすぐ流れ込みそうなものですが・・・実際には、時計回りや反時計回りに傾いています。これは、地球の自転の影響に伴って生じるコリオリの力を受けるためです。
図8.高気圧と低気圧の立体構造
高気圧と低気圧の立体構造のイメージを図8に示しました。地上の低気圧の中心に向かって周囲から風が流れ込みます。集まった空気は逃げ場を失うため、そのまま鉛直上方へと移動し、次第に上昇気流が形成されていきます。この上昇気流に乗って昇って行くにつれて、(周囲の気圧が下がるため)空気が膨張し、その含まれている水蒸気が凝結するため、雲が形成されていきます。
その一方、上空からの空気が降りて下降気流となる部分では、空気の流れが上から押さえつける形になるために大気圧が強化されるのに伴って、高気圧が形成され、この中心から周囲に風が吹き出していきます。
図9.前線を描き加える
続いては図9のような、前線です。前線の近くでは天気は下り坂になります。
図10.寒気と暖気のぶつかり合い
前線の構造を図10に描いてみました。南から北上する暖気と、北から南下する寒気がぶつかり合う接触面を前線面と言います。そして、前線面が地上に達してできた線上の領域を前線と言います。暖気は軽く寒気は重いので、暖気が前線面に沿って寒気の上に登ろうとします。これに伴って前線付近には上昇気流が発生し、これが雲を生み出していきます。
図11.実際の温帯低気圧の三次元構造
実際の温帯低気圧は図11のような構造を持っています。転移層(前線面)の手前に向かって暖気が流れ込む一方、背後には寒気が流れ込んできます。前線面の前方(南東側)では南方から暖かい流れが前線面に流れ込みながら上昇する一方、前線面の後方(西側)では北西方から冷たい流れが前線面に流れ込みながら下降しています。
一枚の天気図から、このような立体構造のイメージに想いを馳せるわけですね・・・。
(追記)
さらに詳しい解説は「地上天気図の見方・ポイント解説」「高層天気図の見方・ポイント解説」をどうぞ。
ありがとうございますm(- -)m
ご参考にさせて頂きます。
わかりやすくて参考になりました。
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