2009年3月22日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。
Esa-Pekka Salonen: Conductor
Mitsuko Uchida: Piano
Christian Tetzlaff: Violin
Berg: Piano Sonata. Op.1
Berg: Kammerkonzert
Mahler: Symphony No.9
Esa-Pekka Salonen指揮のCity of Dreams Vienna 1900-1935と題したシリーズ物の1つ。
アルバン・ベルクのKammerkonzertは初めて聴いたけれど、曲も、またパフォーマンスも、とても面白かった。
ピアノ1、ヴァイオリン1、管楽器群で演奏されるこの曲に、ヴァイオリン用と思われる譜面台が2つ用意されていた。この曲もサロネンが指揮をしたけれど、別に居なくてもいいのかなぁ、なんて思っていたのだけれど、Violinの譜めくりに必要だったことが判明(勿論冗談)。
最初Tatzlaffは指揮者に近い譜面台の横に立って演奏をしていた。途中、彼は突然もう一つの譜面台へ移動、ヴァイオリンソナタのような演奏形態になった。
この間にサロネンが、指揮台の近くの譜面台にのっていたViolin用の譜面をめくって、後に戻ってくるTetzlaffのために準備をするのであった。
内田のパフォーマンスもすごい。かなり前衛用なのである。左手が後ろへ飛んだり、右足が左足の前の方へキックされたり。管楽器ももう少しこの内田のノリについていってあげないと。。。
彼女は12歳でウィーンに移り住んで青春時代をそこで過ごしているだけあって、このシリーズにはうってつけのピアニストなのだろう。彼女にとっては、パリではなく、ウィーンが「移動祝祭日」なのだろうか?ちなみに、この演奏会シリーズのプログラムは、3.5ポンドだが、20世紀初頭のウィーン芸術(含む、学問)についての解説が見事である。
後半はマーラー。ベートーベンのように交響曲を9曲作曲したところで寿命が尽きることを嫌って、大地の歌に「第9番」とつけず、この曲に「第9番」をつけたことは有名。で、結局第10番を作曲し終える前に亡くなってしまう。いっそうのこと、この曲にも番号を振らなければ良かったのに。。。人生を回想するかのような曲である(実際に自作曲、その他の引用が多いので、余計にそんな風に聴こえる)。
チャイコフスキーの第六番と同様、第三楽章が派手に終わるので、ここでブラボー屋さんから拍手が飛び出す。ちょっと待って、この曲は「死に絶えるように」終わる曲だから。。。