当初シモンボリバルユースオーケストラのロンドン公演チケットがどうやっても取れそうになかったので、週末にあたるリスボン公演を予約していた。
演奏会開演は21時。20時頃会場(と思しき場所!!)に到着。周囲は雑然とした繁華街。
チケット予約確認票はポルトガル語だし、21時開演なんて、遅すぎる気もするし、とにかく紙のチケットを手にするまでは安心できない。
会場もクラシックの演奏会場というよりは映画館で不安は募る。
横断幕を見て、漸くここでよいのだと納得する。
開演までの間付近を散策。シモンボリバルユースオーケストラ(SBYOV)のメンバーが土産物屋を物色している(まだあどけなさの残る20歳前後の若者が上下黒のスーツに黒ネクタイではかなり目立つ)。演奏会前、という雰囲気ではない。
会場前では「チケット求む」と書いてある(と思われる-ポルトガル語は本当に分からない)カードを掲げている人も居る。ここでも大変な人気のようだ。
しかし、演奏会場は、舞台こそ木の反響版があるとはいえ、
客席はサーカス小屋に毛が生えた程度。
それでも、社交界、クラシックファンと思しきご高齢の方々、SBYOVのファンと思しき若者たちで大変な賑わいだ。
予定を15分ほど遅れて開演。ラテンの国だし。外は雨が降り出しているし(?)。
メンバーが入場するところですでに「ブラボー」が飛び出している。ラテンの国だし。
プログラムはロンドン18日と同じ。前半がラテン音楽、後半がストラビンスキー『春の祭典』。ロンドンの演奏会とはまったく違う席なので単純に比較はできないが、前半はオケがドゥダメルの指揮に、ビシッ、ビシッと合っていてとても良かったと思う、が、ドゥダメルは1曲目が終わったとき余り浮かない表情だった。2曲目のために戻ってきたときは笑顔が戻っていたけれど。
14日にSBYOVをはじめて聞いて以来ずっと思っているが、ビオラのトップは本当に上手い。チェロのように芳醇な音を出す。この日のソロも素晴らしかった(一度楽器を貸して欲しいんだけれど-そういう問題じゃない?)。
後半の『春の祭典』、正直出だしでつまずいたと思う。一人ひとりの果たす役割が絶大・絶対である管楽器は本当に辛い。
第二部のいけにえの踊り、いつもテンポは異様に速いが、この日はロンドンでの演奏に輪をかけて速い気がした。この曲の早弾きでギネスブックに載りたいのか?と思うほど。その速さの必然性が理解できなかった。
アンコールはいつもどおり2曲。
2曲目、マランボの途中から恒例のCap & jacket投げが始まって会場騒然。最前列の特権で特に何もせずセットでゲット。両隣も手に入れていた。
ドゥダメルの公式HPによれば、これで今回のSBYOVのヨーロッパ公演は閉幕となる(リスボン以降にSBYOVを指揮する予定が記載されていない)。最後、ドゥダメルは指揮棒をメンバーの一人に与え、彼を指揮台に送っていた。もしや、これでドゥダメルがSBYOVを振るのは最後??