開成四年（839年.承和六年）

水害や蝗害がつづき、文宗はすっかり自信を失い、ただ節倹に努めていたが、健康状態は悪化していった。
三月元老裴度が亡くなった。度は高名で清廉であったが特段の能力はなかった。
十月陳王を皇太子とした。

開成三年（838年.承和五年）

正月宰相李石が盗賊に襲われ負傷した。これは宰相の権威を保とうとする石を憎んだ宦官仇士良のしわざであった。
文宗はあわてて石を荊南節度使として出し、安全を確保させたが、仇士良をどうすることもできなかった。
九月皇太子の不行跡が露見し、周囲の近臣が譴責された。しかし太子は反省せず十月変死した。
同じく九月自立していた義武節度使張璠が死に、子の元は自立を図ったが果たせず、朝廷は義武軍を回収することができた。