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怒りに身を任せ続けるには人生は短すぎる・・・映画「アメリカン・ヒストリーX」

2021-05-19 15:29:52 | 日記
 本日ご紹介の映画は、当時は問題作なんて言われておりましたが、今改めて鑑賞して名作だと感じるほど心に深く刻まれた映画です。
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白人至上主義集団のカリスマ的リーダーとなった兄と彼を崇める弟がたどる心の軌跡を描く問題作。
*上映時間  :::   119分
*日本公開日 ・・・  2000年2月19日
*監督    ・・・  トニー・ケイ 
キャスト
・デレク・ヴィンヤード ・・・ エドワード・ノートン
消防士の父が黒人の売人から射殺された事をきっかけに、ネオナチ集団D.O.Cのボス、キャメロンに育てられネオナチ集団D.O.Cのカリスマ的存在までのし上がった男。
・ダニー・ヴィンヤード ・・・ エドワード・ファーロング
デレクを崇拝しているデレクの弟。
・ドリス・ヴィンヤード ・・・ ビヴァリー・ダンジェロ
デレクの母親。
・ダヴィーナ ・ヴィンヤード ・・・ ジェニファー・リーン
デレクの妹。デレクやダニーと違い学校でも成績優秀で母を助けている。
・デニス・ヴィンヤード ・・・ ウィリアム・ラス
地元で優秀な消防士でデレクたちの父親。黒人の家を消火中にドラッグディーラーに射殺されてしまう。
・セス・ライアン ・・・ イーサン・サプリー
キャメロンとデレクの友人でネオナチ集団D.O.Cのメンバー。
・ステイシー ・・・ フェアルザ・バルク
ネオナチ集団D.O.Cのメンバーでデレクの恋人。
・ボブ・スウィーニー ・・・ エイヴリー・ブルックス
デレクの恩師でダニーの通う高校の校長。
・マーレイ ・・・ エリオット・グールド
ダニーの通う高校の歴史教師でドリスの元恋人。
・ラモント ・・・ ガイ・トリー
デレクが刑務所で出会った窃盗の罪で服役中の黒人男性。
・キャメロン・アレクサンダー ・・・ ステイシー・キーチ
デレクたちが暮らすベニス・ビーチを仕切っているネオナチ集団D.O.Cのボス。
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<あらすじ>
白人至上主義集団のカリスマ的リーダーで自宅を襲った2人の黒人の故殺罪で服役していたデレクが出所した。その日、彼を崇めて自らもスキンヘッドにした高校生ダニーは、黒人のスウィーニー校長から呼び出され、兄弟をテーマに作文を書けと命じられる。父が黒人ドラッグディーラーに殺されたのがきっかけで、優等生だったデレクは白人至上主義集団に入り、地元のスキンヘッズのヒーローとなっていた。
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 白人至上主義に傾倒する白人の兄弟を通して、アメリカが抱える人種問題・貧富の差を描いた物語。問題作‼と文字が各サイトに書かれておりますが、20年以上過ぎた今鑑賞すると決して問題作ではなく、すべての人々に見てほしいと感じた非常に素晴らしい映画です。

 確かに前半はひどいものです。父を黒人ディーラーに殺された事がきっかけで有色人種を恨み、有色人種や移民たちに対してお金を投じる社会に対しての怒りが彼らをドンドン加速させていく、後に尊敬していた父の形見だった車を黒人3人組に盗まれたことでさらに怒りが爆発し殺害し警察官に取り囲まれた際に見せた「ざまあみろ!」と言わんばかりの笑顔のデレクに背筋がゾッとしたほどだった。

 時は流れ3年後出所したデレクはまるっきり別人格で帰ってきた‼いったい彼に何があったのか?
ダニーがスウィーニー校長から「兄弟」についてのレポートを提出するように指示されそのレポートに合わせて現在と過去が交差して描かれていく。この映画でわかりやすいのは、現在はカラーで過去はモノクロで描かれている事。

 そして数々の心に響く名言もこの映画では語られる。
特に心に深く刻まれた一言は、
我々は敵ではなく友人である。敵になってはならない。激情に流されて、愛の絆を断ち切ってはならない。仲良き時代の記憶をたぐれば、良き友になれる日は再びやってくる」 

 怒りに身を任せ誤った道を進んでしまった兄弟がその過ちに気付き更生する姿を描いております。人間である以上感情に左右されることはもちろんありますがそれを己でどのように処理していくかで自身の人生が豊かになっていく!
喜怒哀楽とは平等に付き合っていかなければならない‼怒りだけ哀れだけが多い人生は決して心は豊かになれない。。。そう教わった気がする。

 ※ネタバレ含みますのでこれから鑑賞予定の方はどうぞご注意ください‼

 兄が服役中にダニーがまいた喧嘩が発端で兄弟に明るい陽射しが見えた瞬間にダニーは喧嘩相手だった黒人青年により殺されます。
殺されたダニーを抱きしめるデレクの姿で物語は終了しその後のデレクの姿は描かれないまま物語は幕を閉じます。これは鑑賞側の判断にゆだねます♪ってことだと思うので、主観としてですが・・・デレクは再び同じ道に戻るのではなく、自分の罪と生涯向き合って生きていくのではないか?と感じました。
 主人公が有色人種と気軽に話をするまでに時間がかかったのと一緒で、更生するからと言ってすぐすべてが変わるわけではなく相手によっては長期戦になる、一度の過ちはそう簡単には元には戻れない‼相手が人間である以上・・・

 過去拝見した映画の中でベスト10に入るくらいの名作です。
 すべての人々に見てほしい‼この映画を通じて改めて自分の素直な考え方と向き合う事ができた映画です。
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