プレヴィン指揮フィルハーモニア管弦楽団(arthaus)1982ロイヤルフェスティヴァルホールLIVE・BD
作曲家80歳記念コンサートの映像で、よく知られたものとなっている。最晩年の作曲家臨席のうえオールウォルトンプログラムが組まれ、国歌と何かの間奏曲のあと前プロとしてこれが演奏されている。映像収録目的のせいかステレオであるものの音響バランスに違和感のあるところもあり、またイギリスネオロマンチシズムの泰斗・・・すでにそうとうに衰えが見える・・・を迎えての異様な雰囲気がそうさせているのか、荒く力んだこのオケらしくない派手志向の演奏になっている。もともとの音質にそれがあわずスカスカで痩せて聞こえるところもある。中盤エリザベス二世の戴冠式映像が入るのが、翌年亡くなってしまう作曲家と、その映画音楽の影響を受けたハリウッドSF映画が一世を風靡していた時代、さらに現在女王は元気に国の行く末を見守っていることを思い、時間の不思議な交錯に少し感傷的にもなる。プレヴィンは若々しい。老けてしまい、亡くなってしまった。