エリアスベルク指揮ソヴィエト国立交響楽団(melodiya?)1950年代・LP
西欧折衷派のかなり、古典的にまとめてきた作品で手堅さが勝るが、小さく仕立てるエリアスベルクのやり方により拡散傾向のあるこのオケが室内楽的に引き締まって、さらに西欧的な前時代の音楽に聴かせてきているのは面白い。ベートーヴェン的に構成された交響曲として無害に聴けるが、トゥッティの音のいちいち強いアタックはタネーエフなりの民族的表現で(オケのせいだろうヒステリックなところもある)、チャイコフスキーより古臭い感すらあるが(四楽章はチャイコフスキーが国民楽派に接近した頃の作風に近づいている)、ライヴではグダグダな演奏もやったこの指揮者には、とくに複雑なところもなくやりやすかったようで、聴きやすい。モノラルの古い録音で篭っており、細部が明らかでなく、おそらく良い録音だったら印象はかなり現代風の明晰な演奏といったものになっていた可能性がある。
西欧折衷派のかなり、古典的にまとめてきた作品で手堅さが勝るが、小さく仕立てるエリアスベルクのやり方により拡散傾向のあるこのオケが室内楽的に引き締まって、さらに西欧的な前時代の音楽に聴かせてきているのは面白い。ベートーヴェン的に構成された交響曲として無害に聴けるが、トゥッティの音のいちいち強いアタックはタネーエフなりの民族的表現で(オケのせいだろうヒステリックなところもある)、チャイコフスキーより古臭い感すらあるが(四楽章はチャイコフスキーが国民楽派に接近した頃の作風に近づいている)、ライヴではグダグダな演奏もやったこの指揮者には、とくに複雑なところもなくやりやすかったようで、聴きやすい。モノラルの古い録音で篭っており、細部が明らかでなく、おそらく良い録音だったら印象はかなり現代風の明晰な演奏といったものになっていた可能性がある。