今日は朝から寒かったですね。そんな中、大きいカートを引きずって(主に娘が)やっと家に帰って来ました。
どこに行っていたかと言うと、昨日もお伝えした通り【浜離宮アフタヌーンコンサート】の『石丸幹二×つのだたかし リュートとつむぐ歌と詩の世界5「歌のマルシェへようこそ2」』でした。
浜離宮朝日ホール公式ホームページ
ざっとした感想は昨日上げましたが、今日はもう少し詳しくリポートします。
まずはセットリスト。公式ページに記載の曲目とは一部異なります。
[第一部]
お嬢さんがた、きれいいな小物はいかが?
サリー・ガーデン
スカボロー・フェア
翼
月とりんご
<朗読>梨木香歩「サルスベリ」(『家守綺譚』より)
流れは広く
恋のかくれんぼ
竹田の子守唄
小さな空
[第二部]
ああ、愛しい人はどこに?
若さとは
<朗読>梨木香歩「都わすれ」(『家守綺譚』より)
南に帰る
さくらんぼの実る頃
想いの届く日
見上げてごらん夜の星を
昨年同様、ダウランドの歌からマルシェが始まります。第一部は、これも昨年同様、つのださんのリュートに乗せたイギリス古謡と武満徹作曲の歌が中心。「スカボロー・フェア」の石丸さんパートが歌ではなく、アルトリコーダー演奏だったのも昨年と同じです。
セットリストでは「月とりんご」の後に朗読があったような順番になっていますが、実際は朗読の伴奏(BGMとは少し違い、作品世界の一部のような関わり方)でした。つのださんご自身の作曲だそうです。
先日、石丸さんがツイッターに上げていた「レインスティック」も、効果音(水音)として一役買っていました。
#歌のマルシェへようこそ#つのだたかし さんとのコンサート #リュートとつむぐ歌と詩の世界 今日は 音の響きが最高な #鎌倉芸術館 でやっています。今回初お目見え #レインスティック バリ島産#石丸幹二 pic.twitter.com/C6ZflSzPFp
— 石丸幹二 (@team_kanji) October 26, 2019
上記ツイートにもある通り、10/26には鎌倉芸術館の『ウィークエンド・コンサート Vol.3』として、同じセットリスト(だと思います)による演奏や朗読がなされました。わたし自身はそちらへは伺えなかったのですが……
石丸さんのお衣装は朝日ホールでは黒ロングコートでした。よくお似合いで見とれてしまいました
二部冒頭の「ああ、愛しい人はどこに?」は、2010年に串田和美演出によりシアター・コクーンで上演されたシェイクスピアの『十二夜』の劇中曲だそうです。
主演松たか子さん。石丸さんはオーシーノ公爵役で、つのださんも作曲やリュート演奏だけでなく、ご出演もされたとのこと。それが、お二人の出会いのきっかけだったそうです。稽古期間は二ヶ月に及び、初めの一ヶ月はほぼ楽器のワークショップに終始したとか。ただし「ああ、愛しい人はどこに?」は劇中では結局使われることなく、このたびが初公開ということでした。
この舞台については、シアターリーグの演劇ニュースに記事が残っていました。
串田和美演出「十二夜」
「若さとは」はタイトルだけ見ると「?」ですが、フランコ・ゼフィレッリ監督の映画『ロミオとジュリエット』の、ニーノ・ロータによる有名なテーマ音楽です。
再び朗読をはさんで「南に帰る」はピアソラ、「想いの届く日」はガルデル作曲のアルゼンチンタンゴです。石丸さんはサックスも吹いてくださって、つのださんも楽器をリュートからギターに持ち替えての演奏でした。その前お話しされた日本に於けるタンゴブームのことなども興味深かったです。私事ながら、亡父も趣味でギターを弾く人で、ダンスではなく音楽としてのタンゴも好きでした。
その前の「さくらんぼの実る頃」は、加藤登紀子さんによる日本語歌詞で。
ラストの「見上げてごらん夜の星を」も、リーフレットによると元々ミュージカル曲だったのですね。
一度退場してからのアンコール曲は「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」。これも武満徹曲です。調べてみると、作詞も武満氏自身によるものだそうです。様々な歌い手さんが歌い、合唱曲にもなりましたが、最近の不安定な空模様を晴らしたいお気持ちもあったのかな——なんて思いました。
昨年も感じましたが、柔らかく温かい感じの素敵なコンサートで、今年もほんわか幸せな気持ちで会場を後にすることができました。
これからも毎年開いてほしい「マルシェ」です。
付記:昨年のマルシェ感想はこちらよりどうぞ。