昨夜はこの季節とも思えない風雨と雷が通り過ぎて行きましたが、今日は一転晴れ上がり、暑いくらいです。
さて、『指輪物語』を語るページ。本日はキャラクターの配役についての戯れ言を。
原作を読む時に脳裡に浮かぶのは、必ずしも映画の俳優さんたちではない──という訳で、PJ映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の配役が絶対!という人は、以下の妄想甚だしい世迷い言はお読みにならない方がいいと思います。
こんなことを書いても誰も喜ばないとは思いますが、年末のどさくさに紛れて、こっそりと。
例えばフロドについては、あの映画の中でのイライジャの演技には何の不満もありませんが、原作を読み返す時の「旦那」のイメージは、やはり彼ではないんですよ。と言って、他に誰をということでもなく、初めて原作を読んだ時の自分のイメージがベスト、ということになります。彼に限らず、ホビットたちについては全員そうかも。まあエルフの皆さんも大部分がそうなんですが。
逆に、原作を読む時にも映画の俳優さんのイメージが浮かぶのは、ガラドリエル様と魔法使いお二人とエオメルと、そして「蛇の舌」殿だったりします(特にサルマン様とグリマが強烈)。
オーランドの場合は、無口無表情の最強エルフ戦士ではなく、寧ろ彼で「原作に忠実な」レゴラスが見たかったです。そんな訳で、原作を読みながら思い浮かべるのはオーリイでも、雰囲気は映画と全く違うという不思議な状態に……
エオウィンは今なら絶対キーラ・ナイトレイで!というご意見もありますね。確かに海賊映画での最強ぶりを見ると、そんな気もするし、原作に忠実なエオウィンが出来そうです。ミランダのソフトな雰囲気も好きなんですが。
で、アラゴルン。ヴィゴ以外のアラゴルンなんてあり得ない!とお思いのかたは、この先の反転部分は回避なさって下さい。
今となっては、ヴィゴでもスチュアート・タウンゼントでもなく、やはり一度はダニエル・デイ=ルイスのアラゴルンが見たかった気がします。
彼のお父さんのセシル・デイ=ルイス、別名ニコラス・ブレイクとトールキン教授って、面識はなかったのかな?同じオックスフォードでもカレッジが違えば、会うこともないかも知れませんが。
それに、あの映画の製作当時、ダニエルさんはまだ靴を作ってたんでしたっけ?返す返すも残念です。
ラッセル・クロウも候補の一人で、実は本人もけっこう乗り気だったとか。私としてはイメージではないし、高貴さには欠ける気がしますが、強そうだし、それはそれで面白かったかも知れません。でも彼が王様で、デイヴィッドのファラミアが執政だったりした日には、ゴンドールが一気にオーストラリア化してしまいますね(笑)。
ヒュー・ジャックマンでも良かったのでは?というご意見も聞きますが、あんな目立つ野伏というのも考えものです。まあ、ミュージカル版ならいいかも。
最近になって、映画製作当時もう少しこの人の年齢が行っていれば……と、一瞬思ったのが、実はクリスチャン・ベイルで……
いや、だってアクションは出来るし、汚い風体でも育ちの良さがにじみ出てるし、年齢不詳(笑)だし。
でも、彼にはもっとぴったりの役がありました。その話は改めて。
しかし、誰よりも個人的にどうしても譲れない脳内キャスティングが、前ブログから何回も書いているけど、デネソール候=ピーター・カッシング(正しくはクッシング)。
もちろん映画製作当時は既に亡くなっていた訳ですが、原作初読時から二十年以上も固定したイメージは、そうそう変えられるもんじゃありません。
でも、クリストファー・リーのサルマン様に、カッシングのデネソール候ったら、もちろんドラキュラ伯爵vs.ヴァン・ヘルシング教授な訳で、第三紀末期の中つ国がいよいよホラーワールドに……
ちなみに、こういう画像もございます。
左から、リー、ジョン・キャラダイン、カッシング、ヴィンセント・プライスというホラー(怪奇)映画四天王勢揃いの図。きゃあきゃあ!(…いろんな意味で…)
……失礼しました。カッシングと言えば、一般にはむしろ『スター・ウォーズ』のグランド=モフ・ターキン総督の方が有名かも。→こちら
白状すると、私にしても、このターキン総督あればこそ、デネソール候=カッシング妄想を抱くに到った訳です。
いよいよ余談ですが、『指輪物語』やトールキン研究で知られ、最近ではピーター・ジャクソンの伝記も執筆しているブライアン・シブレイ氏も、カッシングのファンなんですね。
詳しくは氏のウェブサイトより、"Broadcasts" ページなどご覧下さい。フランケンシュタイン博士なカッシングの姿が見られます。
それにしても、このサイトを見ていると、『メアリー・ポピンズ』とか『白鯨』とか、シブレイ氏の嗜好には、とても他人とは思えぬ親近感を抱いてしまいます。
氏には是非、「デネソール=カッシング」の可能性についてご意見を伺ってみたいですね(笑)。
そう言えばジョン・キャラダインの息子さんデイヴィッド・キャラダインは、『リンガーズ』にも登場するほど熱烈な『指輪』ファンでもあるし、何だか『指輪』を中心にして、様々な人と様々なシュミの繋がりというものもありそうです。
デネソール候はマックス・フォン=シドーもいいかも。これは『ジャッジ・ドレッド』の頃ですね。ちなみにこちらは先日レビューしたイエス様。
別に父君にヴァンパイア・ハンターとか悪魔祓い師のイメージがある訳じゃないんですが、原作の執政殿は、誇り高くストイックに闇の勢力と対峙し続けた人ですから。
だからこそ、あの毀れっぷりと凄絶なご最期(原作の、ですよ。あくまでも 原 作 の )が痛ましく感じられるのです。
長くなったので次回に続く。(ええっ!続くの!?)
それもターキン総督のカッシング!
ご存命ならオファーがいったろうなぁ。 > 受けてくれるかどうかはともかく
私は映画1作目を見てから原作を読んだので、「旅の仲間」に出てきた人たちはすっかり映画が刷り込まれてしまいましたが、エオメルはちょっとイメージが違ったのです。
もうちょっとさわやか系(?)を考えてました。
カールでもいいんですけどね。
アラゴルンはQさんが挙げている人、知らないので…。
ヒューがやると目立ちすぎ、というのもわかるような。(笑)でも原作には足が長いと書いてたし、髪を染めなくてもヴァンヘル仕様でいけるな、とか一応想像はしたんですよ。
そういえばこれのミュージカル版の写真だけは見ましたが、エントの姿がZZ top見たいだったので大笑いした記憶が・・・・
クリスチャンが年齢がいっていれば、というのは良いかもしれません。目立たないけれどやるときはやる?野伏に身も心もなり切ってくれそうです。
続きも楽しみにしています。
>rukkiaさん
リー氏はご本人が出演を熱望なさったんですよね。
でも、PJみたいな傾向の人(ってどういう傾向だ?)なら、カッシング氏がご存命だったら何らかのオファーは行ったかも知れません。
SWシリーズでは、このコンビの数十年を経ての「共演」が、そっち方面のファンの涙を誘っていましたが。
ダニエル・デイ=ルイスは、実際ごく初期に名前が上がっていたような…やはり『ラスト・オブ・モヒカン』のイメージでしょうか。
ちなみにこんな↓感じです。
http://www.imdb.com/name/nm0000358/
http://www.imdb.com/title/tt0104691/
文学史的には(奥さんも含めて)大変な名家の人で、英国を代表する若き名優だったのに突然休養、『ギャング・オブ・ニューヨーク』で復帰するまで、なぜか靴職人になっていたという人でもあります。
『ギャング~』は、スコセッシ&ディカプリオ・コラボ第一作であると同時に、デイ=ルイス復帰第一作としても有名で、さすがの名演技を見せてくれました。
>misaoさん
PJと言うか映画製作サイドは、実際デイ=ルイスには何回もオファーを試みたようですが、引き受けて貰えなかったんですよね…やっぱり惜しかったです。
ヒューもミュージカル版の時は、本当に名前が上がったらしいですね。VHを考えると、けっこう似合っていたかも知れません。でも、彼にはあまり老成した雰囲気はないから…
>mayさん
私は、映像上初めてみたアラゴルンがバクシ版アニメだったので、ヴィゴの馳夫さん登場シーンには感激したものです。
でもその後は、彼のせいばかりではないけれど、どんどん原作イメージから離れてしまったような……
クリスチャン・ベイルはムサイ役から王子様キャラまで演じられるし、けっこういいかなぁ、なんて思いました
でも本当は私も、最初に原作を読んだ頃思い描いた自分のイメージが一番、なのかも知れません。