子日蒔絵棚ネノヒマキエダナ 伝本阿弥光悦
厨子棚。 意匠 (甲板 初子の根引き松
・棚板 源氏物語 「夕顔」扇面夕顔
・「関屋」中段に御所車と白丁 「橋姫」の巻。
螺鈿・錫板・金銀切金・切貝)
・天板に筆返し
・中段 観音開き 下段右 引戸にかけて 垣を表す。
内部・側面・背面に楓と松の葉を散らして。
蓮池水禽図 レンチスイキンズ 俵屋宗達
宗達は 濃厚な着色画の一方に
墨一色の彩りがある。
白い花はひかりを帯びて
反った荷葉の 表裏の描き分け
濃淡や滲み 暈かし
水辺の湿った空気感
朝靄のなかのカイツブリ
池の深さ
かがよう色を感じて
2羽の 声がする
小袖 白絖地梅樹下草文様 シラヌメジバイジュシタクサモヨウ 酒井抱一画
絖地ヌメジ(地が薄く、なめらかで、つやのある絹布の一種)に描いた 咲き誇る梅
布地に描くのは 大変むずかしい。 我が子のTシャツに、 いろいろ描いて着せていたので実感する。
さすが 筆に勢いがある。 枝の先端まで神経が届く。 紙に描くのと変わりない。 一幅の絵。
裾に 蒲公英や菫。
ああ 琳派… うなされて 琳派
装飾の洒落もここまでくればすでに物語を構成していますね。
中段と下段に分けた垣根の配置、扇の要の部分が中段にかかり、さらに下段の閉じられた扇と対応して響いて。蛙さんの選ばれた1点でしょうか。
宇治の八の宮の姫君大君と中君が有明の月の下で筝と琵琶を合奏するのを薫が垣間見る場面を思い浮かべます。
やがて老女房を通して母三の宮の秘密を知ることになるのが橋姫の巻ですが、橋姫と言う語は、橋の守り神を意味し、結界の象徴としても使われます。源氏での愛する人を待つかわいらしい姫気味の顔とは別に、中世では嫉妬に狂う鬼女に。となかなか面白いのです。
宗達の蓮池水禽図はよく図録で見ますが、きっぱりと鮮やかな手法には並々ならぬものを感じます。
蛙さんの鑑賞記事から、そぞろ神が取り付いて、しきりにそそり、「取るもの手につかず」です。
ごめんなさい。記入する場所が違っていたようですね。もう一度送りなおしますので、前のは破棄してください。
私が言いたかったのは、色々な知識からの感想ではなくて非常に感覚的に蛙さんの鑑賞眼を買っているのです。
そしてboa!さんの非常に理知的で奥の深いよみも、併せて私の気づかなかった箇所を注目させてもらえるのです。その点がまた素敵ですね。
さすが、“別所沼だより”の価値ある読者でいらっしゃると楽しみに読ませていただいています。
どうもありがとうございました。
初子といえば万葉集の
初春の初子の今日の… 玉箒のゆらく玉の緒」思い出します。源氏物語もすらすら出るほど頭に入っておりません。boa!さんの空飛ぶ教室で楽しく学びました。
透垣の隙間から、仄かな月明かりに見る姫君たちのようすはいつまでも心に残ったのですね。 結界を意味する橋や門木や垣根、器の模様でみました。 いろいろ繋がって面白いです。ありがとうございました。
boa!さんも そわそわしていますね。
作品は160点余り、どれにしようか迷いに迷って。気に入った中でも、写真で見てblogに合いそうなのを選びました。喜んで頂けてこちらこそ嬉しい。
お陰様の学習です。
家持さんの歌をきちんと載せます。
始春ハツハルの初子ハツネのけふの玉箒タマバハキ手に執るからにゆらく玉の緒
タマバハキにつけた小さなビーズのような玉が揺れて… 正倉院御物の写真で見ました。