風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

美しき傷

2007年08月20日 13時09分04秒 | エッセイ、随筆、小説








私は美しい。

私は征服と殺戮を行うために生まれてきた少年たちとは違う。

だからこそ我が身を守り、男の世界に受け入れてもらうには、

美しさを用いるほかなかった。

私は出会う人すべてに好かれるように努めた。

好かれるとは、逃げることであり、支配することでもある。







あなたは、見果てぬ命のきらめき

あなたは、無敵の戦士と選ばれし、

輝ける人・・・・・・






美しい傷(ポプラ社) Shan Sa

http://www.boople.com/bst/BPdispatch?isbn_cd=9784591098318










私の肉体が変化しはじめたとき、

私はそれに戸惑い、拒絶し、身悶えた。

それは私であり私ではなく、

私が支配し、けれど、私が取り扱える類の生易しさはそこにはなかった。







朝日が昇るまでの数時間だけ、

その肉体の変化から解放を許された。

丸みを帯びた夜空や黄金の月を眺めると、

その肉体は疼き、予感を産み落とすための激しい格闘がはじまるのだ。

はじめは今夏の猛暑がすべてを狂わせているのだと思った。

けれど、それは徐々に今夏のせいではなく、

私の内部がなにかとてつもない存在と出会い、向き合い、

シンクロしているのだと気付いた。

落ち着きを取り戻した今朝、美しい傷と出会った。








吸い込まれるような文章、

北京生まれパリ在住のシャンサが描く世界に触れたとき、

私はひとりの女性を想った。

彼女の人生が、ここには描かれている。

魂の傷の封印を、どこまでも美しく描き、今世に愛を届けている。

17の暗号を紐解く鍵が、きっと、ここからはじまる・・・・・








私の盟友へ心を込めて捧ぐ・・・・






 


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