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私は美しい。
私は征服と殺戮を行うために生まれてきた少年たちとは違う。
だからこそ我が身を守り、男の世界に受け入れてもらうには、
美しさを用いるほかなかった。
私は出会う人すべてに好かれるように努めた。
好かれるとは、逃げることであり、支配することでもある。
あなたは、見果てぬ命のきらめき
あなたは、無敵の戦士と選ばれし、
輝ける人・・・・・・
美しい傷(ポプラ社) Shan Sa
http://www.boople.com/bst/BPdispatch?isbn_cd=9784591098318
私の肉体が変化しはじめたとき、
私はそれに戸惑い、拒絶し、身悶えた。
それは私であり私ではなく、
私が支配し、けれど、私が取り扱える類の生易しさはそこにはなかった。
朝日が昇るまでの数時間だけ、
その肉体の変化から解放を許された。
丸みを帯びた夜空や黄金の月を眺めると、
その肉体は疼き、予感を産み落とすための激しい格闘がはじまるのだ。
はじめは今夏の猛暑がすべてを狂わせているのだと思った。
けれど、それは徐々に今夏のせいではなく、
私の内部がなにかとてつもない存在と出会い、向き合い、
シンクロしているのだと気付いた。
落ち着きを取り戻した今朝、美しい傷と出会った。
吸い込まれるような文章、
北京生まれパリ在住のシャンサが描く世界に触れたとき、
私はひとりの女性を想った。
彼女の人生が、ここには描かれている。
魂の傷の封印を、どこまでも美しく描き、今世に愛を届けている。
17の暗号を紐解く鍵が、きっと、ここからはじまる・・・・・
私の盟友へ心を込めて捧ぐ・・・・