風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

閼伽・argha : arghya

2007年08月21日 00時19分32秒 | エッセイ、随筆、小説






たとえ何人もの女を抱いても、

美しい魂まで抱ける男となると、世の中にそうは多くないだろう。

美しい魂を宿した女を抱かずして、

女を抱いたなどと思い込んでいる男がもしいるとするなら、

それはなんと哀れで、惨めなことなのだろう。







男が支配していると一見思われる世界は本来女のものだ。

すべてが女がつくりあげた作品で、

それは芸術にも暗愚にも変容は自在だ。

柔肌を求める一方で、戦争を繰り返す男たち。

それは女の性を男が子宮から静謐のうちに盗み出す仕業で、

男は女からしか産み落とされないからだ。








腰まである美しい黒髪

細くしなやかな指先

色気漂ううなじや後れ毛

白く透き通るような肌

そこにいるだけで周囲を華やかに彩り、

男の嗅覚をとらえては離さない。







匂いとは、見えずして、ただし本能へ働きかけるものだ。

ある晩、突如としてそれが私のもとを訪れ、

耳元ですべてを告白した。

男が破壊したものを、女が修復をする。

紅潮した身体を這い、ひそひそと囁き、息を吹きかけながら、

圧覚は禁断の扉さえ開けてしまうのだ。

美しい魂を宿した女の前では・・・・・










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