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たとえ何人もの女を抱いても、
美しい魂まで抱ける男となると、世の中にそうは多くないだろう。
美しい魂を宿した女を抱かずして、
女を抱いたなどと思い込んでいる男がもしいるとするなら、
それはなんと哀れで、惨めなことなのだろう。
男が支配していると一見思われる世界は本来女のものだ。
すべてが女がつくりあげた作品で、
それは芸術にも暗愚にも変容は自在だ。
柔肌を求める一方で、戦争を繰り返す男たち。
それは女の性を男が子宮から静謐のうちに盗み出す仕業で、
男は女からしか産み落とされないからだ。
腰まである美しい黒髪
細くしなやかな指先
色気漂ううなじや後れ毛
白く透き通るような肌
そこにいるだけで周囲を華やかに彩り、
男の嗅覚をとらえては離さない。
匂いとは、見えずして、ただし本能へ働きかけるものだ。
ある晩、突如としてそれが私のもとを訪れ、
耳元ですべてを告白した。
男が破壊したものを、女が修復をする。
紅潮した身体を這い、ひそひそと囁き、息を吹きかけながら、
圧覚は禁断の扉さえ開けてしまうのだ。
美しい魂を宿した女の前では・・・・・