楽の志 ~らくのこころ~

湘南で木の家づくりをしている「楽居」の親方三浦がキャッチしたできごと、思い、喜び、悩みなどを、力を込めて投げかけます。

「伝えるプロ」の世界を垣間見る

2011-07-29 10:20:42 | 家づくりの仕事
日経ホームビルダー』のライター渡辺さんが取材にいらっしゃいました。

楽居が施工した鎌倉の洋菓子店「輪心」さんの外壁に、建物の見どころを紹介する「ちょっとお家の話」という、
”手書き”の解説イラストボードを設置させていただいているのですが、そちらをご覧になっての取材お申し込み。




「手仕事へのこだわりと相通ずる会社の姿勢を感じた。」とのこと。

嬉しい。

手書きで伝える取組みは、お客様へのプレゼンをはじめ、楽居のホームページでも多用しています。
手作り特有の「偽らない」「真っすぐな誠意」とか「人肌感」みたいなもの、そういう楽居のウリみたいなところが伝わってほしくてそうしています。
ただ、ソフトウェアでつくられたキレイな表現が巷にあふれる中で、逆に「素人臭さ」や落書きのような「安っぽさ」が連想されないものか、不安がある中でのチャレンジでした。
そこに期待通りの理解を示してくれたことには、少しほっとしました。


ライター渡辺さんと「伝えるということ」の大切さと難しさに、話は盛り上がり。

私は常々思うのですが、いいものを作るだけが私たちの仕事ではなく、住み手がそのよさに「喜びを感じる」ところまでを考えなくてはいけない。そうでないと作り手の自己満足に終わってしまう。
だから、「どこがいいのか、どうしていいのか」を、住み手にも納得できるように伝えていくことも仕事のひとつ。
家づくりのプロである業者と、いわば素人さんであるお客様との間には、必ず知識の差がある。その差をきちんと埋めながら、出来上がりのよさを同じ気持ちで共感できるくらいにコミュニケーションを尽くしていかなければ。

これからのホームビルダーは、つくるだけでなく、人を感動させる「サービス業」という認識がなければだめだ。

とはいえ、「つくる」世界を生きてきた私たちは、「伝える」の技がまだまだ未熟。
「伝える」のプロである渡辺さんから、編集の要点や具体的なノウハウなどもお聞きできて、今後のプレゼン作成に活かせそうです。とても身のある時間でした。

住宅ライター渡辺圭彦さんの著作:
・書籍『住まいの進路相談室
・Web連載『住宅ライターの家づくり奮闘記


湯河原のリゾート生活プロデューサー

2011-07-14 12:51:32 | 家づくりの仕事

こんにちは、楽居の三浦です。

楽居が事務所を置く鎌倉も風情ある街ですが、
工房頑居堂のある湯河原も海あり山あり豊かな自然と同居できるいいところです。

その湯河原にある会社で、以前から気になっていた、
オオクスライフアシストさんと、
初めてお会いしてきました。



オオクスライフアシストさんのHP


オオクスライフアシストさんは、
土地をはじめ建物・造園ガーデニングまでトータルに扱い、
リゾート地の生活そのものをプロデュースしています。

土地や建物のような「モノ」の価値を見るばかりじゃなく、
そこから生まれる暮らし手にとっての実質的な価値である「体験」にこそ主眼を置く。

しかも、イメージだけ先行するようなうわべの仕事じゃなくて、
イメージを実体にあらわすためには資材の選定や調達に足を使い、
施工の現場でも職人方と一緒に体を張るほどの行動力。

付加価値の高い仕事をされています。

なんだか元気になるひとときでした。
一緒に何かを生み出せそうな予感、楽しみです。

庇(ひさし)・軒(のき)を見直す

2011-07-11 16:45:43 | おうち
こんにちは、楽居の三浦です。

ローコスト化とスタイリッシュな箱型建物の流れのせいでしょうか。
最近あまり見かけなくなってきた「庇(ひさし)」。

本当は、ひと手間かけてもつけるべき重要なものです。


庇は、お家の外壁や窓を雨からまもります。

庇などの凹凸がなく、シンプルな外観でスタイリッシュに見えたお家が、窓サッシの隅から黒く雨だれのしみがついて1年足らずの間にみすぼらしく汚れてしまっている例をよく見かけます。

デザインのために必要な機能まで削るのではなくて、庇とかそういった必要機能「込み」でスタイリッシュなデザインを成立させる発想が大切だと思います。


庇のもう一つ大事な役割は、過ごしやすさ。

庇がついている窓は、雨の日も水滴がついていなくて景色がクリアですし、窓ガラスが雨のたびにきたなく汚れてしまうこともありません。
雨のたびに窓掃除というのはかなり大変なこと、それをやってのける几帳面な人はほとんどいないのでは。せめて庭窓のような景観窓だけでも、いつもきれいにしておきたいですね。

また庇がないと、窓を開ければ当然屋内に雨が吹き込んでしまうので、雨の日は窓を開けて通気することもできないという、過ごしにくさの問題もあります。少し暑いだけの日にも雨で窓が開けられず、梅雨時から冷房に頼らざるを得ないという方がたくさんいらっしゃいます。

そういうわけで、大切な役割を担う庇をもっと見直しましょう。
楽居は立派な庇のお家を広めていきます。
あとから庇をつけるリフォームもお勧めしていきます。
日本に庇を復活!させていきます。


軒下の風情ある暮らし