「甲子園に、台湾代表が出場していたことを知っていますか?」
本当にごめんなさい。知りませんでした。今やってる甲子園野球も、全く見てないくらい野球に興味が無いのもありますけれど。
『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』を観てきました。
★★★★★
そらそうですよね、台湾は実に50年間も日本の統治下で、甲子園野球は当時から日本が国を挙げて盛り上がる年中行事だったんだから、逆に参加しなかったとか、参加出来なかったって話だったら、そんな上から目線だったのかって申し訳ない気持ちでいっぱいになるところです。
帰ってからWEBで調べたところ、1923年の第9回大会から、戦争が激化する1941年の第27回大会まで出場していたそうです。
さらに調べてみると、満州代表と、朝鮮代表は遡って1921年の第7回大会から参加していたようです。
前置きはこのくらいにして、この映画の中身について。
始まった瞬間から何故か涙腺が刺激されて、ずっとうるうる状態でした。
なぜなんだろう。映像とか音響とか、入ってくる情報の全てが心にグッと来る感覚。
そんな中で、当時の台湾の人々と、日本から移住した人々が共存している様子が生き生きと描かれていて、繰り返しになるけど本当に生き生きとしている様子で、作り手や台湾の方々の日本へのリスペクトがひしひしと伝わって来るような映画であることを念頭に作られているように感じる。
主題が甲子園野球だから、冒頭で必然的に朝日新聞の社旗が出てくるのですが、「韓国から横ヤリが入ったら申し訳ないな」なんて感じたのは余計なお世話だったようで、その後はもうこれでもかって程に朝日新聞とは関係なく旭日旗がわんさか出てきます。
そもそもスポーツの大会でも昔から使われてきた縁起の良い旗なんだから、4年前から急に既成事実のように言い始めたいちゃもんに呼応する必要はないよね。
政治的な思惑に負けて、配慮ということで前例を作ってしまったら、二度と映画の中で使えなくなってしまう。
そういったところまで考えてくださって作ったのかどうかは勝手な深読みですが、どんな角度から観ても、この映画の中には日本に対する憎しみなんて感じられない。
普段から台湾は好きだけど、より一層大好きになりました。
現在の台湾と朝鮮の、この日本との友好関係の温度差が益々腑に落ちない気分でいっぱいにもなりました。
あらすじは、公式試合でヒットを打った選手すら居なかった嘉義農林学校野球部の日本人移民、台湾原住民、漢民族の混成チームが、鬼コーチの猛特訓により甲子園の台湾代表にまで上り詰め、甲子園でも旋風を巻き起こすと言う青春スポ根感動作で、なんと実話がベース。
彼らが成長していくところを、じっくり丁寧に描く。そして試合の場面にも出来るだけ見せ場を作って描いている。
それらに加え、当時の台湾の世相を反映した青年たちの暮らしと民衆の様子、街を再現したセットがとても興味深い。
さらに、農業改革や、大規模な治水工事などの歴史的背景から、戦争に突入した後の変化まで細かく丁寧に観せてくれる為、三時間もある大作に仕上がっていますが、映画好きじゃない方でも、じっくりスクリーンと向き合って観るだけの価値のある映画です。
野球チーム員のキャスティングも、今現在野球をやってなさそうな体のメンバーで固めてしまった『バンクーバーの朝日』と比べると、中心に野球現役者を据えているせいか、説得力の違いを見せ付けられた。
ずっと涙腺が刺激された後、ボロボロに泣きました。
本当にごめんなさい。知りませんでした。今やってる甲子園野球も、全く見てないくらい野球に興味が無いのもありますけれど。
『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』を観てきました。
★★★★★
そらそうですよね、台湾は実に50年間も日本の統治下で、甲子園野球は当時から日本が国を挙げて盛り上がる年中行事だったんだから、逆に参加しなかったとか、参加出来なかったって話だったら、そんな上から目線だったのかって申し訳ない気持ちでいっぱいになるところです。
帰ってからWEBで調べたところ、1923年の第9回大会から、戦争が激化する1941年の第27回大会まで出場していたそうです。
さらに調べてみると、満州代表と、朝鮮代表は遡って1921年の第7回大会から参加していたようです。
前置きはこのくらいにして、この映画の中身について。
始まった瞬間から何故か涙腺が刺激されて、ずっとうるうる状態でした。
なぜなんだろう。映像とか音響とか、入ってくる情報の全てが心にグッと来る感覚。
そんな中で、当時の台湾の人々と、日本から移住した人々が共存している様子が生き生きと描かれていて、繰り返しになるけど本当に生き生きとしている様子で、作り手や台湾の方々の日本へのリスペクトがひしひしと伝わって来るような映画であることを念頭に作られているように感じる。
主題が甲子園野球だから、冒頭で必然的に朝日新聞の社旗が出てくるのですが、「韓国から横ヤリが入ったら申し訳ないな」なんて感じたのは余計なお世話だったようで、その後はもうこれでもかって程に朝日新聞とは関係なく旭日旗がわんさか出てきます。
そもそもスポーツの大会でも昔から使われてきた縁起の良い旗なんだから、4年前から急に既成事実のように言い始めたいちゃもんに呼応する必要はないよね。
政治的な思惑に負けて、配慮ということで前例を作ってしまったら、二度と映画の中で使えなくなってしまう。
そういったところまで考えてくださって作ったのかどうかは勝手な深読みですが、どんな角度から観ても、この映画の中には日本に対する憎しみなんて感じられない。
普段から台湾は好きだけど、より一層大好きになりました。
現在の台湾と朝鮮の、この日本との友好関係の温度差が益々腑に落ちない気分でいっぱいにもなりました。
あらすじは、公式試合でヒットを打った選手すら居なかった嘉義農林学校野球部の日本人移民、台湾原住民、漢民族の混成チームが、鬼コーチの猛特訓により甲子園の台湾代表にまで上り詰め、甲子園でも旋風を巻き起こすと言う青春スポ根感動作で、なんと実話がベース。
彼らが成長していくところを、じっくり丁寧に描く。そして試合の場面にも出来るだけ見せ場を作って描いている。
それらに加え、当時の台湾の世相を反映した青年たちの暮らしと民衆の様子、街を再現したセットがとても興味深い。
さらに、農業改革や、大規模な治水工事などの歴史的背景から、戦争に突入した後の変化まで細かく丁寧に観せてくれる為、三時間もある大作に仕上がっていますが、映画好きじゃない方でも、じっくりスクリーンと向き合って観るだけの価値のある映画です。
野球チーム員のキャスティングも、今現在野球をやってなさそうな体のメンバーで固めてしまった『バンクーバーの朝日』と比べると、中心に野球現役者を据えているせいか、説得力の違いを見せ付けられた。
ずっと涙腺が刺激された後、ボロボロに泣きました。
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