ウォッチメン

原作コミック（正確にはグラフィックノベルというカテゴリーらしい）がもの凄いとか、それを『300』の監督がさらに昇華させた秀作だとか、前評判の良さが『DRAGONBALL EVOLUTION』とは真逆だった『ウォッチメン』を大期待して観てきました。
★★★★★

￥3,400.-もする原作本（日本復刻版）は先月初版が発行されてすぐに市場から消え、まだ重版が出てないせいかAmazon.jpでは倍以上の値段で取引されてたんですけど、帰りに映画館の売店を覗いたら売ってたので迷わず購入。
後でじっくり読みます。

この映画の面白さを書いて伝えるのは凄く難しい。
紹介記事に書かれてるのをそのまま鵜呑みにして観ても、またちょっとイメージとズレがあるかも。

スーパーヒーローと聞いてX-MENやアべンジャーズのキャラクターを想像して、ああいうのを期待して観ると肩透かし食らうかな？
中には特殊能力者も居るけど、基本的にはフツーよりちょっと優れた能力がある程度の人たちが、素性を隠す為に際物のコスチュームを着て犯罪と戦ってた時代があったという世界が舞台。
と言っても、今俺達が暮らしている世界と歴史を歩んできているんだけど、いろんな歴史的出来事にコスチュームヒーローが関わっているので、若干現実世界とのズレが生じています。

そんな世界では1985年でも大統領はニクソン。
ヒーロー達のおかげでベトナム戦争に圧勝したせいか、アメリカの政治は戦後大きく現実世界とはズレていて、ソ連との核戦争が今にも勃発しそうな時代の話。
合衆国の為に尽力したにも関わらず、ヒーローはその活動を違法とされ、過去の存在になっていた。(『Mr.インクレディブル』はこの原作にインスパイア受けたのかな？)
ある日、元ヒーローが何者かに暗殺されるところから話は始まる…。

映像が凄いとか、技術が凄いっつうのは『300』を観た人には想像の範囲でしょう。
確かにもの凄い映像美、原作本にざっと目を通してみると、原作のカット割りやら色遣いを尊重しながら、より映画らしく、より魅せる映画として作られているのがわかる。

でも、それもよりもなによりも、脚本っつうか元のストーリーやら人物設定やらの緻密さと、思想的な重い問題提起込みでありとあらゆるジャンルのアプローチの連続。
大人向けっつうか、フツーのヒーロー映画のように軽い気持ちで観た人はガッカリしてしまうかもしれないくらい、全然軽い映画ではないので注意ｗ

こんなに短い尺で、よくこれだけ密度の濃い映画が作れたもんです。

WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (SHO-PRO BOOKS) アラン・ムーア(作)/デイブ・ギボンズ(画) 小学館集英社プロダクション このアイテムの詳細を見る