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頴川美術館
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開館40周年記念展「美と歩む - コレクションの優品」
一期 「墨の精華 併 茶道具名品」
期間:2月17日(日)~3月31日(日)
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三保松原図 能阿弥筆
駿河の三保の松原を描いた水墨画。元は屏風であったが現在は六幅の軸装となっている。
能阿弥は足利義教・義政に仕えた同朋衆のひとり。連歌や唐物の鑑定・座敷飾に通じ、「君台観左右帳記」や「御物御絵目録」を著した。
芦葉達磨図 宮本二天筆
芦の葉に乗る禅宗の祖達磨大師を描いた水墨画。
二天こと宮本武蔵は剣豪として有名だが熊本藩に招かれた晩年には二天と号し水墨画の作成を行なっている。
肩衝茶入 銘 勢高
古田織部所持の茶入で徳川将軍家にあった時に望みの茶入を尋ねられた小堀遠州と佐久間将監の両人が両人ともこの「勢高」を望んだ。
千宗旦書状
千宗旦が子の十三郎(後の江岑宗左)に宛てた手紙。知っておくべき上の肩衝茶入として「新田」「初花」等の後に「せいたか(勢高)織部所持」を挙げている
赤楽茶碗 銘 無一物 長次郎作
ふっくらとした丸みの胴にかせた赤土が侘びた風情を感じさせる。享和年間に松平不昧の所持となった。
別所で観たときには照明の加減でオレンジ色の物体と化していましたが、本当はこんなに柔らかい表情をしているのですね。同じ赤楽の「早船」や「恩城寺」は割れの繕いが景色になっていますが、この茶碗は表面上の変化に乏しく、それが逆に個性となっている「無一物」な事が素晴しい茶碗です。
黒楽茶碗 銘 水翁 本阿弥光悦作
楕円の口部の中央を内側につまんでいる光悦作にしてはひょうげた黒楽茶碗。
消息 豊臣秀吉筆
秀吉が愛児秀頼に宛てた手紙。端午の節句には帰って口をすってあげようと溺愛するさまが見られる。署名は「大かうとと」となっているのが微笑ましい。