ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

18年12月に読んだ本

2019-01-03 21:28:12 | 読書
12月は22冊。結構頑張って読めた。

新潮文庫の100冊の最後の1冊を読了。
◆たんぽぽ団地のひみつ (重松清)
昭和30年代にできた通称たんぽぽ団地、高齢化した住民がたんぽぽの綿毛のように抜け、老朽化して取り壊される運命の団地が、一瞬昔の活気ある姿を取り戻す。今回の重松さんはファンタジー仕立て。高度成長期の日本の姿がそこに。

◆ウズタマ(額賀澪)
「読書メーター」のBook of the Year作品ということで読んでみた。最初の段階でほぼ展開が読めてしまったが、それでも理屈抜きに感動できる、周作頑張れと思わずにはいられない、泣ける作品。折しも読了日がクリスマス、皆瀬さん、紫織さん、真結ちゃんを含む新しい家族の今後のご多幸を祈ります。

◆肩ごしの恋人 (唯川恵)
2000年の直木賞受賞作品。ちょっと時代は感じるが、面白く読めた。るり子みたいな女に引っかかったらえらいこっちゃなーとは思ったが、いくつになっても恋愛でバタバタしていたい、トラブっていたいという気持ちは、男の私でも分からないでもない。周囲を敵に回してもブレない生き方は、馬鹿馬鹿しくもすがすがしい。

◆水やりはいつも深夜だけど (窪美澄)
窪さんらしくなく静かな、それでいて胸に迫る、夫婦や家族を題材にした短編が6編。良い家族になるのって、自然にできることではなく、良い仕事をするよりずっと難しい。とにかくリアルで、「サボテンの咆哮」とか、かなり身につまされる話が多くかった。

◆レーン(ランナー3) 、ラストラン(ランナー4)(あさのあつこ)
貢&碧李シリーズ第3作&第4作。トラックの5000Mに焦点をあてた高校陸上部ものだが、あさのさんらしく走るシーン少な目、心理描写重視。自分が負けるわけがないと思っている天才ランナーの貢と、負けたことによってますます走りたいという気持ちを募らせる碧李、互いに意識をするふたりの物語。
自分も市民ランナーとしてトラックの5000mは何度も走ったが、的を射ているなと思う。トラックを12周半、1周67秒とか、そんなんで走れたら気持ちいいだろうな。

◆未来のミライ (細田守)
うーん。映画は見ていないけど、小説は面白くなかった。ま、所詮映画の原作本、映像が良ければそれでいいのだろうけど。それにしてもくんちゃんは面倒なガキだ。

年末恒例のミステリーのランキング本。
◆このミステリーがすごい! 2019年版
国内10位までで既読2冊、20位までで既読4冊。せめて国内10位までは全部読もうと思っている。:

ミステリーが2冊。
◆グラスバードは還らない(市川憂人)
マンガっぽい、ステレオタイプのキャラのマリア&漣シリーズ第三弾、前作、前々作で出てきたジェリーフィッシュやブルーローズが存在する近過去の並行世界。ケータイがなかったり、DNA鑑定の信ぴょう性が低かったり、与件の特殊環境化での謎解き重視の本格ミステリー。
小説的にはタワーリングインフェルノ、ビル火災のシーンも迫力あり。でも、1作目がすごく面白かったので、なかなかあれは越えられないかな。

◆六枚のとんかつ (蘇部健一)
面白ければ何でもありの「メフィスト賞」受賞作の中でも、とりわけ悪い意味で評判の高かった本。「ただのクズ」という前評判にかなり期待していたのだが、意外と普通のバカミス短編集で、表題作などはかなりまとも。期待通りクズだったのは「オナニー同盟」」「しおかぜ⑰号四十九分の壁」くらいか。なるほど盗まれた真珠の隠しどころとしてはやはりそこですよね。

ラノベを7冊。
まずは「青ブタ」シリーズのラスト5冊(第5巻~第10巻)
◆青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (鴨志田 一)
ラブコメが一転、シリアスな展開に。自傷のみならず解離性障害を発症していた花楓、それを受け止められない親と離れ、病が治れば消えゆく運命の妹の別人格・かえでに献身的によりそった咲太の2年間が切ない。
◆青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
満を持しての翔子さん回、いよいよクライマックス。翔子ちゃんの病の悪化と臓器移植カード、これでフラグが立ってしまった。悲劇の結末に向かって止めようもなく話が進み、ついに迎えてしまった最悪の結末。これで終わるはずはないので、次巻の翔子さん編第二弾へ。
◆青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない (電撃文庫)
第一部完結編。学園ラブコメがいつのまにかシリアス展開になってここまではらはらさせられたけど、とにかくハッピーエンドで良かった。このところ影が薄かった朋絵さんが殊勲賞、麻衣さんに関する選択はもうこれしかないとして、今の幸せな状況がリセットになるリスクを迷わず取れる咲太くん、中々にカッコよかったです。

◆青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
青ブタシリーズ新章スタート。花楓ちゃんの高校入試奮闘記、今回は普通に良い話、思春期症候群はなし?と思わせて、最後に衝撃の麻衣さん幼児化。次巻へ。
◆青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
まさかの思春期症候群を自力で解決した咲太くん、成長しました。大学入試も一発で突破、いよいよ次巻からは大学生ですか。でも整理のついていない伏線が残っていて、、、霧島透子、前巻からちらちら登場していたが、別の世界線の咲太が残した”霧島透子をどう思う?”のメモ、そして新キャラ、赤城郁実。次巻に期待!

◆りゅうおうのおしごと! 9 (白鳥 士郎)
やっと最終巻まで追いついた。
「HPの減らないラスボス」空銀子の女王位に夜叉陣天衣が挑戦する。両親の墓前で勝利を誓うも、ミスと凡戦で2連敗、たちまちカド番に追い込まれた天衣が、師匠八一の想いを知り、胸に乾坤一擲の逆襲にでる。そして天衣が胸の内に宿した初めての感情、あからさまなあいと、銀子、天衣のツンデレ2人との場外竜王争奪戦勃発か?鈍感な八一の今後に興味津々。

◆掟上今日子の乗車券(西尾 維新)
寝ると記憶がリセットされる探偵、今日子さんシリーズも早11巻。今回は親切さんの気ままな二人旅。軽く読めた。

◆天才はあきらめた (山里亮太)
南海キャンディーズのつっこみ担当、山ちゃんの自叙伝。
いやいや、自分のクズの部分をこれだけ冷静に分析し、言語化する能力はすごいと思う。著者の言う通り、天才というのは、自分が面白いと思うネタをやって、それが独りよがりでなく受け入れられる人を指すのだろう。その点山ちゃんは、どうしたらウケるか、どうしたら芸人でいられるかを考え、結果志向で自分の世界を変質させることに躊躇いがない。怨念をエネルギーに変換し、その作業をし続けてきた。マネしたくないけど、素直にすごいと思う。

◆人生エロエロ(みうらじゅん)
秋の文春文庫フェアというのがあったので、何か1冊と思って手に取った。自分が思春期の頃や学生の頃、昭和のエロが満載、笑わせていただきました。

お仕事系を2冊。
◆内部監査人のためのIT監査とITガバナンス(一般社団法人 日本内部監査協会)
ITは日進月歩なので、古い本を読んでもあまり役に立たない。本書は平成30年9月30日発行なので最新のIT環境をベースにIT監査、ITガバナンスを語っている。自分も古い人間になってしまわぬよう、日々勉強せねば。

◆「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明(伊神 満)
既存企業によるイノベーションが新参企業よりも後れをとる理由を数理的な根拠を以て経済学的に説明した本。企業の意思決定のメカニズムに言及、現実の問題の推論に役に立つ。
この本は、経済学は誰の役に立つのかということに焦点を当てている点が、単なる解説書と一線を画している。たとえ話は多少ピントを外れているものもあり、最後の2章はそれまでの丁寧な説明からやや飛躍気味だったが、学問のための学問ではない、世のため人のための学問とは何かについて考えさせられもした。

◆サムライブルーの勝利と敗北 サッカーロシアW杯日本代表・全試合戦術完全解析 (五百蔵 容)
日本の意外な大健闘がもう遠い昔のことのように感じる。
一言で言えば、世界標準のデュエルと全体のバランスを重視したサッカーを支持、日本の局地的に数的優位をつくる戦術の否定した本。
うーん、そうなのかな。確かにコロンビア戦はラッキーを生かしきれずにはらはらさせられたし、ポーランド戦は完全に劣勢で予選突破するにはあれしかなかったとは思うけど、ベルギー戦は高さでデュエルを挑まれ、同点に追いつかれた感があり。
試合、録画してあるので、確認してみよ。

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