4月は15冊。
うち、ミステリーが8冊。
東野圭吾さんが2冊。
◆祈りの幕が下りる時
「容疑者Xの献身」と並ぶ、東野ミステリーの最高傑作と思います。ミステリー好きの割に本格ミステリと呼ばれるものが苦手な私ですが、こういうヒューマンドラマ仕立てのミステリーにはじんと来ます。一気読みでした。
加賀恭一郎も良いですが、なにより父の薄幸の人生と娘に対する愛が哀しいです。伏線も実に見事。
◆ラプラスの魔女
「人魚の眠る家」「危険なビーナス」と本作にいずれにも脳医学の話が出てくる。
「使命と魂のリミット」「容疑者Xの献身」「祈りの幕が下りる時」、重厚な印象の東野作品がある一方で、こういう超常的能力ものは、ミステリーとしてはやや反則気味な気がしないでもないが、それでも一気に最後まで読ませる筆力はさすが。
教授が櫻井翔、円華が広瀬すず、謙人が福士蒼汰で映画化するらしい。教授ってけっこう地味な役回りだが、翔くんが演じるならそうはいかないだろう。ま、劇場には足が向かないと思うけど。
早坂吝さんが2冊。
◆双蛇密室
探偵が趣味の女子高生娼婦、上木らいちシリーズ最新刊。今回は客にして捜査一課の刑事、藍川警部補の過去に迫る。
ま、この密室トリックは誰も解けなかっただろう。エロさはちょっと控えめ。
◆アリス・ザ・ワンダーキラー
上木らいちシリーズ的なものを期待して手に取ったのだが、全然違いました。全編「不思議の国のアリス」のオマージュ、というか、アリスをVRのRPGにしてしまったわけだが、そこはアリス、違和感はない。
最後にHEAVYなどんでん返しがあるところが本格ミステリというところなのだろうが、私はむしろ軽妙な前半を楽しんでしまいました。
◆罪の声(塩田武士)
今月最高の1冊はこれでしょう。
三億円事件と並ぶ昭和の未解決事件、グリコ森永事件がモチーフ。江崎グリコの社長宅に乱入して社長を風呂場から拉致し、「毒入りきけん」と書いた菓子を店頭にばらまく。かい人21面相を名乗る犯人のおちょくった挑戦状、あれだけ派手に動いて結局迷宮入りですから、どんな奴が真犯人だろうって思ってました。
この小説、ずいぶんリアルだけど、創作ですよね。文章はちょっとすっと入ってこないところもありましたが、ノンフィクションではないかと思わせる構想力がすごい。
◆許されようとは思いません(芦沢央)
「許されようとは思いません」「目撃者はいなかった」「ありがとう、ばあば」「姉のように」「絵の中の男」、ホラーというわけではないのだけど、読んだ後に背筋にぞわっと来る短編ミステリーが5編。
初読みの作家さんだったのだけど、なかなかにおもしろかった。
◆屋上の道化たち(島田荘司)
17年の「本格ミステリ」第8位作品ということで読んでみたが、御手洗潔シリーズ、もう50作目だそうで。島田さんは「新しい十五匹のネズミのフライ」に続いて2作目、このシリーズは初読みでした。奇想天外な、少し笑える謎解きでした。これで「本格ミステリ」17年の上位10作読了。
◆高校入試 (湊かなえ)
イヤミスの女王にしては、比較的爽やかな作品だった。大人も、最後はなかなかにかっこよい。
私も、高校入試時はいろいろあり、最終的には都立高校へ行ったのだが、高校入学なんて人生のほんのスタートライン、先生だって人間だから判断ミスをするし、それに文句を言ったってせんないこと、そんな暇があったら自分の将来を考えた方が良い。母校愛は良いけど、机を捨てるとか、価値観が狂っている、笑うしかない。
ライトノベルを2冊、いずれも4月スタートのアニメ化作品。
◆魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 (河野裕)
かなり前に読んだ記憶あり。
最初に読んだときは、ラノベとしては画期的、面白いと思ったのだけど、理屈っぽさに飽きが来たからか、3巻くらいで読むのを止めてしまった。さて今回はどうなるか。
◆エロマンガ先生 妹と開かずの間
「俺の妹がこんなにかわいいわけはない」の伏見つかさ先生の第二弾はまたまた妹萌えもの。
血の繋がっていない妹と二人暮らしということで、「俺妹」よりパワーアップ?馬鹿馬鹿しさもパワーアップした感じ。
エロマンガはイラストレーターの妹のペンネーム、エロい漫画ではなく、南洋の島の名?訳ありっぽい二人の関係の謎解きは次巻以降かな。
◆ミッドナイト・ジャーナル(本城雅人)
17年の吉川英治文学新人賞受賞作品。
警察もだけど、独特の閉鎖社会です。週刊誌と違って即時性を求められ、でもそれはウェブサイトにかなわず、社会的責任があるから誤報は許されず、では新聞はどうあるべきかという転換期に、相も変わらず夜討ち朝駆け、過剰労働が美徳という価値観、藤瀬には結婚はあきらめろとか、電通以上、時代錯誤も甚だしい。これでは優秀な人材は新聞社に集まらないのでは。
でも、まあ、豪太郎みたいに、たとえ時代に殉じてもあえて価値観は変えないというのも、生きざまとしては、それはそれでありかも。
◆ナラタージュ (島本理生)
序盤がやや冗長で、入り込むまでに少し時間がかかった。前半200ページを100ページくらいにまとめてくれればテンポよく入り込めたかも。ヒリヒリするような恋愛、煮え切らない葉山先生にも苛立つ。
長いこと積読本だったが、今回読んだのは松本潤と有村架純で映画化ときいたから。葉山先生が松潤!?なんか、原作と違う映画になりそうな予感。
◆本日は大安なり (辻村深月)
ある結婚式場で、訳アリのカップルが4組結婚式をあげる、コメディタッチの作品。とりわけ陸雄がありえないくらいカスです。
盛りだくさんな作品だけど、自分は山井多香子のお仕事小説部分が一番好き。
◆古地図とめぐる東京歴史探訪 (荻窪 圭)
歴史好き、ジョギング好きなもので、この手の本は大変に参考になります。さて、次はどこを走ろうか。
◆とんでもなく役に立つ数学 (西成活裕)
自分は文系で、数学は苦手だったが、なぜか好きだった。微分・積分、当時はそこそこできてたんだけど、完璧に忘れてしまった。
東京マラソンは5回出走したが、マラソン大会のスタート時の渋滞の話は目からウロコ、たいていの大会は、スタート直前になると「前との間隔を詰めるようにいわれ、ぎちぎちに並ぶことになる。だからスタートラインまでは動いたり止まったり。大会主催者必読の書か?
うち、ミステリーが8冊。
東野圭吾さんが2冊。
◆祈りの幕が下りる時
「容疑者Xの献身」と並ぶ、東野ミステリーの最高傑作と思います。ミステリー好きの割に本格ミステリと呼ばれるものが苦手な私ですが、こういうヒューマンドラマ仕立てのミステリーにはじんと来ます。一気読みでした。
加賀恭一郎も良いですが、なにより父の薄幸の人生と娘に対する愛が哀しいです。伏線も実に見事。
◆ラプラスの魔女
「人魚の眠る家」「危険なビーナス」と本作にいずれにも脳医学の話が出てくる。
「使命と魂のリミット」「容疑者Xの献身」「祈りの幕が下りる時」、重厚な印象の東野作品がある一方で、こういう超常的能力ものは、ミステリーとしてはやや反則気味な気がしないでもないが、それでも一気に最後まで読ませる筆力はさすが。
教授が櫻井翔、円華が広瀬すず、謙人が福士蒼汰で映画化するらしい。教授ってけっこう地味な役回りだが、翔くんが演じるならそうはいかないだろう。ま、劇場には足が向かないと思うけど。
早坂吝さんが2冊。
◆双蛇密室
探偵が趣味の女子高生娼婦、上木らいちシリーズ最新刊。今回は客にして捜査一課の刑事、藍川警部補の過去に迫る。
ま、この密室トリックは誰も解けなかっただろう。エロさはちょっと控えめ。
◆アリス・ザ・ワンダーキラー
上木らいちシリーズ的なものを期待して手に取ったのだが、全然違いました。全編「不思議の国のアリス」のオマージュ、というか、アリスをVRのRPGにしてしまったわけだが、そこはアリス、違和感はない。
最後にHEAVYなどんでん返しがあるところが本格ミステリというところなのだろうが、私はむしろ軽妙な前半を楽しんでしまいました。
◆罪の声(塩田武士)
今月最高の1冊はこれでしょう。
三億円事件と並ぶ昭和の未解決事件、グリコ森永事件がモチーフ。江崎グリコの社長宅に乱入して社長を風呂場から拉致し、「毒入りきけん」と書いた菓子を店頭にばらまく。かい人21面相を名乗る犯人のおちょくった挑戦状、あれだけ派手に動いて結局迷宮入りですから、どんな奴が真犯人だろうって思ってました。
この小説、ずいぶんリアルだけど、創作ですよね。文章はちょっとすっと入ってこないところもありましたが、ノンフィクションではないかと思わせる構想力がすごい。
◆許されようとは思いません(芦沢央)
「許されようとは思いません」「目撃者はいなかった」「ありがとう、ばあば」「姉のように」「絵の中の男」、ホラーというわけではないのだけど、読んだ後に背筋にぞわっと来る短編ミステリーが5編。
初読みの作家さんだったのだけど、なかなかにおもしろかった。
◆屋上の道化たち(島田荘司)
17年の「本格ミステリ」第8位作品ということで読んでみたが、御手洗潔シリーズ、もう50作目だそうで。島田さんは「新しい十五匹のネズミのフライ」に続いて2作目、このシリーズは初読みでした。奇想天外な、少し笑える謎解きでした。これで「本格ミステリ」17年の上位10作読了。
◆高校入試 (湊かなえ)
イヤミスの女王にしては、比較的爽やかな作品だった。大人も、最後はなかなかにかっこよい。
私も、高校入試時はいろいろあり、最終的には都立高校へ行ったのだが、高校入学なんて人生のほんのスタートライン、先生だって人間だから判断ミスをするし、それに文句を言ったってせんないこと、そんな暇があったら自分の将来を考えた方が良い。母校愛は良いけど、机を捨てるとか、価値観が狂っている、笑うしかない。
ライトノベルを2冊、いずれも4月スタートのアニメ化作品。
◆魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 (河野裕)
かなり前に読んだ記憶あり。
最初に読んだときは、ラノベとしては画期的、面白いと思ったのだけど、理屈っぽさに飽きが来たからか、3巻くらいで読むのを止めてしまった。さて今回はどうなるか。
◆エロマンガ先生 妹と開かずの間
「俺の妹がこんなにかわいいわけはない」の伏見つかさ先生の第二弾はまたまた妹萌えもの。
血の繋がっていない妹と二人暮らしということで、「俺妹」よりパワーアップ?馬鹿馬鹿しさもパワーアップした感じ。
エロマンガはイラストレーターの妹のペンネーム、エロい漫画ではなく、南洋の島の名?訳ありっぽい二人の関係の謎解きは次巻以降かな。
◆ミッドナイト・ジャーナル(本城雅人)
17年の吉川英治文学新人賞受賞作品。
警察もだけど、独特の閉鎖社会です。週刊誌と違って即時性を求められ、でもそれはウェブサイトにかなわず、社会的責任があるから誤報は許されず、では新聞はどうあるべきかという転換期に、相も変わらず夜討ち朝駆け、過剰労働が美徳という価値観、藤瀬には結婚はあきらめろとか、電通以上、時代錯誤も甚だしい。これでは優秀な人材は新聞社に集まらないのでは。
でも、まあ、豪太郎みたいに、たとえ時代に殉じてもあえて価値観は変えないというのも、生きざまとしては、それはそれでありかも。
◆ナラタージュ (島本理生)
序盤がやや冗長で、入り込むまでに少し時間がかかった。前半200ページを100ページくらいにまとめてくれればテンポよく入り込めたかも。ヒリヒリするような恋愛、煮え切らない葉山先生にも苛立つ。
長いこと積読本だったが、今回読んだのは松本潤と有村架純で映画化ときいたから。葉山先生が松潤!?なんか、原作と違う映画になりそうな予感。
◆本日は大安なり (辻村深月)
ある結婚式場で、訳アリのカップルが4組結婚式をあげる、コメディタッチの作品。とりわけ陸雄がありえないくらいカスです。
盛りだくさんな作品だけど、自分は山井多香子のお仕事小説部分が一番好き。
◆古地図とめぐる東京歴史探訪 (荻窪 圭)
歴史好き、ジョギング好きなもので、この手の本は大変に参考になります。さて、次はどこを走ろうか。
◆とんでもなく役に立つ数学 (西成活裕)
自分は文系で、数学は苦手だったが、なぜか好きだった。微分・積分、当時はそこそこできてたんだけど、完璧に忘れてしまった。
東京マラソンは5回出走したが、マラソン大会のスタート時の渋滞の話は目からウロコ、たいていの大会は、スタート直前になると「前との間隔を詰めるようにいわれ、ぎちぎちに並ぶことになる。だからスタートラインまでは動いたり止まったり。大会主催者必読の書か?
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