図書館が閉まってしまったので積読本の山崩しが進みました。
19年のカドフェス、ナツイチも、積読本がなくなったので、カドフェス88冊(あと10冊、惜しい)、ナツイチ36冊で終了です。
角川文庫が5冊。
◆小説 空の青さを知る人よ (額賀澪)
これ、岡田磨里さんじゃなくて、わざわざ額賀澪さんが書いたんですね。でも、まあ、やはりアニメの脚本を小説にするのは難しいやね。アニメ未視聴なんで、アニメ見てから小説の評価をしたいと思います。
◆高校事変 (松岡圭祐)
稀代の犯罪者の娘が、親から叩き込まれたワザを駆使してテロリストから首相や友達を守る、でも、生死を賭けた戦いに自分の血が騒いじゃうダークヒロイン、HUNTER×HUNTERのキルアみたい。とにかくド派手なアクションもの。自衛隊のヘリまで撃ち落としちゃうテロリストってどうよ、みたいなところもありつつ、でもおもしろかったからいいか
◆アノニマス・コール (薬丸岳)
誘拐事件と警察組織の闇をテーマにしたサスペンス・ミステリー。エンタメ色強めの展開に、きっと主人公たちのすぐそばにいる、意外な人が黒幕だったりするんだろうなーと思いながら読んだが、だいたいそんな感じで、衝撃の結末も1周回って普通な感じに思えてしまった。
◆犯罪小説集 (吉田修一)
ミステリーかと思ったら、ウイークエンダー(古っ!)というか、ワイドショーみたいな短編集。どれもとんでもない悪人は出てこない。「青田Y字路」と「万屋善次郎」は土俗的な田舎故の犯罪であわれ。綾野剛、佐藤浩市、杉咲花で映画化されたそうで、でも多分違う話になっちゃったのでは?「曼珠姫午睡」のエロさが良い。「白球白蛇伝」「百華楽餓鬼」は甘やかされて育っちゃんだろうね。もっと早く「馬鹿!」と勘違いを正されていれば、、、
◆代償 (伊岡瞬)
胸糞が悪くなるような道子、達也の母子にいじめぬかれる佳輔だが、その悪夢は長じて弁護士になってからも続く。絶対悪、手を汚さぬシリアルキラー、サイコパスの達也がいかにして破滅するか、ラストを楽しみに読んだのだが、、、もっとページを割いて苦しませて、読者の留飲を下げさせてくれても良かったのでは、、、
集英社文庫が6冊
◆私を知らないで (白石三兎)
主人公で語り部の黒田の生い立ちだったり、転校生・高野の引きこもりの理由だったり、キヨコのとんでもないかくしごとだったり、意外性満載で最後まで気を抜けずに読み続けられた。バッド・エンドで終わってプロローグのウサギ男につながるのかと思いきや、ああ、でもこれも彼にしてみれば一生付きまとう後悔先に立たずか。アヤやミータン、黒田の両親など脇役陣も良い。
ひねくれてんだか、真っすぐなんだかの思春期の物語。
◆君に舞い降りる白 (関口尚)
良くも悪くも青臭い(基本的には良い部分の方が多いですが)真面目な大学生の一途な恋愛事情のお話。石を売るお店という、マニアックな、ある意味浮世離れした空間で繰り広げられる男女の機微、その中だけで成り立つぼっち系の人間関係。でも、皆、最終的には無事そこから巣立っていく。青春の1ページ、ですなぁ。
◆the TEAM ザ・チーム (井上夢人)
でっち上げの霊媒師とそれを支える最強の3人のチームが織りなす短編集。エンタメ色強め。
◆白夜行 (東野圭吾)
分厚さに臆してずっと積読本になってたのですが、今しかないと思って読み始めたら、そこはさすが東野さん、面白く、読みやすくて、3日で読了。昔、ドラマ化されてましたよね。山田孝之と綾瀬はるかに脳内変換して読みました。作中で二人が出会う場面は一度も出てこない。雪穂と二人の絆、哀しい絶対悪ですね。老刑事笹垣の執念もすごい。東野さんの中でも評判の高い作品ですが、それだけのことはある、中々に重たいヒューマンミステリーでした。
◆箱庭図書館 (乙一)
「小説家のつくり方」「コンビニ日和!」「青春絶縁体」「ワンダーランド」「王国の旗」「ホワイト・ステップ」、6つの短編。元ネタは別々の読者投稿だそうで、それを乙一さんが文善寺町を舞台にした、山里潮音さんのいう異常な本好きの女性が全編に登場する連作にリメイクしている。最後の「ホワイト・ステップ」が好き。
◆蒼い時 (山口百恵)
彼女が引退するとき、リアルタイムで読んだ記憶あり。再読してみて、改めて、今どきのアイドルとは別格に存在感のある人だなと実感。複雑な家庭事情、貧しかったこと、自らの性と愛した人のこと。ストレートに書かれているものの周囲への気遣いもあり、露悪的にもならず、年齢らしからぬしっかりとした文章の中に、彼女の必死に生きてきた様が感じられる。14歳でデビューしわずか8年後の絶頂期に引退、その後一切マスコミに顔を見せなかった彼女。最後の「倖せになります」の一行に、彼女のその後の人生がきっと幸せだったことを確信した。
文春文庫が2冊
◆星々の舟 Voyage Through Stars (村山由佳)
第129回直木賞受賞作。村山さんの作品ってエロいイメージが強かったが、これはさすが直木賞って感じ。偏屈なおやじとその亡くなった2人の妻との間の4人の兄妹のワケアリ家族の短編連作。複雑な血のつながりが招いた暁と沙恵の禁断の恋は、二人の人生に深い影を落とす。不倫を繰り返す末妹の美希、家庭で居場所をなくす団塊世代の長男・貢、いじめと友情に悩むその娘・聡美。最後の父・重之のエピソードがちょっと突拍子ない感じもしたが、重厚な感動を覚える佳作でした。
◆ぬかるんでから (佐藤哲也)
「涼宮ハルヒの憂鬱」の宇宙人にして文芸少女・長門有希ちゃんの100冊。長門有希の愛読書らしく、変な本でした。奇妙なストーリーなのですが、寓話的でもなく、なんかのメタファーでもなく、意味もなくただシュールで奇妙なだけ、なんじゃないかなー、多分。でも、ちょっと可笑しみもあって、苦痛なく、楽しんで字面を追えました。
その他の文庫本が2冊。
◆永遠のガンダム語録 (PHP文庫)
今の心境はこんな感じですかね。「こんな生活を強制されたら、少しは骨抜きの人間になったって仕方ないだろ」(アムロ・レイ、「機動戦士ガンダムZ」より)ジュブナイルたちの成長物語、青臭い台詞を大人たちがノスタルジックにコメントした本。
◆赤い指 (東野圭吾)
加賀恭一郎シリーズの中でも、東野さんの作品の中でも上位に名前の挙がる作品だが、なぜか今まで読んでいなかった。「容疑者Xの献身」同様の倒叙ミステリーに加賀さんが迫る、東野さんらしいヒューマンドラマだけど、「容疑者X」と違って母親の愚かさ、身勝手さに腹が立つ。子供の頃、私の母が「悪さをしたらお前を殺して私も死ぬ」と言っていたが、今更ながら母の覚悟をありがたいと思った。加賀さんの父の覚悟と、誰にどう思われようとそれを守った加賀さんもすごい。
やっと開いた中野区図書館から1冊。
◆風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)
原田さんの歴史・美術ミステリー、今回は俵屋宗達。宗達の名前が織田信長から下賜されたもので、狩野永徳の「洛中洛外図」を手伝っていて、天正遣欧少年使節に随行してローマにも行ったという奇想天外なストーリー。評価は下巻を読んでからにします。今のところ、冒頭の現代の部分は「必要だったん?」という展開。
19年のカドフェス、ナツイチも、積読本がなくなったので、カドフェス88冊(あと10冊、惜しい)、ナツイチ36冊で終了です。
角川文庫が5冊。
◆小説 空の青さを知る人よ (額賀澪)
これ、岡田磨里さんじゃなくて、わざわざ額賀澪さんが書いたんですね。でも、まあ、やはりアニメの脚本を小説にするのは難しいやね。アニメ未視聴なんで、アニメ見てから小説の評価をしたいと思います。
◆高校事変 (松岡圭祐)
稀代の犯罪者の娘が、親から叩き込まれたワザを駆使してテロリストから首相や友達を守る、でも、生死を賭けた戦いに自分の血が騒いじゃうダークヒロイン、HUNTER×HUNTERのキルアみたい。とにかくド派手なアクションもの。自衛隊のヘリまで撃ち落としちゃうテロリストってどうよ、みたいなところもありつつ、でもおもしろかったからいいか
◆アノニマス・コール (薬丸岳)
誘拐事件と警察組織の闇をテーマにしたサスペンス・ミステリー。エンタメ色強めの展開に、きっと主人公たちのすぐそばにいる、意外な人が黒幕だったりするんだろうなーと思いながら読んだが、だいたいそんな感じで、衝撃の結末も1周回って普通な感じに思えてしまった。
◆犯罪小説集 (吉田修一)
ミステリーかと思ったら、ウイークエンダー(古っ!)というか、ワイドショーみたいな短編集。どれもとんでもない悪人は出てこない。「青田Y字路」と「万屋善次郎」は土俗的な田舎故の犯罪であわれ。綾野剛、佐藤浩市、杉咲花で映画化されたそうで、でも多分違う話になっちゃったのでは?「曼珠姫午睡」のエロさが良い。「白球白蛇伝」「百華楽餓鬼」は甘やかされて育っちゃんだろうね。もっと早く「馬鹿!」と勘違いを正されていれば、、、
◆代償 (伊岡瞬)
胸糞が悪くなるような道子、達也の母子にいじめぬかれる佳輔だが、その悪夢は長じて弁護士になってからも続く。絶対悪、手を汚さぬシリアルキラー、サイコパスの達也がいかにして破滅するか、ラストを楽しみに読んだのだが、、、もっとページを割いて苦しませて、読者の留飲を下げさせてくれても良かったのでは、、、
集英社文庫が6冊
◆私を知らないで (白石三兎)
主人公で語り部の黒田の生い立ちだったり、転校生・高野の引きこもりの理由だったり、キヨコのとんでもないかくしごとだったり、意外性満載で最後まで気を抜けずに読み続けられた。バッド・エンドで終わってプロローグのウサギ男につながるのかと思いきや、ああ、でもこれも彼にしてみれば一生付きまとう後悔先に立たずか。アヤやミータン、黒田の両親など脇役陣も良い。
ひねくれてんだか、真っすぐなんだかの思春期の物語。
◆君に舞い降りる白 (関口尚)
良くも悪くも青臭い(基本的には良い部分の方が多いですが)真面目な大学生の一途な恋愛事情のお話。石を売るお店という、マニアックな、ある意味浮世離れした空間で繰り広げられる男女の機微、その中だけで成り立つぼっち系の人間関係。でも、皆、最終的には無事そこから巣立っていく。青春の1ページ、ですなぁ。
◆the TEAM ザ・チーム (井上夢人)
でっち上げの霊媒師とそれを支える最強の3人のチームが織りなす短編集。エンタメ色強め。
◆白夜行 (東野圭吾)
分厚さに臆してずっと積読本になってたのですが、今しかないと思って読み始めたら、そこはさすが東野さん、面白く、読みやすくて、3日で読了。昔、ドラマ化されてましたよね。山田孝之と綾瀬はるかに脳内変換して読みました。作中で二人が出会う場面は一度も出てこない。雪穂と二人の絆、哀しい絶対悪ですね。老刑事笹垣の執念もすごい。東野さんの中でも評判の高い作品ですが、それだけのことはある、中々に重たいヒューマンミステリーでした。
◆箱庭図書館 (乙一)
「小説家のつくり方」「コンビニ日和!」「青春絶縁体」「ワンダーランド」「王国の旗」「ホワイト・ステップ」、6つの短編。元ネタは別々の読者投稿だそうで、それを乙一さんが文善寺町を舞台にした、山里潮音さんのいう異常な本好きの女性が全編に登場する連作にリメイクしている。最後の「ホワイト・ステップ」が好き。
◆蒼い時 (山口百恵)
彼女が引退するとき、リアルタイムで読んだ記憶あり。再読してみて、改めて、今どきのアイドルとは別格に存在感のある人だなと実感。複雑な家庭事情、貧しかったこと、自らの性と愛した人のこと。ストレートに書かれているものの周囲への気遣いもあり、露悪的にもならず、年齢らしからぬしっかりとした文章の中に、彼女の必死に生きてきた様が感じられる。14歳でデビューしわずか8年後の絶頂期に引退、その後一切マスコミに顔を見せなかった彼女。最後の「倖せになります」の一行に、彼女のその後の人生がきっと幸せだったことを確信した。
文春文庫が2冊
◆星々の舟 Voyage Through Stars (村山由佳)
第129回直木賞受賞作。村山さんの作品ってエロいイメージが強かったが、これはさすが直木賞って感じ。偏屈なおやじとその亡くなった2人の妻との間の4人の兄妹のワケアリ家族の短編連作。複雑な血のつながりが招いた暁と沙恵の禁断の恋は、二人の人生に深い影を落とす。不倫を繰り返す末妹の美希、家庭で居場所をなくす団塊世代の長男・貢、いじめと友情に悩むその娘・聡美。最後の父・重之のエピソードがちょっと突拍子ない感じもしたが、重厚な感動を覚える佳作でした。
◆ぬかるんでから (佐藤哲也)
「涼宮ハルヒの憂鬱」の宇宙人にして文芸少女・長門有希ちゃんの100冊。長門有希の愛読書らしく、変な本でした。奇妙なストーリーなのですが、寓話的でもなく、なんかのメタファーでもなく、意味もなくただシュールで奇妙なだけ、なんじゃないかなー、多分。でも、ちょっと可笑しみもあって、苦痛なく、楽しんで字面を追えました。
その他の文庫本が2冊。
◆永遠のガンダム語録 (PHP文庫)
今の心境はこんな感じですかね。「こんな生活を強制されたら、少しは骨抜きの人間になったって仕方ないだろ」(アムロ・レイ、「機動戦士ガンダムZ」より)ジュブナイルたちの成長物語、青臭い台詞を大人たちがノスタルジックにコメントした本。
◆赤い指 (東野圭吾)
加賀恭一郎シリーズの中でも、東野さんの作品の中でも上位に名前の挙がる作品だが、なぜか今まで読んでいなかった。「容疑者Xの献身」同様の倒叙ミステリーに加賀さんが迫る、東野さんらしいヒューマンドラマだけど、「容疑者X」と違って母親の愚かさ、身勝手さに腹が立つ。子供の頃、私の母が「悪さをしたらお前を殺して私も死ぬ」と言っていたが、今更ながら母の覚悟をありがたいと思った。加賀さんの父の覚悟と、誰にどう思われようとそれを守った加賀さんもすごい。
やっと開いた中野区図書館から1冊。
◆風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)
原田さんの歴史・美術ミステリー、今回は俵屋宗達。宗達の名前が織田信長から下賜されたもので、狩野永徳の「洛中洛外図」を手伝っていて、天正遣欧少年使節に随行してローマにも行ったという奇想天外なストーリー。評価は下巻を読んでからにします。今のところ、冒頭の現代の部分は「必要だったん?」という展開。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます