ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

流星の貴公子

2005-01-19 00:04:38 | スポーツ
日曜日は「日経新春杯」でしたね。「日経新春杯」と聞くと、必ず思い出す名馬がいます。「流星の貴公子」テンポイントです。

大昔、私は競馬ヲタクでした。
1978年のその日、私は学生の分際で府中の東京競馬場にいました。(あっ、いかん!歳がバレる。)メインレースの京成杯が終わり、京都で行われていた「日経新春杯」の実況中継が場内に流れました。
もはや国内に敵がいなくなってしまったテンポイントは、このレースを最後に海外遠征に旅立つ事になっていました。勿論大本命です。
雪の舞う京都競馬場の第4コーナーで悲劇は起きました。66.5kgという、異常な重量を背負ったテンポイントは、突然競争を中止、鹿戸騎手があわてて馬を下りて、鞍を外し始めました。非常事態が起きた事は、間違いありません。場内のファン全員が、馬券の事などそっちのけで、テンポイントのことを心配しました。
重度の骨折、普通なら即安楽死処分のところを、馬主の、そして日本中のファンの願いで、必死の治療が行われました。が、薬石効無く、テンポイントは43日後にこの世を去りました。亡骸は、「人間と同じにしてやって欲しい。」という馬主のたっての願いで、ふるさと北海道の牧場に葬られましたが、墓参のファンがしばらく絶えませんでした。

関西馬テンポイントには、宿命のライバルがいました。関東馬トウショウボーイです。
デビュー5連勝で、関東に初登場となった皐月賞で本命に押されたテンポイントは、トウショウボーイの2着に敗れました。ダービーは7着に沈み、皐月賞は、トウショウボーイには先着したものの、伏兵のステイヤー、グリーングラスにゴール前かわされ2着、有馬記念は、再びトウショウボーイの2着。3歳時のテンポイントは、無冠の帝王、と呼ばれていました。
明けて4歳、テンポイントはその素質を開花させ、天皇賞、宝塚記念など、重賞を次々と勝ち、年度代表馬にもなりました。
でも、ひとつだけ達成していない事がありました。そう、トウショウボーイに勝って優勝していないのです。

今までで一番印象に残っているレースをひとつ挙げろ、と言われたら、私は、迷わず「77年の有馬記念」と言います。
この年の有馬記念は、僅か8頭立てでした。テンポイント、トウショウボーイが出るのでは勝ち目なし、と、有力馬が、皆回避してしまったからです。
果たして、レースは、そのとおりの展開になりました。逃げ馬に唯一の見せ場を与える事も無く、テンポイントが先頭を切り、トウショウボーイがそれを追う、行き詰まるマッチレースです。
レースは結局、終始先手を取ったテンポイントが最後まで逃げ切りました。ゴール直前で足を伸ばしてきた同期のグリーングラスが3着でした。その後ろは誰も来ない!その年の菊花賞馬・プレストウコウは、6馬身ちぎられての4着、圧倒的な実力差でした。

ついに夢をかなえたテンポイントに、日本中が拍手を送りました。僅かその2ヵ月後に、彼が天国に召されるなどとは、夢にも思わずに。。。。
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1 コメント

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涙。 (みらくる)
2005-01-20 10:47:51
わたしが競馬場に行くとき、TVで見ているとき

いつもいちばんに願っているのが無事故でゴ-ル

しますように・・・

絶対にあってほしくないですよね(涙)。

考えただけでも恐ろしいです...

だけど、記事を読んでいて今年は競馬を引退しようと

思っていたけど、また観に行きたくなった(笑)。

やっぱりうまは激かっこい-!!

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