ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

新潮文庫の100冊、半分読破

2013-09-16 15:59:40 | 読書
「新潮文庫の100冊」といっても、これが100冊ではない。122冊ある。
村上春樹さんの「1Q84」が全6冊、その他にも上下巻のものがあるので、全100作品、122冊ということ。
で、そのうち61冊まで読みました。

新潮文庫の100冊に登録されている本をブックオフ等で見つけたら、とりあえず買っとくみたいなローラー作戦でした。
正直、全てが印象に残る本であったわけでもない。玉石混交の感もありました。
でも、私の場合、歴史系とかラノベ系とか、読書傾向がジャンルバラバラながらも偏っているので、こんなことでもなければ出会わなかったであろう作家さんと出会う事が出来たのは、すごく良かったと思っています。

以下、新潮文庫の100冊でなければ絶対読まなかったと思われる本の中だけで、ベスト10を選んでみました。

1位:「サクリファイス」(近藤 史恵)
スポーツものは、すごく好きなんですけどロードレースはほとんど知識がありませんでした。深いですね、このスポーツ。
軽いミステリー仕立て。とにかくエースの石尾さんの覚悟、チームや後輩への想いが感動もので、一気読みしました。

2位:「花宵道中」(宮木 あや子)

吉原、そこは男に夢を与えるだけの場所で、女は夢など見ることができない。一瞬でも夢を見た女は絶望の淵に落ちてしまう。
苦界に生きる女性たちの短編6話。それぞれが絡み合って、ひとつのストーリーを織りなしています。エッチの描写も生々しくも哀しい。

3位:「卵の緒」(瀬尾 まいこ)

父とも母とも血のつながりのない親子。でも、そんなの取るに足らないこと笑い飛ばしてしまうくらいに温かい。
家族で食卓を囲むって、大事ですね。

4位:「夏の庭」(湯本 香樹実)

死というものに観念的にまとわりつかれた子供たちが、少しだけ本当の死というものに触れ、少しだけ大人になった夏休みのお話。
おじいさんは最初から死亡フラグが立ってたので、読み進むのがつらかったけど、でも最後に木山達と仲良くなれて、幸せな最期でしたよね。地味だけどいいお話でした。

5位:「悪意の手記」(中村 文則)

お前、ホントに人殺したことあるんじゃないの、と思ってしまうくらいリアルでした。

6位:「無人島に生きる十六人」(須川 邦彦)

明治の男って、すごいなー、と。
こんな本を発掘してくれた新潮文庫に感謝。

7位:「散るぞ悲しき」(梯 久美子)

硫黄島守備隊とその指揮官・栗林中将の悲劇。歴史は知っているつもりだったが、ここまでとは。
今の我々は、彼らの犠牲の上にいる事を忘れてはならない。
思わず靖国神社に参拝に行ってしまいました。

8位:「幕末史」(半藤 一利)
反骨精神あふれる著者の、反明治政府史観の歴史書。
名調子の判官びいきが心地よい。

9位:「博士の愛した数式」(小川 洋子)

80分しか記憶が持たない、世捨て人のような博士の、数学と子供に対するひたむきな愛。
昔映画を見て、良いなーって思ったけど、小説も実に良い。

10位:「一勝九敗」(柳井 正)
ユニクロの棚井さんの創業秘話。経営者として深いです。
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