たぬきの森

私の自宅からほど近いところに、「たぬきの森」と呼ばれる一帯があります。
実際、ジョギング中に、かわいそうに車に轢かれてしまったたぬきの遺骸を
見たことがあります。
確かにこの地にたぬきは生息しています。

新宿区下落合近辺の目白方面に向けて急な斜面には、鬱蒼とした武蔵野の緑がかなり残っています。

「薬王院」や


「野鳥の森公園」


「おとめ山公園」
急斜面から湧き出る水は、わずか数百メートルですが川となって、神田川に注いでいます。


他にも、雑木林になっている空地や、


新宿区に畑が、


「野鳥の森公園」を上ったところに、通称「たぬき屋敷」と呼ばれる家があります。

このお屋敷の庭が600坪ほどの雑木林になっており、ここにたぬきの巣があるらしい。
そして、これらの緑地をいったりきたりして暮らしているそうです。

ところが、この庭にマンション建築の予定があって、地域住民らが反対運動をしています。

着工予定日は平成19年4月25日（来週じゃん！）になっていますが、何度も書き換えられた跡が。実際ここ2,3年はこう着状態のようです。

町の何箇所かには、この立て看板が。


この一帯は、江戸時代には将軍のお狩場として一般の人は立ち入り禁止区域だったそうです。
明治維新後は、相馬家、近衛家の広大なお屋敷になって、この自然がずっと維持されてきたらしい。
戦災でも焼け残った森ですが、戦後は宅地化などで徐々に都会に侵食されてきました。それでも公園などとなってグリーンベルトは残り、その中で、たぬきたちも、数を減らしながらも脈々と子孫をつないできたのでしょう。

ジツは今私が住んでいるマンションも、たぬきの森とは無関係ですが、建築時は周辺住民の間でかなりの反対運動があったそうです。
そんなところに住んでいる私が「たぬきの森を守れ、マンション反対！」などというのはエゴイスト、という気もします。
それでもなおかつやっぱり、私は「たぬきの森を守れ！」って言いたい。
この地の先住民である彼らに敬意を表して。