2022年10月のブログです
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東畑開人さんの『聞く技術 聞いてもらう技術』(2022・ちくま新書)を読む。
新刊!(えっへん!)。
東畑さんはカウンセラーで、少し前まで大学の先生をされていたが、最近、やめたらしい(と本書に書いている)。
今は開業カウンセラー。
著書『居るのはつらいよ』で賞を取るなど、活躍中。
今年の遊戯療法学会のシンポジウムにも出席をされて、じーじはズームで拝見したが、歯切れのいい発言をされていたのが印象に残っている。
さて、本書、対話が難しいように見える現代におけるコミュニケーションについて述べると同時に、カウンセリングの技術についても述べている、なかなかの本。
じーじにも参考になることがらが多く述べられている。
例えば、聞く技術小手先編(?)には次のような内容が並ぶ。
時間と場所を決めてもらおう。眉毛にしゃべらせよう。正直でいよう。沈黙に強くなろう。返事は遅く。七色の相槌。奥義オウム返し。気持ちと事実をセットに。「わからない」を使う。傷つけない言葉を考えよう。なにも思いつかないときは質問しよう。また会おう。
いずれも、大切なことがらばかりで、じーじが実践できているものもあるし、なかなか難しいものもあって、いずれにしてもとても勉強になる。
さらに、聞くことについて述べる中で、ウィニコットさんを引いて、環境としての母親やほどよい母親の大切さに述べていて、これがとってもわかりやすい。
他にも、対話が難しい分断の時代に、コミュニケーションを復活させるにはどうしたらいいのか、についての提言など、参考になることがらも多い。
小さな本だが、いろいろと考えさせられるいい本だと思う。 (2022.10 記)