2019年初夏のブログです
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河合隼雄さんの『青春の夢と遊び-シリーズ・生きる』(1994・岩波書店)を再読しました。
これもかなりのひさしぶり。おそらく40代に読んで以来、20数年ぶりかもしれません(河合さん、ごめんなさい)。
しかし、なかなかいい本でした。
そして、今のじーじにも十分、刺激的でした。
本書は、人生について臨床心理学的に考える本が多い河合さんが、当時、唯一、青春期についての本がない、と編集者に指摘をされて書いたというもので、なかなか力が入っています。
河合さんの青春期は戦争中で暗かったといいますが、河合さんでもなんとなく苦手なテーマがあるんだな、と改めて河合さんに親しみが湧きました。
さて、印象に残ったことを一つ、二つ。
まずは、青春の「春」について。
春というとなんとなくおだやかなイメージが湧きますが、実は、死と再生の真っ只中で、おそれ、や、すさまじさ、の時期であると指摘されます。
そういえば、精神科の患者さんが春に体調を崩されるかたが多いのですが、それもなんとなくうなずけます。
二つめは、おとなになる時の苦しみについて。
河合さんは、村上春樹さんの『羊の冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』をひかれて、思っても、口に出してはいけないことがある、それができるのがおとなになること、と指摘されます。
また、今江祥智さんの『牧歌』をひいて、人には言っていいことと悪いことがある、そのあやまちを償えるのは創造的な行為を通してだけである、と述べます。
ここの人生観はすごいなと感動をしました。
そして、創造といえば遊び、というくらい密接ですが、遊びは一方で死に近く、危険なものでもあることも指摘されます。
このところ、村上春樹さんを読んでいたのは、おそらくこのあたりのことと関係があったかもしれず、生きることの苦しさや辛さ、哀しさや、その一方での、小さな喜びを感じることなどをぼんやりと考えていた気がします。
いい本が読めて、幸せです。 (2019.6 記)
そんなことわざわざ言う必要ないのにと思ってしまいますから。
と、こんな余計なことを言ってごめんなさい。
しかしながら、じーじの勉強不足は本当に謝るしかありません。
もっときちんと勉強していれば今頃は…、と反省ばかり。
悪気はないのですが、迷惑をかけてしまう人生のようです。
じーじの本も付箋や横線で大変なことになっています。
難しいことをわかりやすく述べるというのは、やはりかなりの力量がないと駄目ですね。
じーじも微力ながら、もう少しだけ頑張ってみます。