2018年のブログです
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沢木耕太郎さんの『深夜特急2-マレー半島・シンガポール』(1994・新潮文庫)を再読しました。
これまでに書いてきたようないきさつで、なぜかジグザグに出発点に遡るような形で読んでいますが、じーじの場合、これもまたいいのでしょう(?)。
この巻では、海外へのひとり旅に出ることになったいきさつやその前の大企業に就職が決まっていたのに一日でやめてしまったエピソードなどが語られ、沢木さんの破天荒ぶりにびっくりしますし、なるほどそういうことだったのか、と改めて了解ができるようなことが書かれてます。
旅の仕方も後の巻に比べるとまだまだ初々しいですし(?)、ニュージーランドから来た同じような若者たちを先輩づらをする沢木さんも初々しく感じます。
意識してそう書いているわけではないのでしょうが、そういうことがわかるって、文章の面白いところでしょうし、人生にも通じることなのかもしれません。
そして、沢木さんの魅力は、へんな偏見がないところでしょうか。
娼婦のいるホテルに長逗留をして、娼婦だけでなく、そのヒモさんたちとも友達になったり、食べ物は現地の人たちが食べるものが一番おいしいと言ったり、構えずに庶民的です。
なかなかできることではありませんが、理想です。
なお、今回の巻末対談のゲストは、なんと、高倉健さん。
沢木さんがモハメド・アリの試合のチケットを高倉さんから譲ってもらい、そのレポートを高倉健さんに手紙で書いて送って以来の仲だそうですが、健さんが本当に信頼して、気を許している様子が窺えて、ほほえましいです。
そして、お二人がお好きな国がポルトガル。
やはり、ポルトガルはいい国のようです。
じいじいのじーじでも、チャンスがあれば行ってみたくなりました。
さて、残るは第1巻。
年末の大掃除で見つかるといいのですが…。
かなりの恥ずかしがり屋さんのようで(?)、上手にかくれんぼうをしていますので、どうなりますやら…。 (2018. 11 記)
おっしゃるように、沢木さんに教えていただいたことは多くあります。
好奇心をうまくいかして取材をし、それをいい文章にできる、すばらしい作家さんだと思います。
大切に読んでいきたいと思います。
嗚呼、十代の時に読んでおけばと心の底から思いました。ドキュメンタリーってそんなに好きではなかったのですが、まさに今回ブログ主さまが書かれた通りの感動を僕も味わいました。
その後、氏の単行本の7割方は読みましたが、常に発見があり、僕の世界を広げてくれます。「檀」を読んで、檀一雄の世界を知ったり・・・。
最近では「凍」を読んでから、山岳関係の本ばかり読んでいます。知識わらしべ長者的な刺激を貰っています。
共感しましたので、長文失礼しました。」40