2014年のブログです
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河合隼雄さんの最新刊『私が語り伝えたかったこと』(2014・河出書房新社)を読みました。
河合さんの晩年のインタビューや講演,論文などを集めた一冊です。
一言で感想を述べると,「熱い」です。
静かに,穏やかに,また,いつものようにユーモラスに語っていらっしゃいますが,中身はとても「熱い」です。
その「熱さ」は熱いことで有名な山中康裕さんよりも「熱い」かもしれません(山中さん,すみません)。
もっとも,河合さんは若い時から熱かったと思います。
それでないとあんなに臨床心理学に命を懸けられないと思います。
河合さんはそれで命を縮められたような気もしています。
しかし,男の生き方としては最高なのかもかもしれないとも思います(勝手なことを言って,河合さん,すみません)。
河合さんの渾身の語りを受けて,じーじも力不足な一年寄りながら,心して生きていきたいなと改めて思いました。 (2014.4 記)
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2024年11月の追記です
日本の臨床心理士の制度は河合さん抜きには語れないでしょう。
スクールカウンセラーの制度もそうですね。
その後、公認心理師の制度も政府主導で発足しましたが、独立性と質の高さの担保という観点からみると、臨床心理士にはかなわないでしょう。
河合さんの貢献にはすごいものがあると思います。 (2024.11 記)