山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

はじめに

2025-02-25 07:15:38 | はじめに

不妊・去勢手術の予約ですが、3月の予約は、まだ空いていますので、お早めに!

不妊・去勢手術をご希望で当院を検索した方は、ネット上のガセ情報にだまされないためにも、こちらをお読み下さい???

当院の不妊・去勢手術は抜糸の必要がないため、術後にエリザベス・カラーや服もいらず、ストレスの少ない方法となっています。

電話番号043-483-2201(午前11:30~午後2時くらいまでは昼休憩と手術準備のため対応しにくくなっています 

 【診療時間】

午前9:00から12:00まで

午後は手術が多いため11:30で受付終了となります)

午後4:00から7:00まで

(同じく、受付終了は6:30となっています)

  【休 診 日】 木曜日  

日曜祝日は、基本的に午前中のみの診療となります(日祝は休診のこともあり)。

当院には3台分の駐車場があります。

 当院は、現代医療の過剰な側面に疑問を感じ、精神的にも経済的にも穏やかな診療を心掛けています。必要に応じて漢方薬を用いた診療を行っているので、病を深い視点でとらえることができ、選択の幅も拡がります(他院で処方された西洋医学的な治療との併用も可能です)。 

 また、捨てられてしまったネコちゃんやワンちゃんなどかわいそうな命を減らすべく日々奮闘されている様々なボランティアさんと協力しています(捨てられてしまったネコちゃんやワンちゃんの引き取りはしていません)。  

 ブログのタイトル(以前、山王アニマルクリニック 陰陽〈わんにゃん〉五行というタイトルでした)ですが、古代中国に由来する考えである陰陽とは……

陰とは、日陰(ひかげ)、抑制、滋潤(じじゅん)、女といったイメージ

陽とは、日向(ひなた)、活動、温煦(おんく)、男といったイメージ  

 ……という感じで、世界の中で互いに相対する傾向を持つものを、陰陽(YinYang(インヤン))の2つになんとなく分けてとらえる考えなのです。

 人間と共に歩んできた動物という枠組みで考えてみると……どちらかと言えば、猫は陰で「にゃん」、犬は陽で「わん」と動物病院なので少々?強引にこじつけ「にゃんわん」としてみました。    

 五行とは、木→火→土→金→水という流れで、木を燃やすと火を生じ、火が燃えると土となり、土が時を経ると鉱石(金)を含む山となり、金属を含む鉱脈からは水が湧きだし、水は木々を育む……といった感じでぐるぐると巡りゆくイメージです(相生(そうせい))。  

 その流れとは逆に、木は土の中に根を伸ばし、土は水を堰(せ)き止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は斧(おの)となって木を切る……という互いを制約してゆく流れもあります(相剋(そうこく))。 

 このように、一見関係のなさそうなものとのつながりや相互関係を見出し、バランスを考えてゆく東洋医学(中医学)の根底となるとらえ方を陰陽五行と言います。  

 現代の科学理論が研ぎ澄ましてきた刃は――特に最先端(Cutting Edge)などとマスメディアにもてはやされるものほど――あらゆるものを極端なまでに切り離し続け、今や私たちの心さえも身体とのつながりを失いつつあります(だからこそ得られているものもたくさんあるのかもしれません)。           

 一方、その反発からくる直感によって「神秘的なもの大好き(理屈っぽいのは嫌い)」というような西洋医学を全否定する方向へ行ってしまう人もいます。が、それも多くは絶対的であるように盲信してしまいがちな「科学」という名を借りた極論の支配下にある幻影に過ぎないと思われます。    

 極論と極論がぶつかり合うことで世の中全体としてはバランスが取れるとも言えるので難しい所なのですが……当院では、そのような両極端に偏り過ぎないよう西洋医学と東洋医学のどちらの長所、短所にも向き合いながら――思考停止に陥らない動的な――バランスを取ってゆくことを目標としています。        

 どちらのアプローチがより正しいのか?と単一の方法論にこだわり過ぎる考えでは、失われたつながりを取り戻すことはできません。

 それを可能にするのは、飼い主さん、そしてワンちゃんやネコちゃんたちの声なき声に耳を傾けながら、病の長期的な過程や経済的なことをも視野に入れた結果を重視してゆくことなのではないでしょうか。

当ブログでは、いろいろな本やCDなどをアフィリエイトな形で記事に貼りつけてありますが、私の方に報酬が入るようにはなっていません。

 アマゾンには税金や運送会社との問題などあるようですが…私は日本人一般から見ればマイナーな音楽や本が好きな傾向なので、中古品や日本では発売のない輸入品が購入できたりするのは、とても喜ばしいのです。

 一方、本屋さんやCDショップを物色することが大好きでもあり、ネット販売だけになってしまうのも悲しいのです。

 そのようなわけで、どちらか一方だけになってしまわないことを望んでいます……私としては、どちらも一長一短であることをしっかりと見極め、ケース・バイ・ケースで使い分けていくことを強くオススメします!

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ねえ だっこして

2025-02-25 07:12:03 | 絵本&幼き心

 

 今回紹介するのは、動物病院で働いていると時々向き合わなければならない、やるせない悲しみがテーマとなっているこの絵本です(以前書いたものを再掲載―この絵本は全国の動物病院に置いておく必要があると思います)。

これもまた難しい問題で、お子さんがしばらくの間生まれなかった夫婦ほど?ワンちゃんやネコちゃんを愛情深く飼っていたりするのです。

 愛情深く飼われていた子ほど、前回(  感情という心のモノサシ )書いた愛情に関する標準感覚ラインは高いレベルに設定されています。

いくら愛情深い夫婦でも、出産すれば人間優先になってしまうでしょう。それは仕方のないことなのですが、今までの愛情が深いものであったならあったほど、突然の変化に心理的落差を感じてしまうのです。

これは弟や妹が生まれた時も同じで、先に生まれ王子様やお姫様のような扱いを受けていた子ほど、その落差を受け入れられず親を困らせる何かを起こしてしまうのでしょう。

 愛情とは難しいですね?しっかりと与えつつも与え過ぎないようにしないと……矛盾してますね? でも…人それぞれの葛藤の中にこそ意味があるのだとしたら?

 

 私の知り合いで幼い頃、毎日お兄さんにいじめられていた人がいました……

その人の話によると、お兄さんは赤ちゃんの時から育てやすい子で、そのお母さんは「子どもを育てるのなんて簡単だから、早く生んじゃった方がいいわよ!」などと楽天的に言っていたそうです。

でも、弟であるその人は生まれた直後から何か様子がおかしく、何か苦しさを訴えかけるような声で泣いていたようなのです。

お母さんの話では、新生児黄疸がひどかったらしく、生まれた産院から別の病院へ運ばれ、輸血して命を取り留めた?とのことでした。

どのくらい重症だったのか?はわかりませんが、生まれたばかりの我が子が死にかけたという思いは、過剰な保護に向かうには十分なのでしょう。

 一方、お兄さんは手がかからない子というレッテルをはられていることもあって、さみしい思いを抱いていても「お兄ちゃんはしっかりしているから大丈夫よね」と思われてしまう傾向があったと考えられます。

こうして幼かったお兄さんの言葉にできない悲しみは、納得できない怒りとなって沸騰し、弟に対する様々ないじめに形を変えていったのでしょう。

 

 動物でも人間でも、甘えたい気持ちが強くても一見そのように見えず、悶々とストレスをため込んでしまう損なキャラの子がいることを覚えておいてほしいのです。

「大丈夫だよ…」と言いつつ、ひそかに?この絵本の表紙に描かれているネコのような悲しい瞳をしている子もいると思います。

これがとてもよく描かれているのです!不思議なことにアマゾンの画像からではイマイチそれが伝わらないので、実物を手に取って見ることをオススメします。

 

 難しい問題ですが、もしかすると?凄惨ないじめ事件などの背後にも、抑制がきかなくなるほど納得できない思い、どこに矛先を向ければいいのかさえわからない混乱から生じる怒りがあり、その前には言葉にできない悲しさを物語る瞳があったのかもしれません。

その方は、お兄さんを強く憎んでいた時期もあったようです。でも、お母さんの過剰傾向な保護のせいか?体も弱かったので、そのままではただのマザコンになっていたかもしれず、毎日ケンカの実戦で鍛えられていたおかげで精神的にも体力的にも強くなり、学校ではいじめっ子にも負けないくらいになれたように思うと言っていました。

このように長い目で見ると──特に相反する刺激のバランスが良ければ──表面的に悪いことが、良いことに変化しうるのでしょう。今ではお兄さんにとても感謝しているそうですよ!

 

 ワンちゃんやネコちゃんの話に戻ります……愛情深く室内で飼われ、毛のツヤも良かったややポッチャリ系のワンちゃんやネコちゃんが、お子さんが生まれた途端、室外に閉め出されパサパサ毛や毛玉だらけとなってガリガリに痩せて来院…というような悲しいケースをこれまで何度か経験しています。

まだまだ、というか?これからもネットやテレビの世界では主流派であろう唯一の正しい真理みたいなものに支配され過ぎている人ほど、このような全か無か!という極端な対応をしてしまうのでしょうか。

突然一つだったものが二つになり、どちらか一つしか選べないように感じられる時が来るのでしょう。

 でもそんな時ほど、わかりやすい白黒だけの世界にとらわれないで、複雑ではあってもどちらか一方だけを極端に排除しない道もあることに気付いてほしいのです(具体的なことは当院にご相談下さい──どうしようもない時は、ストレスを緩和する作用のある漢方薬などもあります)。

より幼い命が優先になるのは当然だとしても、少しでもいいから…しっかりと愛情をそそぐことを忘れないで下さいね。

それには、この絵本で表現されているようにダンナさんなどの協力が必要なのでしょう。

 えっ!そう言うおまえは協力してるのか?ですって!?

いや、それは…その…なんと言いましょうか…最近仕事とブログの更新で忙しくって……スミマセン……反省して妻と協力し、細々と更新することにします。

コメント (1)
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