眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

ロッドとロビンのお茶会交遊記

2024-11-29 19:46:12 | わたし記
今日の空。
今日も雨。ぐんぐんと気温が下がって来ました。
朝7時と夜6時の空。

刻々と年末に突入ですね。「うわあ」という感じ(笑)
お休みしているのに、12月だと思うと、なぜか気分は焦る~。
毎年、毎年、本当に忙しくて、年末年始の怒涛のような日々も遠くなって
来ましたが、あれほど大人数の親戚たちと過ごした年末年始の
にぎやかさが懐かしい気持ちもどこかに残っています。
小さかった私としては辛かった思い出でしかありませんが。

思い出話の続きですが、そもそも書きたかったのは、ほんわりとした話でした。

大学3年生に進級するタイミングで引っ越したアパートは、中2階くらいの
高さの1階。女子のひとり暮らしでは2階以上が希望でしたが、物件がなくて、
歩く人の目の高さからは窓から中がのぞき込めない高さの角部屋。
住宅街で家が密集していて、外の街灯も明るいので、妥協したのでした。

1、2年と暮らした場所よりも大学が近くなった上に、今度は買い物が
とても便利。下町感がある商店街にも近く、友達も大学が近くなったので、
大喜び。私もせっせと料理を作り、せっせとバイトをして、大学にも楽しく
通って学んでいました。

続けて長く読んでくださっている方にはおわかりかと思いますが、私は
小さいころから、母に「頭が悪い、顔が悪い」と罵倒され続けたせいで、
自己肯定感が低く、「頭が悪いから勉強しても仕方ない」と思い込み、
全く勉強をしないというアタオカな学生生活をしていました。

高3の夏休みに、私よりも国立大の大学院進学を目指していた大学2年の
兄の方が勉強していて、あまりに私が勉強しないので、父が「よくぞ、
そこまで勉強をしないでいられるな」と、もはや怒るよりも呆れていた
くらいでしたが、私はただ、夏休みには受験対策はせず、40冊くらい、
勉強とは全く関係ない本を読み続けた、ということはよく覚えています。

まあ、そんな風に、勉強して来なかった私ですが、大学進学で上京し、
母と離れたのがお互いによかったのでしょう。母から否定されない日々と、
母が意外に私のまじめさを評価し、信用してくれたことも知り、そこから、
私は勉強することがとても楽しくなって、大学進学で受験勉強から解放されて
遊ぶようになる学生もいる中で、逆にはじめて、学ぶ楽しさを覚え、
大学での勉強はかなり熱心にしていたのでした。

振り返れば、中学、高校にきちんと学んでおけばよかったのではないか
と思いますが、母との確執がある中でのある種のレジスタンスが勉強を
しないことだったので、引きこもりと同様のステップだった気もします。
もちろん、勉強をしなくても、高校も大学も親を心配させることなく、
合格できていた、ということがあったのですけれど。

とりあえず、そんな風に「勉強って楽しい」とるんるんしながら通って
いたある日の休日のこと。「とん、とん」とノックの音がしました。
「だれだろう?」と思いつつ、ドアののぞき穴から外を見ましたが、
だれもいません。「おかしいなあ」と思って、また、玄関から室内に
戻ると、また、「とん、とん、とん、とん」とノックの音。

ちょっとホラーみたいな気分で、のぞき穴から外を見ると、やはり、
人の姿はなく。何かおかしいと思って、視線を下に向けると、そこには
なんと、わんこが2匹。私は、もうおかしくなって大爆笑。
大型犬が、お座りをした姿勢で、前足を上げて、とん、とんとドアを
叩いていたのです。もう、考えもしなかったその場面に笑うしかない。
大型犬とは言え、お座りをしていると、人の背の高さにはとても
足りないので、見えなかったのですが、よもや犬さんがお訪ねになって
くださるとは思いもよらず。びっくりするやらおかしいやら。

ええ。そのわんこさんたちは顔見知り。アパートのおとなりの家で
飼われていて、いつもリードにつながれているのですが、何かの
拍子ではずれたのか、はずしてしまったのか、状況はわかりませんが、
すぐに家の中にお入りいただきました。
そのアパートは玄関が入ってすぐがキッチンの作りになっていて、
2匹はおとなしく、キッチンの床にお座りをしたので、わんこが
食べても問題なさそうなビスケットをさしあげて、お茶のつもりの
お水でお茶会を開いておもてなし(笑)
犬好きとしてはもう、こんなご訪問があるなんて、夢のようで、
本当にあんなにうれしかったことはなかったかもしれません。

白と黒の2匹は何犬だったのでしょうか。大型犬でしたが、ふさふさの
毛並みで、いつも大学の行き帰りに声をかけて、構っていました。
ちょうど、その子たちがいる小さなスペースを見下ろす位置に私の
部屋の窓があったので、そこからも声をかけて交友していたのです。
飼い主さんとお会いすれば、犬たちのことも聞けたのですが、一度も
お会いすることはなく、どこか構われていない様子だったので、
逆に失礼ながら、私は勝手に遊ばせていただいて、癒しの時間を共有。

名前もわからないので、ひそかに名前をつけました。ロッドとロビン。
当時はロック好きだったので、ロッド・スチュアートと、チープ・
トリックのボーカルのロビン・ザンダーからいただいたもの。

ロッドとロビンは私のことを覚えて、歓迎してくれてはいたのですが、
どうして、私の部屋のドアをノックしようと思ったのか。
彼らのいるところから、私の窓に向かって吠えれば、私は気がつく
はずですが、そうはせずに、ぐるっと回る形で、玄関に来ている。
そこが私の部屋の玄関であるということは、彼らには全く見えない。
反対側の位置になるわけで、そこから私が出入りしているのを
彼らが目にすることは全くないはずなのに、的確に私の部屋のドアを
ノックしてくれたことが不思議で仕方なかったのですが、それだけに
本当に「おかしく」て「いと おかし」なできごとでした。

お茶会はとてもなごやかで、2匹はキッチンから部屋の中に入ることは
一切せずにおとなしく、キッチンで過ごしていましたが、飼い主さんが
心配なさるかもと思って、少ししたら、家まで送ってあげたのですが、
2匹はとても従順で、ちゃんとついて来てくれました。
飼い主さんは探されている様子はなく、外飼いで大型犬だったこともあり、
あまり構っていらっしゃらなかったのかもしれません。

その後、ロッドとロビンは友人たちが来ているときにも訪問してくれた
ことがあり、友人たちもびっくり。みんなもロッドとロビンと名前を
覚えて構ってあげていましたが、お茶会の間、友人たちがなでると、
小さな声で「うう」といって威嚇。私には声を出さないでいるので、
ほんとに私に懐いてくれているんだなとうれしい交友だったのです。

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