令和無色のetc日記

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『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』

2021-04-23 23:18:26 | 日記


どうもこんばんは、令和無色です。
今回私が読破した書籍はこちら。




真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ

古本屋で見つけた1冊。
裏表紙のあらすじを見て、購入を決めました。

導入はこんな感じ↓

母親の都合でいろんな家庭に回されて育った女子高生の希実
ある日突然住んでいたアパートが解約されてしまう。
母親は手紙に希実の腹違いの姉がいる場所を残して消えてしまい、
その場所に向かってみるとそこは
真夜中にも関らず営業してたパン屋だった...


ミステリーだと思って買ったけど、全然違かった。
けど買ったことは後悔してません。
むしろすごくのめり込めましたね( ̄^ ̄)


なんといってもキャラクターがいい。




主人公の希実は、小さい頃からいろんな家庭を転々としているため、
かなり大人びいてる。一方学校ではいじめを受けており、徹底的に無視してる。
パン屋さんに居候することになってから、
ドライな性格から少しずつ変わっていく。



そんなパン屋にいるパン作りの弘基と接客専門の暮林も良い。

暮林は30代後半おじさんだが、人を疑うことを知らない善人
笑顔にやられるお客さんも多いけど、実は感情に鈍感
どうしていいか分からないから笑ってるのが、後半でわかったときは驚き。


弘基は美形でヤンチャ系、地盤沈下のせいで家族がバラバラに...
そんな中であった保護司の美和子にだんだん惚れていったが、
パン屋を目指すため美和子がフランスに行ってしまう。

そんな美和子を追いかけて、弘基もフランスに行き
パン作りの修行をしていくが、ある日美和子に彼氏がいることを知る。
最初は彼氏から奪ってやろうと思う弘基だったけど、
美和子は急に事故によって亡くなってしまう。


で、その美和子の彼氏っていうのが暮林さんなんですよ(⌒-⌒; )
美和子さんが亡くなった後に弘基を誘ってパン屋を開くんすよ。
そんなことある( ゚д゚)っていうの連続である。


そしてもう一つは愛情というテーマでしょうか。
希実と母親、こだまくんと織絵さんの親子愛
暮林と美和子、弘基の恋愛
斑目さんの偏愛
ソフィアさんの...隣人愛?

愛のいろんな形を見させられる作品とも言えます。
どこか歪で不完全だけど、そこがまた人間らしく臭くて好きです。

個人的には
織絵さんのちゃんと息子のこだまに向き合えない描写が心に残ってます。

ざっくり設定を話すと、
織絵さんは優秀な医者の父と看護師の母の間に生まれ、
将来を期待されながら厳しい教育環境で育ってきた。
しかし織絵は頭が良くなかった。
それを見かねた父は母親のことを疎んじるようになり、
母親は織絵を恨みながら自殺。

出来の悪い娘を見捨てた父とは冷えた関係になったが、
どうにかまた父に報いるために看護師になるが猛反対される。
自分ではダメだと思った織絵は病院の医師との不貞の末、
出来た子供がこだまだったが、父親はそれを許さなかった。
結局こだまを見る前に父親は他界...

見返そうとしたけど、何も出来ずに終わってしまったのだ。
こだまに関心が無くなっていったのはなったのは言うまでもない。
こだまは年齢を重ねるほどに手がかかるようになってったため、
ネグレクト、DVに走っていく....

その光景はまるで小さな頃の父親と全く変わらず、
そんな自分に嫌気がさして、家に帰らない日々が続く。
ここまで大変な経験をした人間は少ないと思うけど、
子供を育ててあげられない親の心理がなんとなくわかった気がしました。
だからと言って許されるものではないけど...


そして真夜中のパン屋さんはシリーズものだという衝撃の事実。
希実の母親に関することもこの先の章で明らかになるんだろうなぁ
続きがすごい気になります( ̄^ ̄)





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