稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

稲敷市に隕石が落ちた日!?

2013年02月19日 | 日記

2月15日のロシア南部のチェリャビンスク州周辺に
落下した隕石、凄かったですねぇ!!

テレビや新聞、ネット記事などに、隕石の話題が
溢れています。

そんな中、当館にもちょっと変わった問い合わせが…

それは

「昭和2年(1927)に稲敷郡阿波村に隕石が落ちた

 そうなんですが…」というもの。


えええぇぇ!?

稲敷市内に隕石が落ちてたんですかぁ?



という訳で、ちょっと調べてみますと、

東京帝国大学理学部天文学科を卒業し、国立天文台の前身で
技師をされていた神田茂さんという方が書かれた

『日本の天文気象資料』(昭和22年発行)にそれらしい
記述があるそうです。

ただ、残念ながら、この本が入手できなかったので、
詳細はわかりませんでした。

だがしかし、こういう時こそ、「地元のチカラ!」、
「資料館のネットワーク力!」
…ということで、知り合いの方々に電話しまくってみました。

そこで、まず最初に、桜川地区の郷土史の最長老に…。
すると…
「あぁ、知ってるよぉ、須賀津のK山○子さんって人が
石に当たったってゆう話だろ…」
とのこと。

ただ、長老は何かの本でも見たことあるけど、詳しい話は
忘れてしまったご様子。

そこで今度は、阿波在住の市郷土資料調査員の濱田さん
にお電話。

ここでもご本人は、まだまだお若いのでご存じありませんでした。

次から次へとお電話してみたのもの、有力な情報がつかめずに
資料館内に諦めムードが漂い始めたその時、濱田委員より
吉報がもたらされました!

神田清さんの書いた『流星と隕石』(昭和5年、三省堂)
という本の中に「阿波隕石」という項があり、そこに詳しく
紹介されている、というのです。

この本は、近代デジタルライブラリーで閲覧可能ですので、
早速見てみますと、その時の様子が詳細に書かれているでは
ありませんか!

貴重な記録なので、引用しますと…

「八.阿波隕石 一九二七年(昭和二年)四月二八日午前九時頃、
 茨城縣稲敷郡阿波村須賀津の栗山大平氏方に隕石が落ち、それが
 丁度軒先で遊んでいた同氏の二女ちう子(大正十二年生)に當つて
 傷を負はせたといふ事件があつた。その隕石は長さ七・五粍、幅
 五粍、厚さ三粍、重量〇.一九瓦といふ小さいもので、比重は三で
 ある。この隕石はまだ学術的にはその組成、構造が研究されて居
 ないが、若しこれが眞の隕石であるとしたならば、隕石によつて
 人が怪我をしたといふ點で特記せらるべきものであらう」

ということです。

また、濱田さんは須賀津地区在住のお年寄りなどからもお話を伺い、
「証言」を集めてくれたりもしています。

それによりますと、最初、隕石は栗山さん方の萱屋根に落ちたらしく、
屋根から転がり軒先で遊んでいた娘さんの襟足に落ちて火傷したと
いうことでした。

その隕石は、どこかは分かりませんが「学校」に渡したそうで、
その後行方不明となってしまったそうです。ただ、地元の昭和一ケタ代
の方々で、地元の小学校にそういうものがあった、とうことを聞いた
ことのある方はいませんでした…。

また、阿波隕石が落ちてくる時に雲がまわりながら落ちてきた、
というお話を聞いたことがある、という方もおられたようです…。

いつか、「稲敷市に隕石が落ちた日!」ということで、何かお話
ができると面白いのですが…

そういえば、揚げ餅って見ようによっては隕石みたいですかね?
この「隕石ネタ」、稲敷名物に使えると面白いですね!

このような、ちょっとした話題で、まちが活性化すると
楽しいかな、と思います!




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