お盆明けに秋田県を旅してきた。
目的は、夫の「100名城」スタンプ集めと、
夫婦ではまっている位置ゲーアプリ「ニッポン城めぐり」の
城ポチだった。
でも・・・
秋田へ行こうと決めた瞬間、
メラメラと火が点いてしまった。
蝦夷(えみし)
蝦夷とは「まつろわぬ民」、大和朝廷に服従しなかった人たちのこと。
その英雄が「アテルイ」。
松本幸四郎丈が、まだ市川染五郎さんだった頃に
劇団☆新感線の舞台「アテルイ」で主演をなさった。
民のため、心ならずも戦う道を選び、
だまし討ちにあうアテルイ・・・
若き日の幸四郎丈の凜々しく美しかったこと!
(今もお慕いしております♥)
染五郎丈(現・松本幸四郎)は本当に「アテルイ」がお好きで、
その後、歌舞伎NEXT「阿弖流為(アテルイ)」として
新作歌舞伎にも仕立てられている。
新橋演舞場で何度も拝見し、大阪にも「阿弖流為」を追って遠征した。
これをもとにしたシネマ歌舞伎も忘れがたい・・・
DVDは、劇団☆新感線版も新作歌舞伎版も持っているけれど、
好きすぎて観られない。(1度も観ていないかもw)
観たら最後、号泣必至。何も手に着かなくなっちゃう・・・
とにかく、幸四郎丈のおかげで、
わたしは、すっかりアテルイと蝦夷に夢中になってしまったのだ。
蝦夷と言えば、1993年のNHK大河ドラマ「炎立つ」。
こちらは、蝦夷である、安倍氏3代にわたる物語だった。
当時も面白く観てはいたが・・・
舞台をきっかけに「アテルイ」の蝦夷だったのだと、
目の色が変わった。
あわてて原作者・高橋克彦氏の「陸奥三部作」を夢中で読んだ。
「陸奥三部作」とは、時代順に並べると
『火怨ー 北の燿星アテルイ』『炎立つ』
そして『天を衝くー秀吉に喧嘩を売った男 九戸政実 』のこと。
夢中で読んでは、東北に出かけた。
『炎立つ』を片手に、安倍氏ゆかりの地をめぐり、
『天を衝く』では九戸城を歩いた。
どちらも岩手県。
宮沢賢治の故郷でもある岩手は、
大好きな東北の中でも頭一つ抜けていた。
それが蝦夷に惹かれると、拍車がかかったw
そんな経緯があったので、
今年、秋田へ行こう、と決めたとたん、
久しぶりに「蝦夷」熱に火が点いてしまう。
実は、秋田・出羽国も、岩手・陸奥に続き、
蝦夷をめぐる重要な土地なのだ。
さっそく、読み返したのは「炎立つ」の第4巻『冥き稲妻』。
「後三年の役」がテーマの巻だ。
安倍氏の嫡流である清衡が、源義家の力を借りて、
清原氏を倒し、奥州藤原氏の祖となるまでが描かれる。
清原氏は安倍氏を滅ぼした出羽の豪族、
その主だった一族は、地盤である出羽・秋田で、義家・清衡軍に敗れた。
大河ドラマ「炎立つ」では、奥州藤原氏の初代・清衡を、
岩手出身の村上弘明さんが演じている。
父である藤原経清と4代目泰衡の役は渡辺謙さんだった。
秋田行きを前に『炎立つ』を読みかえし、
「こんなにおもしろかったっけ?」と圧倒された。
高橋克彦ワールドの疾走感は、今、読んでも凄い。
1度読み出したら、読み切らずにはいられないw
(目の負担が~~~!)
大河ドラマ版についても、詳しく思い出したくて
とうとう古本サイトで、
「大河ドラマストーリー 炎立つ」まで買ってしまったw
そもそも、ドラマの企画から依頼され
高橋克彦氏は「炎立つ」を執筆されたとのこと。
制作陣と共に高橋氏もシナリオハンティングに出かけたそうだ。
さて、わたしの出羽・秋田県の旅。
「ニッポン城めぐり」で
「柵」「館タチ」の文字がつく「城跡」をポチする度に、
蝦夷ゆかりの地ではないか、とワクワクした。
どちらも古代における「城」を意味するからだ。
だが・・・
気持ちとは裏腹に体力がついていかない。
大河ドラマ「炎立つ」は1993年、劇団☆新感線の舞台が2002年、
新作歌舞伎「阿弖流為」だって2015年。
もう、あの頃とは違うのだ。
今ならネットを駆使し、いろいろな情報を得られるのだろうけれど、
そこまでする時間もない。
日々のあれこれに追われる中、睡眠時間を削って・・・など
ヘタレなシニアには御法度だ。
ということで、あちこちに心を残しながらも
横手市「金沢城カネザワジョウ」(↑)と「後三年合戦金沢資料館」は訪ねた。
それだって、暑すぎて、かなり割愛してしまったという体たらく。
それでも、この高揚感。
良いなぁ、嬉しいなぁ~~~~
もう一度、九戸城や平泉も行きたい!
これから、旅先をめぐり、夫と長い交渉が始まる・・・かもw
あ、体力もつけておかなきゃね。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
素人が勝手なことを書き散らしたブログです。
間違いや勘違いもあるかと存じますが、
どうぞお許し下さいませ。