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仕掛け人は「東芝のクローザー」 水素燃料にデータ改革 東芝再出発②デジタル敗戦の向こうへ

2024-04-09 22:20:36 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業



 

水素燃料による発電システムをつくる東芝の工場(川崎市)の一室。張り巡らされたセンサーから5秒ごとにデータが送られてくる。

モニターに映るのは656項目のデータからはじき出された曲線や数字。生産ラインを流れる黒い正方形の「セルスタック」がどう作られているのか、刻々と変わる状況が手に取るように分かる。

「IoTでこんな世界が実現するとはねえ」

 

感慨深げに話すのが、スマート工場の仕掛け人である山崎英昭だ。1982年に入社して以来、デジタル機器の工場を渡り歩いてきた生産のプロ。

だが、山崎にはありがたくないニックネームがある。「東芝のクローザー」。在籍したいずれの工場も閉鎖(クローズ)の憂き目にあったからだ。

 

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山崎英昭氏は東芝エネルギーシステムズで水素燃料装置の生産改革に携わった

クリーンエネルギーを供給する水素燃料装置は、2015年に不正会計が発覚して以降、次々と事業売却を迫られた東芝に残された貴重な次世代のタネだ。

東芝は発電効率で世界最高水準を実現しており、売り込みに力を入れている。

 

その生産現場を託されたのが、なぜ「クローザー」なのか。山崎はさまざまなデジタル機器工場で究極のものづくりを目指した「伝道師」でもあったからだ。

 

「ナンバーワンの伝道師」が見たもの

山崎は東芝に入社する際、「これからはコンピューターの時代」と考え、パソコンやワープロを作る青梅事業所(東京都青梅市)を希望した。

金型の設計技師としてキャリアを積んだ入社8年目の1989年に青梅が生み出したのが世界初のノートパソコン「ダイナブック」だった。

 

瞬く間に世界シェア首位に上り詰め活気にわく工場内で語られたのが、「青梅ナンバーワン活動」だ。数ある東芝の工場の中で青梅を稼ぎ頭に育てようというものだ。

さらにノウハウを他のデジタル機器工場にも展開して東芝全体の競争力を高めようともくろんだ。

 

山崎も「ナンバーワンの伝道師」のひとりに選ばれた。派遣されたのは、テレビを生産する深谷事業所(埼玉県深谷市)。ところが、そこで見たのは「ノートパソコンの東芝」とはまったく違う光景だった。

05年の当時は液晶テレビなどデジタル家電が普及期を迎えており、深谷でも大増産の準備が着々と進められていた。深谷は24時間体制で稼働し、海外出身者も多いため9言語が飛び交ったが、問題を抱えていた。

 

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深谷事業所(埼玉県深谷市)では液晶テレビの生産をやりくりしていたが……。

液晶テレビで当時の東芝の国内シェアは1割。首位のシャープなどからは大きく引き離される4位にとどまっていた。

当時は液晶パネルの争奪戦が深刻化し、弱小の東芝は後回しにされる。山崎は「ひどい時には前日やその日にならないと(調達できるパネルの)量が分からなかった」と振り返る。

 

弱者の兵法

そこで始めたのが「1Day TAT(ワンデー・タット)」という取り組みだった。どの機種をどれだけ作るのかを毎日その日に決めて1日単位でものづくりを回す。

青梅で培った在庫を極力減らすリーン生産のノウハウを発展させたものと言えば聞こえはよいが、その実態は基幹部品であるパネルを持たない東芝がひねり出した弱者の兵法と言う方が正確だろう。

 

日本の製造業が磨いてきた、サプライチェーンとの擦り合わせの妙。それが生かせない弥縫(びほう)策はすぐに破綻する

。08年のリーマン・ショック後に政府が導入したエコポイントによるデジタル家電の販売促進策が終わると、需要が激減した。生産機能は海外に取って代わられ、わずか1年で深谷の生産台数は10分の1近くに落ち込んだ。

 

この頃に深谷の所長となった山崎は工場の存続に奔走したが、すでに勝負はついていた。

12年に深谷の生産終了を見届けると、インドネシアの工場に渡る。ただ、こちらもわずか3年で中国企業に売却された。会計不正のあおりを受けたためだ。

 

時を同じくして出身母体の青梅も閉鎖された。「『東芝のクローザー』。おまえが持って生まれた星だな」。ある先輩から冗談のようにかけられた言葉が、グサリと胸に突き刺さった。

敗北感を味わったのは山崎だけではないだろう。パソコン、テレビ、携帯電話。東芝の主力デジタル機器は全敗の様相を呈し、いずれの事業からも実質的に撤退した。

 

この時点でデジタル機器の生産に携わって34年。行き場を失いかけた山崎に思わぬ部署から声がかかった。それが水素燃料装置の工場だった。聞けば、量産の立ち上げに苦慮しているという。

 

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東芝の水素燃料装置はスマート工場や商業施設で利用されている

中核部品である「セルスタック」という黒い膜をつくる、川崎市の工場。ここで山崎は、ずっと温めていたものづくりの形を実現しようと思った。

リアルタイムでデータをフル活用するスマート工場の構築だ。17年に燃料電池子会社(当時)の社長に就任すると、生産現場に組み込むためのロードマップを練り始めた。

 

「考える工場」へ

化学の要素が強い水素燃料の部品では、品質のばらつきをいかに抑えるかが最大の課題となる。

データを駆使して品質を担保する仕組みが生かしやすい領域だ。テレビでは果たせなかった「強い工場」の実現が見えた気がした。

 

20年ごろから工場のデータ化に着手すると2年ほどで成果が見え始めた。例えば、1回の試験で製品が合格に達する割合を表す「ワンパス率」。以前は最高83%にとどまっていたが、現在はおおむね95%前後で推移するようになった。

3月末、長く勤めた東芝を去った。青梅や深谷で培った技術を注ぎ込んだ水素燃料装置の工場は今、増強投資のただ中だ。山崎には後輩たちに託した次の構想がある。人工知能(AI)を駆使して生産ラインが自ら問題を修正できる「考える工場」の実現だ。

 

「東芝のクローザー」が残したものづくりの熱量は、形を変えて今日も進化する。

=敬称略

(大西綾、杉本貴司)

 

東芝再出発 デジタル敗戦の向こうへ
③「ひらけ東芝」、周回遅れの脱自前主義 携帯敗戦の教訓(4月10日公開予定)
④東芝、ダイナブックの父からの宿題 危機こそ自己破壊を(4月11日公開予定)
 
 
 
日経記事2024.04.09より引用
 
 
 

ニコン、金属用の新型3Dプリンター タービンの補修に 電機

2024-04-09 22:16:20 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


   ニコンは産業用タービンの補修に使う金属3Dプリンターを発売する(右が金属3Dプリンター)

 

 

ニコンは9日、金属加工用の3次元(3D)プリンターを今春に発売すると発表した。産業用タービン部品の補修に使う金属の加工などでの利用を想定する。

従来の溶接工程に比べ、作業時間を最大65%削減できる。

 

金属用の3Dプリンターの新製品としては約3年ぶり。3Dスキャナーとセットで販売する。セット価格は税抜きで約1億3000万円。

発電施設で燃焼ガスから動力を取り出すガスタービンなどに使われる「タービンブレード」と呼ばれる部品の補修に使う。これまではブレードごとに摩耗した部分を研削し、手作業の溶接などで補修していた。

 

開発にはニコンが半導体露光装置の開発で培った光学技術などを取り入れた。タービンブレードは航空機のエンジンなどにも使われており、国内外の顧客を開拓する。

 

 

日経記事2024.04.09より引用

 

 


富士フイルムとアストラゼネカ、肺がん治療支援システム

2024-04-09 22:11:42 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


富士フイルムと英アストラゼネカ日本法人は、肺がんの治療計画の策定を支援する情報システムを開発した

 

 

富士フイルムと英製薬アストラゼネカの日本法人は9日、肺がん治療を支援する情報システムを開発したと発表した。

過去の治療計画を調べることができるため、医師はその後の治療計画を策定しやすくなる。医師の負担を減らしつつ、患者の治療効果も高められるとみている。

 

新たに開発したシステムでは、肺がんの一種である「非小細胞肺がん」の治療記録が調べられる。放射線治療と抗がん剤などの化学療法を組み合わせる「化学放射線療法(CRT)」を用いた過去の治療計画が閲覧できる。

CRTは放射線を使うため、肺の炎症などの副作用が生じるリスクがある。開発した情報システムを使うことで、似た症状の患者にどのような治療方針がとられたのかを参考にしながらその後の治療計画を立てやすくなる。

 

新システムは両社が2021年から共同開発を進めてきた。アストラゼネカが14の医療機関から約1900症例の放射線治療計画の情報を収集した。富士フイルムがデータベース化や検索機能の開発を担当した。

富士フイルムが病院向けに提供する画像解析システムの「シナプス・ヴィンセント」のオプション機能として、4月10日から利用できるようになる。

 

 

日経記事2024.04.09より引用

 

 

 

 


信越化学、半導体素材で56年ぶり国内新工場 供給網強化

2024-04-09 21:58:07 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業



信越化学工業が群馬県に半導体素材の新工場をつくることが8日、わかった。

国内での製造拠点新設は56年ぶり。三井化学も山口県の拠点で増産体制を整える。

 

半導体の製造装置や素材は日本企業のシェアが高い製品が多い。戦略物資として各国が半導体産業の集積を進めており、日本でも素材まで含めたサプライチェーン(供給網)づくりが本格化する。

信越化学の新工場は2026年に完成し、フォトレジスト(感光材)や原版材料といった半導体ウエハーに回路を描く露光工程で使う材料を生産する。

 

群馬県伊勢崎市に約15万平方メートルの事業用地を取得し、約830億円を投じる。国内での拠点新設は塩化ビニール樹脂などを手がける1970年の鹿島工場以来となる。

露光材料の中でもフォトレジストは日本企業が強みを持つ素材のひとつ。

特に信越化学は世界シェアが約2割で、先端品に限ると4割以上とみられる。現在は新潟県と台湾で生産しており、台湾は2021年、新潟県は22年に増設している。

 

新拠点は半導体材料の戦略的な拠点として韓国や米国などへの輸出も担うほか、将来的には研究開発も手がける方針。

 

 

三井化学は半導体回路の原版を保護する薄い膜材料「ペリクル」を生産する山口県の工場を増設する。

50億〜90億円を投じて、25〜26年に従来品より性能を高めた製品を量産する。ペリクルは露光装置で半導体ウエハーにレーザーを当てて回路を描く際、原版に傷やホコリが付着するのを防ぐ。

 

露光装置を手がけるオランダのASMLは、より微細な回路を描ける次世代装置の投入を予定している。

三井化学はそれに合わせて材料にカーボンナノチューブ(CNT)を採用し、従来品よりも強度と光の透過率を高めた次世代品を発売する。

 

 

日本は経済安保の観点からも半導体の国内生産に取り組んでいる。

台湾積体電路製造(TSMC)は熊本県に日本初の生産拠点を設け、稼働を始めた。ラピダスは北海道に工場を新設し、27年にも生産を始める計画。

 

半導体生産に必要な材料も国内で調達できるようにすることは、供給網の強化につながる。日本酸素ホールディングスは製造時に使うネオンを26年めどに国産化し、富士フイルムは研磨剤「CMPスラリー」の国内生産を始めた。

半導体材料はマニュアル化できないノウハウや知見を持つ現場の職人的な技術蓄積がモノをいう分野でもあり、日本が技術優位性を保っている。

 

英調査会社オムディアによると、日本勢の半導体材料主要6品目のシェアは約5割と、台湾の17%、韓国の13%を大きく上回る。

ただ高性能化する半導体の生産に最適な素材や装置を開発するには顧客との継続的な擦り合わせによる改善が欠かせない。そのため一部の素材や装置で、生産や研究開発の拠点を海外に設ける動きが広がっていた。

 

半導体の供給網強化は各国が取り組んでいる。韓国は2030年までに、装置や材料の外国企業の誘致を拡大する目標を掲げ、半導体産業の企業を誘致する大規模な工場団地の建設を進めている。

台湾は20年に材料の自主生産を目標に掲げ、総額56億台湾ドル(約264億円)の予算を確保した。

(藤生貴子、渡辺伸)

 

 

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日経記事2024.04.08より引用

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ローム、CBで2000億円調達 東芝へ拠出の借り入れ返済

2024-04-09 21:53:41 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


             ロームはCBで2000億円を調達する

 

ロームは8日、ユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行し、2000億円を調達すると発表した。

東芝の非上場化に向けたスキームへ3000億円を拠出するため、同額を金融機関からブリッジローン(つなぎ融資)で借り入れている。CBの発行で得た資金を返済の一部に充当する。

 

CBは利息が付かないゼロクーポン債とする。払込期日は4月24日で、欧州とアジアを中心に米国とカナダを除く市場から募る。

償還期限は29年4月24日と31年4月24日で、それぞれ1000億円。

 

ロームは日本産業パートナーズ(JIP)と国内企業連合が約2兆円を投じた東芝株のTOB(株式公開買い付け)に参画した。総額で3000億円を拠出している。

 

 

 

日経記事2024.04.09より引用