ヴェトナムのサンドイッチ「バインミー」
ヴェトナム南部で、店で売られていたサンドイッチ「バインミー」を食べた人が相次ぎ食中毒とみられる症状を発症し、6日までに500人以上が病院に運ばれた。うち12人が重体となっている。当局が6日、明らかにした。
南部ドンナイ省ロンカイン市の当局によると、4月30日に市内のパン屋「バン(Bang)」のバインミーを食べた少なくとも560人が体調不良に陥った。うち200人はすでに病院から自宅に戻っているという。
バインミーはヴェトナムの伝統的なサンドイッチで、フランス風のバゲットに冷たいロースト肉やパテ、野菜を詰めたもの。
市当局によると、「バン」は毎日1100個近くのバインミーを売っている。同店は現在、営業が一時停止されているという。
現地の病院は、食中毒が疑われる患者が日々増えていると報告している。下痢、嘔吐(おうと)、発熱、激しい腹痛などの症状がみられるという。
重体患者には6~7歳の少年2人が含まれているとされる。
現地紙は、ドンナイ小児病院で集中治療を受けている子ども3人の母親の話として、肉を追加したバインミーを子どもたちが食べたところ、24時間たたないうちに子ども全員に食中毒の症状が出始めたと伝えた。
ヴェトナムはこのところ熱波に見舞われており、バインミーが腐ったのではないかと疑われている。
「バン」に対する初期検査では、同店が食品安全基準を満たしていないことが判明した。
現地の保健当局は5日の段階で、重体となった何人かの血液を検査した結果、通常は牛肉やチーズ、果物などの生鮮食品で見られる大腸菌が検出されたと発表していた。
警察は食中毒の原因究明に向け、捜査を開始したという。