インドではSUV「アーバンクルーザーハイライダー」が好調だった(2月、ニューデリー)
トヨタ自動車が28日発表した10月の世界販売台数は、前年同月比1%増の90万3103台だった。前年を上回るのは5カ月ぶりで、同月として過去最高を更新した。
認証不正に伴う生産・販売停止の影響がなくなったことに加え、インドなどで多目的スポーツ車(SUV)が好調に推移した。
国内販売は7%増の14万3548台だった。車の量産に必要な「型式指定」の不正があった「ヤリスクロス」など3車種について、9月26日から受注を再開した。台風10号の影響で、9月分の新車登録が10月にずれ込んだ。
海外販売は微増の75万9555台だった。地域別ではインドが42%増だった。ヒンズー教の新年を祝う「ディワリ」商戦の需要を取り込み、SUVやミニバンの販売が伸びた。欧州も1%増で前年並みを維持した。
中国は現地メーカーとの競争が激化しているが、微減に踏みとどまった。インフルエンサーを起用したプロモーション戦略などが奏功し、ミニバン「グランビア」や「シエナ」が好調だった。
世界での電動車販売は30%増の42万4699台と、全体の5割弱を占めた。ハイブリッド車(HV)は28%増で、欧米で「ヤリス」「カムリ」などが人気を集めた。プラグインハイブリッド車(PHV)は32%増、電気自動車(EV)は12%増だった。
世界生産は1%減の89万3164台で、9カ月連続で前年を下回った。国内生産は8%増の30万6059台だった。23年10月に取引先の中央発條の工場で爆発事故が発生し、車両生産が滞った反動増があった。
海外生産は米国でのリコール(回収・無償修理)などの影響もあり、5%減の58万7105台だった。
日経記事2024.11.28より引用