キューバのグアンタナモ米海軍基地で、不法移民用のテントが建設されている(21日)=ロイター
【ワシントン=飛田臨太郎】
米政府は26日、第2次トランプ政権が発足してから1カ月で2万人超の不法移民を逮捕したと発表した。バイデン前政権下の月平均(2024年)と比べて7倍になったと主張した。不法移民をキューバのグアンタナモ米海軍基地に移送する計画は難航している。
所管する移民・税関捜査局(ICE)の捜査員が全米各地で犯罪歴のある不法移民を優先して摘発を進めている。今後、犯罪歴のない人にも対象を広げる。
第2次トランプ政権発足後の1カ月で外国に送還した数は3万7660人で、バイデン前政権の月平均(24年)の5万7000人を大きく下回った。ロイター通信が国土安全保障省のデータを分析した。
逮捕した人は一時的に国内の収容施設に滞在してから外国に送られる。今後、送還される人の数も増える可能性が高い。
米CNNはグアンタナモ基地での収容所の整備が止まっていると報じた。トランプ大統領は3万人を送り込むと表明していた。電気やエアコンが整っておらず、拘留する基準を満たしていないためという。
ヘグセス国防長官は25日に現地を訪問し、計画が予定通り進んでいると訴えようと試みたが、準備不足が露呈している。
トランプ政権には残酷な拷問や劣悪な環境で批判を浴びてきたグアンタナモ収容所の悪名を逆手にとって、米国に越境・滞在しようとする人の意欲をそぐ狙いがある。
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