セミコン・ジャパンで講演する米IBM半導体部門のムケシュ・カレ氏(13日、東京都江東区)
米IBMの半導体部門を統括するムケシュ・カレ氏は13日、最先端の半導体の量産を目指すラピダスが狙う2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体は「『7ナノ』のものに比べ電力消費が75%少ない」と話した。
生成AI(人工知能)の普及で世界で電力消費が膨らんでおり、省電力を強みにできるとの見方を示した。
同日、東京ビッグサイト(東京・江東)で開催中の半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン」で講演した。
IBMは最先端半導体を製造するのに必要な技術をラピダスに供与している。ラピダスは2027年の量産開始を目指している。
現在、7ナノ台の半導体は台湾の台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルなどが生産する先端品だ。
IBMとラピダスは22年、さらに線幅が微細な2ナノの半導体の製造で提携した。
カレ氏は講演でラピダスが北海道千歳市に建設中の新工場を訪れたことを明かした。
カレ氏は「施設を見て素晴らしかった。2つの大国が先端半導体をつくる大きなミッションで協力する一例だ」と述べた。
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日経記事2024.12.14より引用