取材に応じるタドウィール・グループのアリ・アル・ダヘリCEO(9日、東京都千代田区)
アラブ首長国連邦(UAE)の公営廃棄物処理公社、タドウィール・グループは日本の化学関連企業と組み、本社を置くアブダビで最先端のプラスチックリサイクル施設を建設する。
投資額は最大400億円規模を見込み、2026〜27年の稼働をめざす。同社は発電事業で丸紅などと組んでおり、技術や知見を持つ日本企業と連携を拡大する。
タドウィールのアリ・アル・ダヘリ最高経営責任者(CEO)が10日までに明らかにした。
ペットボトル原料や包装容器など多様なプラスチックを再生でき、アブダビで初となるプラスチックを原料段階まで戻す最先端技術も導入する。アル・ダヘリ氏は「技術力を持つ2〜3社の日本企業が候補で、今後3〜6カ月で連携するパートナーを選びたい」と話す。
施設への投資額については「処理能力によって異なるが、1億〜3億ドル(148億円〜440億円)になるだろう」とし、「日本企業と共同で投資する可能性もある」と述べた。
「他の国の技術も見ているが、当社の要求に合致するのは日本だ」とした。日本はペットボトルの再生率が高く、他のプラスチックでも再利用の技術が進んでいる。
UAEではドバイなども含めてプラスチックのリサイクルが遅れており、回収後に他国へ輸出する場合が多いという。タドウィールは金属やプラスチックなどを回収・分別する大型施設も27年までにアブダビで稼働させる計画を公表済みだ。
同社は24年3月、カナデビア(旧日立造船)の子会社や丸紅などと組み、アブダビで初となるごみを燃やして動かす発電所を27年に稼働させる計画を発表した。
日本国内外でごみ焼却発電の実績を持つカナデビア子会社などの廃棄物処理技術に期待している。
日系企業2024.10.10より引用