ヤゲオは芝浦電子の完全子会社化に向けTOBを予定している
【台北=龍元秀明】
台湾電子部品大手の国巨(ヤゲオ)の陳彦松・最高財務責任者(CFO)は27日、芝浦電子への買収提案を巡り「2025年第3四半期(7〜9月期)に取引を完了したい」と語った。
同日開いた24年10〜12月期決算のオンライン形式の説明会で話した。ヤゲオは東証スタンダード上場の芝浦電子の完全子会社化に向け5月7日にTOB(株式公開買い付け)を始める予定。
現時点で芝浦電子の賛同は得られていない。
陳氏は温度センサーを手掛ける芝浦電子について、日本とアジア向けの売上高比率が高いと説明。ヤゲオが欧米向けの販路を提供できると強調した。「(芝浦電子の)研究開発(R&D)にリソースを提供し続ける」とも述べた。
10〜12月期決算は売上高が前年同期比10%増の300億台湾ドル(約1370億円)、純利益は23%減の36億台湾ドルだった。人工知能(AI)向けにコンデンサーや抵抗器の需要が好調だった半面、産業機器向けなどは停滞した。
同日発表した24年12月期決算は売上高が前の期比13%増の1216億台湾ドル、純利益は11%増の193億台湾ドルだった。増益は3期ぶり。欧州メーカーの買収効果やAI向けの需要拡大が寄与した。
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