きのう、きょうと北海道内の工務店グループ・アース21の例会。
毎回、開催地の工務店施工の住宅見学を行っています。
今回は、登別・室蘭の事例を見学いたしました。
登別市と室蘭市は隣接したツインシティ。
あわせて17~8万人の人口規模の地域。
そういった地域の中で、デザインに注力して
「この街にないデザインの空間を作りたい」
という志向で作っているビルダーもいます。
こういう志向性って、わかりやすいし、頼む方とのコラボレーションも
等身大の人間関係をそのまま表現していて、
共感度が高いと思います。
デザインといっても、そこに人間性の表出が見えない、
タダ単なる表面的デザインで、紙の上でのプランで決定した、
っていうようなプロセスが見える場合、
見る場合に、共感のレベルがグッと落ちてしまう部分がある。
やはり住宅デザインって、そういう平面図ではないと思う。
もっと直接的で、具体的な手業に関わってくるような部分ではないか。
そんな思いを持って見ていたのですが、
目が点になっていたのは、ごらんのような竹組みのインテリア。
スキップフロアを採用して、
その仕切りに、こういう竹組を造作しています。
簡単に、竹組みと言うけれど、
目をこらしてみると、実に細かな作業が伝わってくる。
神は細部に宿る、といいますが、
竹と床の接合はそれぞれの竹に合わせて穴を穿って、
そこに差し込み、R形状の竹を手すり的にあしらって横桟的な竹と、
植物素材の紐縄で結束していく。
どう考えても、手作りしかありえないような空間要素。
こういう竹組が居間の目に見える範囲に展開している。
結束部分だけでも、数百くらいある。
竹の質感って剛直ではなく、さりとて繊細、とまではならない、
その中間的な、独特の質感を持っている。
それを建築的な材料として生かす、というのは、
確かに日本人には、古くからある感受性の部分。
塗り壁下地の竹木舞とか、それがそのまま現れている窓など、
日本人にはなじみのある素材ですね。
ただ、こういう建築素材に使える竹は北海道にはないので、
本州地域から持ってくるものですね。
こういう空間性への挑戦って、見ていて清々しいものがある。
たのしい見学でした。