イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ひらいたダンス

2009-06-10 00:30:36 | 映画

今週のアタマ(8日)からでしょうか、『つばさ』に石橋蓮司さんの顔が見えますね。『仮面ライダーディケイド』では白髪ボブの光写真館館長役で不思議な味を出しておられますが、こちらではこえど女将麻子さん(井上和香さん)のお父さん?でやや老けメイク。いつの間にか、NHK大河ドラマには欠かせない重鎮俳優さんのひとりなだけではなく、朝ドラに、親世代以上の老けどころで出ておられても違和感がなくなりましたね。

月河は石橋さんといえばいまだに『探偵物語』などの松田優作さんの僚友というイメージがありますね。実際、ガチ共演された作品は何本あるのか未知ですが、『探偵~』で石橋さんゲストインのエピの予告篇で、松田さんみずからのナレーションで、石橋さんの扮する役のことを、役名でも設定(=殺し屋)でもなく「イシバシレンジ」と言っておられたのがいまだに忘れられないんです。石橋さん当時38歳、松田さん30歳。芝居歴的には石橋さんのほうがだいぶ先輩なイメージですが、あーなんかあの2人、芸風的に仲よさそう…と思ったものでした。

 ひと頃は悪役、ヤクザなど裏社会役、もしくは“怪役”以外が想像しにくかった石橋さんも、いまや頑固親父役や職人気質役、気難しいけど愛すべき上司役に、知能犯のエリート役など実に幅の広い役者さんになられました。ご存命なら今年還暦を迎えられるはずだった松田優作さんの分も、多岐なご活躍を長く期待したいものです。

そう言えば81年の角川映画『悪霊島』で、ワンカット女装する役の石橋さんも忘れ難いものがありますね。劇場で観たとき「え!?何、いまの!」と軽く衝撃が走ったっけ。のちにレンタルビデオが普及し自前でビデオデッキを持って間もなく、あの1シーンをもう一度観たいばかりに、日本映画としては最初に借りたタイトルがアレでした。

NHK朝ドラと言えば、『瞳』のダンス上等・ローズマリーの由香ちゃん役田野アサミさんが『夏の秘密』に参戦。第1話で、撮影会現場に日焼け水着痕つけてきてクビになるモデル役の段階では、役名もありませんでしたが、昨日第6話からは伊織(瀬川亮さん)の働く工作所の跳ねッ返り次女セリ役として、引っ込み思案で溜め込み体質の長女・フキ(小橋めぐみさん)にネジ巻いたり、偽名で潜入調査中の紀保(山田麻衣子さん)に脅迫まがいの取引を持ちかけるなど、結構動きの多い重要な役のようです。

2時間サスペンスなら、「重大な発見しちゃった」と主人公に電話かなんかで告げた直後殺されそうなポジションだけど、そんなに死体の多く上がるドラマとも思えないので、ヒロインの味方になるか敵になるか。

すらっとした四肢の長さと、一見チャラい、キャバい雰囲気が昨年の『白と黒』のサリナ(桂亜沙美さん)を思い出させますが、より地上的というか、がらっぱちな“私は天使じゃない”って感じが田野さんの魅力のよう。私欲とか世に出たい欲のために敵に回るとしても、最後まで敵のままというキャラではない気がします。

“ドレスデザイナーの紀保先生”と認識しても、何はさておきあのときのクビの恨みを!…とは出なかったし。

昼帯ドラマも、何年も、何作もウォッチしていると、出てくる俳優さんがあらかた“この枠常連”みたいな顔触れになって、皆さんプロだけにその都度違ったキャラをちゃんと演じてはくれるのですが、なんとなーく本筋に入る前から新鮮味に欠けてしまい、作品の出来不出来以前にテンションが下がってくるもの。朝ドラ枠からの、特に若手さんの参入は嬉しいですね。演技云々より、画面に新風が吹きます。

田野さんのセリ、そう言えば1話でクビになって会場をあとにするとき、苛立ちまぎれにポリバケツを蹴っ飛ばす腰つきにダンス上等の片鱗がありましたっけ。今後披露場面はあるかな。

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