金木犀、薔薇、白木蓮

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71:瀬戸内寂聴『女人源氏物語〈下〉』

2007-06-04 14:24:05 | 07 本の感想
瀬戸内寂聴『女人源氏物語〈下〉』(小学館)
★★★★☆

下巻は「初音」から「夢浮橋」まで。
メインは女三の宮と柏木の密通、浮舟をめぐる薫と匂宮の三角関係。

源氏死去の巻が伝わっておらず、
宇治十帖も尻切れトンボで終わっている……という原作の事情から
しかたないことではあるのだけれど、どうにも締まりのない印象。
みどころは昼ドラチックな密通→源氏の女三の宮&柏木いじめ。
もはや変質者の領域に達した柏木の言動も素敵すぎです。

「美しくはないが性格がよい」と評判の花散里だけれども、
こうもことあるごとに不器量だと言われていたら
絶対に性格ゆがむと思うなあ……
そしてこれは瀬戸内源氏オリジナルだと思うのだけど、
源氏と藤壺の秘密が女たちにバレすぎです。
コメント
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