金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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69:角川文庫編集部 編『きみが見つける物語 友情編』

2012-06-28 09:50:45 | 12 本の感想
阿川佐和子『きみが見つける物語 十代のための新名作 友情編』(角川文庫)
★★★★☆

【収録作品】
坂木司「秋の足音」
朱川湊人「いっぺんさん」
佐藤多佳子「サマータイム」
よしもとばなな「あったかくなんかない」
重松清「交差点」

仕事で読んだ本。
まったくの初読だったのは、「秋の足音」だけ。
こういうティーンズ向けのアンソロジーは、
中高生にとっては作家との出会いになっていいよね。

「サマータイム」は、最初に読んだときは全然心に響かなかったのだけど、
いい話だなあ。
瑞々しくて、センチメンタルで、切ない。
一冊通して再読したくなった。

「いっぺんさん」「あったかくなんかない」は、初読時と変わらず良い。

「交差点」は部分的に既読。
相手は悪くない、だけど割り切ることができないもやもやした気持ちを
きちんと描き切っているところが重松清、といった感じ。
『きよしこ』は一冊通して読んでいないので、近々読んでみたい。

初読の「秋の足音」だが……なにこのホモホモしさ。
作者は覆面作家らしく、わたしはこの本で初めて名前を知ったのだけど、
作者、女性だよね? 「女性から見た男同士」って感じだった。
果てしなく苦手。
真相も「そうでございますか」としか言いようがない。
しかし、これより前の話の内容がちょこちょこ出てきていて
それは気になる。


コメント (2)
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68:美術手帖 編 『日本のアーティスト ガイド&マップ』

2012-06-28 09:06:14 | 12 本の感想
美術手帖『日本のアーティスト ガイド&マップ』(美術出版社)
★★★★☆

彫刻や絵画だけでなく、写真や建築、パフォーマンスまで
さまざまなアートにかかわる現代アーティストを
作品の写真とともに紹介した一冊。
Amazonの評価はえらく悪いのだけど、芸術に関して無知で
(紹介されているアーティストのうち、知ってる人は
 10人程度しかいなかった)
こだわりがないわたしにとってはおもしろかった。
カラーで、情報量も多いし。
添えられた文章は、

「この世界における現象の複雑さを、リテラル(直示的)に開示する――。
 高度情報化社会において時代がポスト・マテリアリズムへと移行し、
 私たちの属性や行為までが履歴管理(アーカイブ)化されうるような状況のなかで、
 さまざまな事象をいかにして走査(スキャン)し呈示しうるのか。」(P.58)


なんて、門外漢には一読しただけでは意味がわからないものなのだが、
「こんなのもあるよ」といった調子で
次々にいろんな作品を写真で見せてくれて、
「芸術」や「芸術家」に対する認識が変わりそう。

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