金木犀、薔薇、白木蓮

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NHK大河「平清盛」レビュー26

2012-07-01 20:47:22 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第26話の一言】

夢オチならぬ幻覚オチとか……

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20:30あたりからちょっと中だるみしてる感じもしたけど、
緊迫感があっておもしろかった!

前回、清盛が青春時代のメモリーを思い出させる
遠回しな激励をしたせいで、
へんな方向に元気づいちゃった義朝。
前々回あたりからの意気消沈・へなへなしおしおぶりとは
別人のような顔つき。
ほんと目が生き生きしてるのね。
このあたりの目の演技がすごいなあ……と思ってみてたんだけど、
これが最後の輝きなのだと思うとやるせない。
恩賞を望む言葉もなく、今後のビジョンも口にしていないあたり、
破滅覚悟とも受け取れるし。

義朝謀反の報を受けた清盛はひどく驚いてて、
重盛に「別におかしくない」と冷静に言い返されてたわけだが……
バージョンアップしてもやっぱり清盛は清盛って感じだった。
「あれほど言ったのに」
「俺があと少し登るまで、なぜ待てなかった」
ってさー、結局自分が引き立てられてる立場だから
言えることなんだよね。
「いつ実現するかもわからない武士の世が来るまで、
不遇の身で耐えろ」
「俺が出世したらなんとかしてやる」
って上から目線の発想だし。
その格差がストレスの一因なんだってば!
気に留めてるし、激励のメッセージを送りもしたんだけど、
一門を食わせなきゃいけないとか、棟梁としてのメンツとか、
「聞えよがしの陰口ならお任せ☆」の麻呂たちのイジメとか、
あれやこれやが重なって義朝が追い詰められていくところに
想像が及ばなかったのかしら……。
なに驚いてんだと思った。

危機迫る状況で平家一門はレベルアップ。
盛国の安定感はいつも通りだが、
源氏物語脳の時子がゴッドマザーの片燐をチラ見せ。
そして、ちょっと前から「え、死亡フラグ?」という演出が
見られた家貞は、熊野詣の途中で義朝謀反の報を聞き、
「戦支度してないよ~」と慌てる面々に
「ジャッジャジャーン☆ 戦セット~!!」
とドラえもん化。
用意周到すぎるよ!

ラストで信西との青春時代の回想が入って、
心情的な盛り上げを図っていたらしい今回。
「だれでもよーい!助けてくれ」が
「清盛殿、助けてくれ」になっていたのは
ちょっといいなと思ったけど、いまいち感情移入ができず。
ここ数回は「きれいな信西」だったものの、
その前は「ブラック信西」だったわけで、
そのあたりの意図が明かされていないので、釈然としない。
ずっと行われていなかった死刑を復活させてまで
清盛や義朝に身内を殺害させたわけだしさ。
清盛は完全に水に流してしまってるみたいだが……。

〈その他いろいろ〉

・クーデターが成功して、ご機嫌な信頼。
 つやつや・てかてか・ぷくぷく。
 まさかあの「楊貴妃=信頼」の「長恨歌」が
 伏線だとは思わなかったわ。

・小心者のセコい感じを全面に押し出してる成親。
 この人、なんで信頼についたの??

・解説係の師光くんが、信西への忠義ぶりを発揮して
 予想外の輝きを見せる。
 スコップもないのに、あんな大きな穴を掘る肉体労働……
 おつかれさま!

・義平はやばいと思った。精神的には為朝よりよっぽどやばい。
 イッちゃってる。

・意外に発想が腹黒い重盛。
 この子、相変わらず笑顔がなく、幸薄そうな雰囲気ね。
コメント
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